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2016.1.2(土)晴れ べたな照明

クロナガアリ

ニコンD300sを入手していろいろテスト撮影をしている。テスト撮影ではクロナガアリを撮るのが最適だ。さいわい、まだ庭に初霜も初氷も来ていない。ときおり巣外で活動するクロナガアリの姿も見ることができる。

今朝はかなりべたにストロボを当ててみた。SB-29を右と上から、普通のストロボを左から。影の部分が少なくなってアリ自体は見やすくなる。ただし情緒という点ではイマイチに見える。


2016.1.3(日)晴れ 普通の照明

クロナガアリ

スーパーマクロのメインに使っている照明セットをD300sに付け替えて撮ってみた。ストロボは80DXとSB28の2つ。昨日に比べてこちらのほうがしっくり来る感じがある。

今日はすばらしい陽気だった。コキンに乗って境川に出ると、モンシロチョウが羽化してきそうな陽気に思えた。さすがに正月でチョウは見えない。冬に見られる虫の姿もなかった。道路を歩いているのでは小さなイモムシを1匹見つけただけ。残念ながら撮影のためにブレーキを引いて引き返す間に轢かれていた。鷺舞橋の休憩所の近くはジョロウグモスポットである。生き残りがいないかと探してみれば、すぐ1匹のメスが植え込みのアオキで見つかった。鷺舞橋のメスにしては成長が悪い。運悪く秋のうちに獲物にありつけなかったのか。現状で巣にかかっているのは綿毛のある雑草の種ばかりである。これからはフユシャクぐらいしか期待できない。

自転車は42×15Tでブラケットを持って犬走りに終始した。ずっと考えていたことは「狗子還有仏性也無。州曰、無。」というやつだ。とある自転車乗りに「犬走りでペダリングが極められるでしょうか?」と聞かれた趙州は「ダメだね」と答えたというやつだ。その理由が「為伊有業識在」犬は自転車に乗らないからね、というものだ。つまり犬になったつもりで、自転車の上で手足を押したり引いたりしているうちは極められないということなのだ。

趙州はまた「至道無難、唯嫌揀択」ともいう。つまり自転車で走るのは難しいことではないが、ハンドルだのペダルだのと意識しているうちはだめだということだ。お釈迦様のいう色即是空の境地は自転車も自分もなくなってただ空を飛んでいる状態のことだ。


2016.1.10(日)晴れ 境川のジョロウグモ

ジョロウグモ

踏み込みのペダルに体重をかけるだけでは速度に限界があるのだからと、犬走りの練習に境川に行った。チネリは素直な自転車で力を使えばすぐに進む。犬走りは腕を交互に押し引きするのだが、今日はとりわけ背中を使うことを意識した。向かい風でも背筋を動員してハンドルバーを押し引きすればより軽くペダルが回せるような気がする。ちなみに背筋の名前は決まっている。ファビアンだ。

写真は鷺舞橋のジョロウグモ。アオキの植え込みに4、5匹が見つかる。巣をみればけっこう獲物がかかっていることが分かる。アブラムシとかユスリカとか晩秋から冬にかけて境川にも多い虫だ。ジョロウグモは小物でもかかれば食べるものだ。その様子は庭の個体でけっこう目撃している。写真のように1つの巣に10も20も獲物がかかっているのに食べた形跡がないのはクモが弱っているからだろうと思った。

撮ってて気づいたのだが、写真の♀の巣には居候がいっぱいいる。しかも元気だ。けっこうなスピードでするする糸を這って歩く。最初は♂だろうと思ったけれどそうではないようだ。サイズが小さすぎるし形も違う。ならばイソウロウグモが疑われるが、徳島で見たタイプではないようだ。ひとまず撮っておけば調べられると写真にしたものの、これではよく分からない。TG-1のマクロはクモが苦手だ。オートフォーカスで小さい物を拾ってくれないからだ。そんなことで諦めずにちゃんと撮らないとだめだ。


2016.1.11(月)くもりのち晴れ ジョロウグモの居候

昨日見つけたジョロウグモの居候を撮ってきた。条件の悪い接写になってしまうがしょうがない。でかい被写体であるジョロウグモ♀にピントを合わせてシャッターボタンを半押し、置きピンでオートフォーカスを働かせずにTG-1を前後させて、えいやっと小グモを撮る。常用しているテクだ。相手は風で揺れ、こちらも手ぶれしている。色はストロボで出すしかない。

じつは昨日、居候をしているクモの種類についてもう一つの妄想を持っていた。それはジョロウグモの子どもというものだ。どういうわけか冬に孵化してしまったジョロウグモが母親と一緒にいる・・・のだとものすごく楽しい。しかし、そうなるためには奇跡的な突然変異がいくつか必要になる。そればっかりはないだろうとは思っても、肉眼で見る限り小グモのサイズと形がジョロウグモの幼体そっくりなのだ。今日、写真にとってみれば、その模様と体型が明らかにジョロウグモではないことがわかり、ほんのちょっとだけ落胆した。ぼつぼつ小グモの種名探しをしよう。


2016.1.12(火)くもりときどき雨のち晴れ 鳥の誕生

鳥がどこでどのようにして生まれたかは未だに謎らしい。見つかっている化石記録からはその進化の跡をたどり切れないという。確実なのは、中生代にトカゲのようなものから鳥が進化したということだ。恒温動物とはいえ、卵を産み、くちばしにウロコのような羽を持っているのだから、確かにトカゲの進化したものだろう。私も鳥の誕生の秘密について考えてみたい。ただし、観測データを持たない素人の考察である。考え方がスピノザ、デカルトふうになってしまうのはしかたない。

公理1 種は分化する。結合はしない。
公理2 新種の起源は突然変異であり個体は自然淘汰される

公理1の説明
進化とは種分化のことである。一度誕生した種は分かれるのみでいっしょになることがない。地球に現存する無数の個体はもともと一種だった。その一種が現在1000万ともいわれる種に分化している。

公理1より、巨大なグループを形成している鳥も、もとは一種類だったと考えることができる。トカゲは鳥が生まれたとき、すでに数億年の繁栄をとげ何万種類もいた。そのトカゲの中の一種類が分化して鳥が生まれた。

公理1はあまり考慮されることがない本質的な問題をはらんでいる。地球上で生きられる生物の総量にはおそらく上限値がある。生物が利用できる物質総量とエネルギーは有限だからだ。その限界値が増えることはない。生物の多様性が増しても総量は増えないはずだ。

となれば、進化とは有限ななかで生き様を切り刻む営みということになる。そして安定環境下では種分化が速いほど速く種が滅ぶという奇妙な結論が見いだされる。種の個体数は種分化で減少する一方だからだ。おそらくこれは誤りだ。種の個体数が爆発的に増加するとき同時に分化も起きるのだろう。でなれば進化とは滅びへの歩みでしかない。

このことを古生代の陸上動物で考えてみる。まずは昆虫その他が陸上を占めていた。古生代のある瞬間の陸上動物の数を100匹としよう。そこに両生類が現れた。やがて中生代、両生類の中からトカゲが生まれようとしているとき、95匹が昆虫その他で5匹が両生類だった。トカゲが進化し繁栄して、その中から鳥類が生まれるその瞬間には、70匹が昆虫その他で、3匹が両生類、27匹がトカゲだった。

鳥は現代1万種を含む巨大なグループである。数では全然かなわないものの種類では1億年先輩の魚類にも匹敵する。種が分化することによって上位の属・科・目・綱・門を作る。爬虫綱から鳥綱が分化したわけではなく、鳥は種から発展して別綱が占めていた場所に割り込んで来た。鳥という生き方はそれだけのポテンシャルを持つものだったのだ。


2016.1.13(水)晴れ 鳥の誕生2

定理1 鳥綱は元々とあるトカゲの一変種だった。

定理1の解説
公理2はかならずしも真とは限らない。ただ現象として突然変異が起こり自然淘汰によって生き残ればそれは新種になる。その説明に無理はないので私はそれを受け入れている。公理1・2を合わせて定理1を考えるならば、中生代のあるときあるところで生きていたトカゲの一種が、新生代に鳥として地球に君臨するための形ある一歩を踏み出すことになる。形あるというのは具体的に「飛ぶ」ということである。飛行することがその種にとって決定的な役割を担うトカゲの誕生ということになる。

現在でも飛ぼうとしているトカゲはいる。グライダーのように滑空するヘビもいる。中生代にもあまたのトカゲが空への願望を持っていたろう。実際に飛んだトカゲもいくつかいたかもしれない。しかし、その中で鳥になれたのはある場所に生息していたトカゲの一種の一群である。とりわけ、そのトカゲの種全体が鳥に進化したわけではないことには注意が必要だ。アメリカにも日本にも、インドにも東アフリカにもいるトカゲが、あるとき歩調を合わせたかのように一斉に鳥になったことも想定してもかまわないけれど、その前提から始まる想像は不可知論に終わる。少なくとも証拠は得られない。中生代に時空を離れて散らばるトカゲが同種であることを断定できる見込みはないからだ。

ともあれ、この1億年の間に無数のトカゲが飛ぼうとし、それなりの成果を得た者もいたはずである。しかし成功して現在鳥になったのはそのうちの一種のとある一群であった。

さて、当のトカゲたちがどのようにして翼を得て鳥になったかという問いは考えでがある。ある年に(交配可能な時間で)ある場所で(交配可能な距離で)1000匹のトカゲに一斉に羽が生えたことを信じることができればいいのだが、そこまで私は楽天家ではない。ダーウィンの頃から進化否定論者はこの点を突いてきた。「翼はじょじょにできあがったはずである。飛行に使えない半端な翼をもつトカゲは劣ったものとして、かえって淘汰されるはずではないか」というやつだ。

さらに、中間段階にある化石記録がないという点も否定論者は指摘する。それらはご指摘もっともなことである。事実として鳥が現存していなければ、トカゲは空を飛べるように進化することは不可能と言い切っても変人扱いされるおそれはない。

公理3 器官は緩やかに変化する

公理3の説明
現代の遺伝子工学をもってすれば一回の発生で劇的な“進化”を起こすことも可能である。自然界でも有効な突然変異のメカニズムはあるのだろう。おそらくそれは根本はランダムなものであり、淘汰のふるいにかけられるものに違いない。その一方で、定向的な変化もあり、表面上は要不要とか適応とかで説明されていると思われる。それは生物の個体として私の個人的直観だ。

いずれにしても基本生物は保守的である。いま行きている両親は数十億年にわたる淘汰をくぐり抜けてきた猛者なのだから、真似しておくのが無難なのだ。いろいろ問題はあるにしても、翼のように複雑で優雅な器官がいっぺんにできることはない。その前提に立って、翼もじょじょに形成されたことにしないと私の考えは進まない。


2016.1.14(木)晴れ 鳥の誕生3

定理1と公理3から、中生代のある種のトカゲは緩やかに鳥に変わって行ったと帰結される。緩やかという表現には10世代(10年ぐらい)から100万世代(100万年ぐらい)の幅があるだろう。その数字を示すことはできないが、緩やかというイメージは、親子で差がわからないぐらいの変異、という程度だ。完成して空を飛べる翼が20センチだとすれば、親子の差が1mmであれば差が認められないだろう。それでも着実であればわずか200年で翼の原型ができてしまうことになる。このレベルの変化は品種改良で実現されている。ただ、人為的な品種改良でも、助長できる器官とできない器官ははっきりしているらしい。変異のポテンシャルというものは種ごとに決まっているようだ。

中生代のそのトカゲは鳥になるポテンシャルがあった。トカゲが空を飛ぶってのはまあ大変だ。きっとサンショウウオがトカゲになるよりも大変だ。あるエリートトカゲが100万年とか1000万年とか想像もつかない時間をかけてゆっくり変わったことだろう。

トカゲが鳥になる手始めはグライダーだったということはよく聞く。ジャングルの木から木へと飛び移っていたのがその始まりだということだ。ヒヨケザルとかムササビとかグライダーになっている哺乳類もいる。鳥の起源もそういうものかもしれない。しかし私はそれは誤解だろうと思う。鳥になるほどのトカゲであればもっともっとダイナミックであって欲しい。グライダーは本質的に高い所に素早く登れる体があってのシロモノだ。であれば、前足の爪ありきの進化にならないだろうか。始祖鳥はそちらの方向に進んで成功したトカゲだった。新生代の覇者である鳥は違う方向からやってきたのだ。

私は自転車乗りで翼が欲しいと願っている。登り坂を向かい風を受けて走っているときに、その風が体を持ち上げてくれればもっと速く走れそうだ。私と同じ願望を中生代のそのトカゲももっていたのではなかろうか。翼は前から風を受けたときに体を軽くできる器官だ。グライダーも飛行機もその原理で飛ぶ。


2016.1.14(木)晴れ 鳥の誕生4

人間の飛行機はグライダーから進歩した。だからといって、鳥もグライダーから進歩したと考える必要はない。グライダーはネガティブな感じがある。推進力を得ずに、重力で落ちながら前に進むからだ。飛行機はアクティブだ。動力で前に進みつつ空中を昇るからだ。トカゲはもともと地上を進むことができる動物だ。グライダーになるよりも飛行機になるほうがいいに決まっている。中生代のトカゲには、速く走り、空へ飛び上がることへのモチベーションがある。少しでも速ければ、少しでも飛べれば、たちどころに有利だったのだ。

公理3 羽はもともと鱗だった

鳥の翼は洗練された飛行器官である。昆虫ともトビウオともプテラノドンともコウモリとも全く違った創意とくふうで完成された飛行器だ。定説では、鳥の羽はもとは鱗だったという。トカゲがグライダーにとどまらず飛行機になれた要因は公理3だと思う。羽が鱗の変化したものなら、トカゲから鳥への進化は無駄なくスマートに事が運ぶ。

トカゲの餌は虫である。トカゲは視覚的捕食者であって動くものを捕らえて食べる。鳥のいない中生代の空中にはわんわんと虫が飛んでいたろう。森だけでなく湿地も乾燥地も空中は虫だらけだったはずだ。

私は鳥になったトカゲはオープンな環境にすむトカゲだったと思っている。樹木もまばらな湿地か乾燥地ですばやく走り回って虫を食べるトカゲだ。現代でも必死で逃げるとき、水面を後ろ足だけで蹴って走れるトカゲがいる。ああいう感じで速く走って、ジャンプして虫を捕まえる。そういうトカゲは世界中に何種類もいただろう。その中の一種がやがて鳥になる。

最初から空を飛べる翼を持っている必要はない。前肢の鱗が後ろに伸びているだけで揚力が得られる。走ることで少しでも体が軽くなれば有利だ。羽が伸びればもっと速く走れてもっと高く飛べる。羽がなくても生きて行けるけどあればもっと有利なのだ。


2016.1.20(水)晴れ 鳥の誕生5

 鳥の進化

トカゲから鳥が分化する様子を模式的に把握したいと作成したのが今日の図である。時間は左から右に流れている。たての幅はトカゲの数だ。トカゲAは中生代のある瞬間ある場所に生息していた群れである。数は1万匹程度で互いに交雑可能であった。図の上のほうがより鳥に近い。分化のタイミングは便宜上同時にしているけれど、その長さは本来まちまちであろう。より発展的で時流に乗っている上の方の種類が進化も速いという予想は立つ。

トカゲAはトカゲBに進化した。トカゲB−1はより鳥に近い形態だった。前肢の鱗がよく伸び、前肢の羽ばたく力がつよかった。トカゲB−2はより従来のトカゲに近い形態であった。鱗はそれほど長くなく、後ろ足のジャンプ力が強かった。数はそれぞれ5千匹である。

やがてトカゲBはトカゲCに、トカゲCはトカゲDに進化する。そのとき画期的な事が起きた。なんとトカゲD−1は空を飛ぶ事ができたのだ。基本行動はダッシュしてジャンプして滑空だけど、前肢を上下することで地面から数秒間だけ体を浮かせることができたのだ。

これは私がよく見てきた樹形図とは違っているけれど、こちらのほうがより進化の実態をつかみやすいと思う。地球上最初の鳥であるトカゲD−1は、トカゲC−1、トカゲB−1、を先祖とする。従来型であればトカゲAの幹があってトカゲD−1への枝が一本伸びてくるところだ。

トカゲD−1はトカゲD−8とは随分体の様子が違う。化石記録でも十分に別種と区別できる。ただし、トカゲA〜トカゲD3の13種類は体の作りがよく似ているので別種としては区別できない。化石として残っても鱗が長いトカゲの一種としてしか扱われないだろう。

トカゲAはトカゲDになって種類を8種類に増やした。もともと1種だったものが、属に格上げになったのだ。さしずめトカゲAがナガウロコトカゲであれば、トカゲD−1はウロコトカゲ科ナガウロコトカゲ属ゲンシチョウであろう。最初の鳥として空に飛び上がったゲンシチョウの数は1000匹ほどだった。ちなみにナガウロコトカゲは鳥になる間に8種の新種を産んだ。ただし、その間に7種は絶滅している。その7種は適者絶滅したのである。


2016.1.21(木)晴れ 鳥の誕生6

 鳥の進化

鳥が生まれた中生代がどんな感じだったのかをエクセルで描いてみた。エクセルというのは本当に偉い。ただの表計算ソフトではない。こういう図はエクセルであれば10分程度で作れる。エクセルがなければまず描く気にならない。

図で示しているのは陸上動物の趨勢である。時代は中生代から新生代。群青は「虫」を表す。脊椎動物以下の虫は全部含んでいる。虫以上の動物は両生類→爬虫類→恐竜→哺乳類→鳥類というような感じで進化したのだろう。それぞれ色分けしている。面積は個体数でも種数でもない。なんとはなしの適当だ。

ちなみに良い子はこの図を信用してはいけない。私は生物の素人で、地学の知識は大学受験のために勉強しただけである。とうてい一般の人の用に足る図ではない。

古生代の終わりに途方も無い天変地異があったらしい。とりわけ海の動物が死んだという。陸上の虫もけっこう死んだだろう。脊椎動物は両生類と両生類から進化した爬虫類が少しいた。

やがて環境が安定すると、より広く生息できる爬虫類の羽振りがよくなってくる。飛ぶ鳥をも落とす勢いで地上を席巻し、中生代を彩る恐竜を産んだ。

鳥類、哺乳類は恐竜と爬虫類のはざまで生きていたが、中生代の終わりの天変地異で恐竜をはじめ陸上の大型動物が死滅すると一気に攻勢に出て、現在の陸の主役になっている。

中生代にも新生代にも幾度か天変地異があったはずだが、それは省略している。生物は大量絶滅で一時的に減少するけれど、海と大地と太陽が安定的であれば一定の繁栄を約束されていると考えている。図の上限がそれである。中生代の終わりと現代は上限にあたっていると決めつけた。

ちなみにヒトは哺乳類として一種類だけしかいない。それでも、この図の緑の部分の過半を占めている。いまや哺乳類といえば人間である。


2016.1.22(金)晴れ 鳥の誕生7

公理4 化石は珍しいしろものだ

中間的な“トカゲ鳥”の化石が見つからないことに対する説明は必要であろう。翼のないトカゲが産んだ卵から鳥が孵化することは仮定しなくてよい。それは文字通り奇跡であって科学ではないからだ。

中途半端な翼を持ったトカゲがかつて存在したことは自明である。問題になるのはその数と場所になる。公理2にあるように、進化とは種分化であり、種分化においては個体数が減少するのが建前である。現在の鳥はざっと1万種、個体数は10の10乗匹を上回るだろう。この隆盛は鳥というスタイルの優秀さをものがたっている。種分化による個体数の減少をものともせず数を増やしてきたのだ。その傾向は鳥が鳥になる前からあったと仮定しなければならない。つまり中途半端な翼を持ったトカゲ鳥は十分適応的で世代ごとに徐々に数を増やしたはずなのだ。

さて、鱗が羽として伸び始めたトカゲが適応的だったとして、どれほど個体数が増えていくのだろう。

まずは誰もがよく知っている動物である人類を例に考えるのがわかりやすいと思う。人類はもっとも最近に誕生し地球史上稀に見る成功をおさめている。類人猿の一種には違いないのだが、その進化の過程はよくわかっていない。化石記録がないからだ。

ヒトの歴史は10万年から100万年ぐらいなんだろう。ヒトは10万年ぐらい前にはアフリカのどこかでこじんまりと暮らしており、この2万年ぐらいで爆発的に増えた新参者だという。1000万年後、ヒトが自然化石として未来人(または宇宙人)に続々発掘され、その繁栄の事実が確認されるためには、この100億規模の人口が10万年ぐらいは続く必要があるだろう。中生代のトカゲや恐竜であれば100億匹いる状態が100万年ぐらい続いてようやく1匹の化石が見つかるぐらいだろうか。逆に言えば、化石が見つかったトカゲは、その個体が死んだ時点で種としては100億匹ぐらいはいたことになる。

私のゲンシチョウとその仲間たちが化石として発見される見込みを考えてみよう。トカゲ鳥は極めて優秀、適応的で一世代ごとに1%だけ数が増えるとする。1世代が2年として、初期値として1000匹のゲンシチョウがいれば、たった1500世代、3000年ほどで100億匹になる。100億匹のトカゲ鳥が中生代の100万年ぐらいにわたって生存しておれば、1つや2つの化石は発見されるだろう。だがその見込みは薄いと思われる。

問題になるのは、まずはその進化のスピードだ。羽の長さに注目して、1cmの鱗が世代ごとに1%ずつ伸びるとすれば、たった500年で10cmの立派な羽になる。

鳥が誕生したのが中生代にあった四国ぐらいの島だったとしよう。トカゲと鳥の中間型化石ができうるのは広い地球上でその島だけである。たとえトカゲ鳥の数が多くても、その島がトカゲの化石を作り後に人間に見つかるのに不向きな地誌であれば残念、中間型は永久に闇の中だ。

トカゲ鳥はその島の中で徐々に羽を伸ばしながら1億匹までに数を増やす。その過程で翼だけでなく恒温性や抱卵などを獲得し、向かう所敵なしの体を持ったゲンシチョウとして海山川を越えて新天地に広がっていく。

中生代の鳥という生き方は新生代のヒトに匹敵するほど適応的だった。地球の陸地の隅々にいたり、環境に応じて数種に分化するのに要した時間は数千世代、1万年程度だったろうと私は想像する。もしそのスケールの進化が起きたのなら、どこでどうやって鳥が生まれたのかという問いへの明確な回答は不可能だろう。


2016.1.23(土)くもり 新しい自転車

Wilier

新しい自転車を買った。自転車といっても買ったのはフレームだけ。15年前、2000年に販売されたイタリア製のWilierだ。Wilierは高級カーボン車も販売しているが、これは廉価版のエントリーモデルだ。あの頃は一時期プロのレースでもアルミの自転車が主流だった。クロモリからカーボンに移行する端境期のフレームである。Wレバーが使えるほか手持ちのパーツが全て利用できる。15年前の中古フレームにしては大変状態がよい。ほとんど乗られていないようだ。

ひとまずコキンちゃんのパーツを全移植して境川を走ってきた。コキンちゃんと比べて特に変わった感じはないが、路面のギャップでガツガツ来る感じはいくぶんか軽減されているようだ。アルミフレームということが大きいのだろう。チネリにくらべてハンドルはやや振れる。まっすぐ走らせるのは集中力が必要だ。また、コキンちゃんよりも2kg ほど軽くなるから、持ち運ぶにも便利だ。

このフレームはネットで見てなぜか一目で気に入ったものだ。フレームのほうでも「おっちゃんに乗ってもらってうれしい」と言ってるような気がする。相性はばっちりのようである。


2016.1.28(木)晴れ 鳥の誕生8

公理5 鳥の進化は地球史上ただ1度だった

公理5は近年になって提出されたものらしい。50年ぐらい前の教科書では鳥の祖先は始祖鳥とされていたけれど、鳥と始祖鳥は直接関係がなく、新生代の鳥は始祖鳥とは別個に進化したのだという。

思うに、中生代には空を飛びたい両生類・爬虫類はたくさんいたことだろう。爬虫類だってある瞬間を切り取れば1万種はいたろう。絶滅種を含めれば中生代全期で1000万種はかたいと思う。それが1億年もの期間をかけて鳥になれたのは1種類だけだった。その1種のデザインは大成功しいまや鳥網にまでなった。

この事実は進化の難しさをものがたっている。大進化できうる素質は得難いものであり、その素質が開花できる環境とマッチすることは稀有なことなのだ。

定理2 大進化は極めてまれである

公理5と定理1より定理2が得られる。動物グループで網や門といわれる大くくりの数はわずかである。35億年もかけて大進化はそれだけしかできなかったのだ。

空を飛ぶことは多くの動物がやりたいことにちがいない。昆虫、始祖鳥、翼竜、鳥、コウモリ、人間が成功している。その中で昆虫と鳥が現代でも空の覇者として君臨している。空を飛べる動物は多い。しかし、グループの数となると多い気がしない。爬虫類だって哺乳類だってもっと他の目、属でも飛んでよさそうな気がする。飛ぶことはそうそうできないけれどできればすばらしいこと。素質と努力と運が相まってはじめて実現できることなのだ。

さて、鳥は羽と同時に恒温性を獲得している。わたしは恒温性は翼を活かすには必須条件だと思う。造巣、抱卵という習性は鳥の成功に欠かせない要件だ。この恒温性の獲得は羽の進化とは別物と考えなければならない。翼の発達は生息環境との関係において明確に適応的だと判断できる。一方で、恒温性は環境とは別個にトカゲ内面から発達する生理機構と考えられるからだ。

翼は大発明であり、恒温性も大発明だった。この2つが結びついて鳥が進化した。定理1より鳥になったトカゲは1種であれば、恒温性を進化させたトカゲも1種であり、それは同種を起源とするものと考えるのが合理的だ。脊椎動物の恒温性の獲得が中生代に2度起きたとしたくないからだ。

定理3 より大きな進化はより以前に起きた

定理2より大進化はまれであり、公理5より進化は一度きりであり、公理1より進化は後戻りできないものであるならば、定理3としてより大きな進化になればなるほど歴史上先に起きたと考えることができる。

たとえば、陸上脊椎動物は哺乳類と鳥類になる前に水から陸に上がるという進化を共有したというようなあたりまえのことだ。

鳥のトカゲと異なる特徴である恒温性は鳥類、哺乳類、恐竜をくくる大きな進化だ。地球史上、脊椎動物の恒温性が一回しか進化しなかったとすれば、鳥、哺乳類、恐竜をくくる共通祖先が存在し、それは恒温トカゲということになる。

私の図で、恒温性を獲得したのはトカゲAかその祖先ということになる。哺乳類も恐竜も恒温動物であり、鳥と同時代を共有したのならば、その祖先はトカゲAだからだ。図ではトカゲD−5あたりが哺乳類になるのだろうか。恒温動物となったトカゲの鱗が羽ではなく毛になり、抱卵するかわりに胎生を獲得しておれば、それは哺乳類であろう。

こう考えていくと大進化はある意味天才的な、一般的な意味での突然変異種によって起こされるような気がしてきた。中生代のあるときに1万種いたトカゲのうち9999種はまじめに変温トカゲの道を歩んでいた。その中からヘビ、カメといった独特のデザインのものが正統派として進化した。そしてとんでもない変わり者の1種が中生代から新生代を彩る鳥類・哺乳類・恐竜に進化したのだ。

というように鳥のことを書いてきたのだが、真似して改めてデカルト、スピノザの方法はめんどうだと思い知った。定理がいっぱいできてから、その間に新定理を挟み込みたくなったり、公理の番号を間違えて書いてしまったりするだけで大騒ぎだ。いまならコンピューターもハイパーリンクもあって修正も記述も楽だが、紙にペンの時代でこれをやるのはほとんど狂気の沙汰だろう。エチカってやっぱり人類文化の金字塔だな。


2016.1.31(日)くもり時々晴れ 午後のクロナガアリ

クロナガアリ

午前中、雲は多かったものの気温は高かった。 風も弱い。いい日和だなと新車のウィリエールにのっていそいそと境川。日曜午前は境川。先週は八王子の1964東京オリンピックコースを走ったから2週間ぶりになる。

今日は少し強めに乗ってみた。ウィリエールはコキンよりも少し硬いがナカガワほどではない。ハンドリングは素直だろう。少し揺れるけれどコキンほどではない。コキンやナカガワは路面のごつごつがガツガツ来るけれど、ウィリエールはそれほどでもない。いい自転車だ。サドルを換えたり、ハンドルステムを換えたり、乗ったり降りたりしていろいろ具合を調整した。

帰宅して暖かいから念のためにとクロナガアリを見に行った。すると、何匹も巣から出ていてササガヤの種を運んでいるやつもいた。あわててTG-1で一発だけ押さえてスーパーマクロを取りに二階へ走った。

巣口の近くにツマグロオオヨコバイが転がっていることはすでに気づいていた。スーパーマクロのファインダーで覗けば、まだ死にきってはおらず、動いている脚もあった。クロナガアリはこの手の大きな虫には興味を示さないんじゃないかとしばらく観察していると、一匹の働きアリがやおらツマグロオオヨコバイに近づいていく。脚の根元にかじりついて巣に運ぼうという算段らしい。一匹でツマグロオオヨコバイを運ぶのは無理みたいだ。そうこうするうちにもう1匹がやってきて、そちらも運ぼうとしたものの、すぐにあきらめてしまった。やはり肉食への執着はそれほどでもないと見えた。


2016.2.6(土)くもり 動かないクロナガアリ

クロナガアリ

ウィリエールで境川に行く前に、念のためにクロナガアリの様子を見ることにした。巣口のあたりに目をやるとすぐに数匹の働きアリが出歩いていることがわかった。取り急ぎスーパーマクロを取ってきて撮影。D300sはビジュアルで色温度を細かく設定できるのがうれしい。どちらかというと黄色っぽい色が好み。

撮影してふとアリがいることに気づいて撮ったのが今日の写真。無造作に捨てられたゴミの間でじっと動かない働きアリ。死んでいるとも見えたけど、体勢がしっかりしているから快調に生きていることがわかった。ただ、まるで冬眠しているかのように動かない。外に出てきたものの冷気にすくんで動けなくなってしまったのだろうか。撮影のために巣口のまわりの落ち葉をどけていた。おそらく落ち葉の下でこうしていたのだろう。巣までの距離は5cm。巣の中はものすごく暖かいはずだ。

境川には女房といった。時速15kmのサイクリング。畑でモズをみたのが収穫。メスだろうか。鳴き声もあげずに柵に止まって地面の虫を狙っていた。声を聞かなくても頭でっかちですっくと立って尻尾を回すからすぐにモズとわかる。なんと女房はモズを見たことがないというので、注意してモズをねらっていたのだ。


2016.2.7(日)晴れ 境川にニュースター

クロナガアリ

ウィリエールで境川。ステムの高さ、サドルの高さ角度が決まってきた。ところが今日はキシキシという異音がずいぶん発生して少しびびった。チェーンの油ぎれだとまあ許せる。BBの調整ミスなら困りもんだが、ちょっといいかげんに組んだ後ろめたさもあって、まあしょうがないかなと思う。もし、ヘッド小物だったらたいへんなことだ。組み付けはしっかりしているつもり。シールドベアリングの油ぎれだろうか? こいつは15年間ノーメンテで放置されていたはずだからありえる。それだけならいいけど、ヘッドパーツに不具合があるのならやっかいだ。

いろいろ心配しながら100kmほど走って、ふとサドルに思い至った。自転車を止めてためしに手で体重をかけるとキシキシ鳴る。レンチで締めればあっけなく異音が消えた。腰を上げて異音が消えないことを確認したはずだが・・・思い違いだったようだ。最近この手の思い違いが仕事でもなんでも頻発していて、自分にあきれかえっている。

写真は鷺舞橋から撮ったコサギ。湧水付近のたまりには小魚が群れており、サギの餌場にもなっている。しばらく観察すれば、けっこう稼ぎはよいようだ。写真は写りは悪いがちょうど魚を捕まえたところ。サギを真上から撮れる場所はそうない。TG-1は鳥が撮れるカメラではないけど、ちょっと記念撮影。

この数か月ばかり、この鷺舞橋湧水観察ポイントに人が群れている。高性能なカメラを持ったお年寄りたちだ。最初はカワセミを撮っているのだと思っていた。サギも居着いているが、溜まりの小魚をねらうカワセミもいる。カワセミも人気者だ。ところが、彼らの被写体はカワセミではないようだ。今日はカワセミがいなかったけど、何かを撮っている。私がサギを撮っているとき、別の方向を狙って連写のシャッター音が聞こえた。何か地面を這うものみたいだ。草むらに隠れて穴からときどき出てくるようだ。何だろう? イタチだろうか。イタチなんかがスターになれるはずもないが。まさかナマズではあるまい。せっかくだから、その正体を尋ねることはせず後日の楽しみにとっておこう。


2016.2.9(火)晴れ 儚くない最後の一葉

私が最後の一葉を追い続けていることはごぞんじのことと思う。そして、最後の一葉の現存期待値は数分であるという予測もご存じのことと思う。ところが、実に1年以上にわたって最後の一葉として枝に残り続けた例外的な葉があったことをあらためてここに報告したい。

最後の一葉

その葉を観察したのは他でもない庭のジューンベリーである。そもそも最後の一葉を見たいと思い始めたのがそのジューンベリーであった。この15年ばかり、毎朝、空と庭の様子を観察撮影している。そしてこの5年あまりはジューンベリーの観察も日課の一つになった。

最後の一葉

写真は2014年の11月、秋たけなわでジューンベリーの葉はきれいに色づき落ち始めている。こうなると落葉は速い。数日のうちに丸裸になってしまう。次第に少なくなる葉を毎日観察し、最後に残るのはどれか、今年はその一葉を見ることができるか、と心ひそかに期待を高める頃である。

最後の一葉

2014年の晩秋はあっけなくその期待が現実になった。最後の一葉と決めつけて良い葉があからさまであったからである。写真は12月の9日、すでにジューンベリーに残る葉はこの一枚だけだったが、最初にしっかり撮影したのはこの朝であった。

最後の一葉

その葉は年を越して厳冬期に入っても枝にとどまっていた。さすがに一枚だけ枝に残っているのは異常だと思った。虫が縛り付けた? ツルが巻き付いている? 原因はいろいろ考えられたが、見かけ上は何の変哲もない枯れ葉に過ぎなかった。

最後の一葉

1月30日には珍しく雪が積もった。神奈川でも年に数回は1日だけ積雪に見舞われることがある。この雪で最後の一葉も落ちるだろうと予想した。

最後の一葉

翌朝、その葉はそこにあった。雪でも葉が落ちることはなかったのである。

最後の一葉

そして芽吹きの春。ジューンベリーは葉よりも先に花が咲く。ちょうどソメイヨシノと同じ頃に満開になるのだ。写真は満開の花に囲まれた最後の一葉。

最後の一葉

最後の一葉は夏の青葉の季節にも枝にとどまっていた。梅雨の雨のしずくを転がす青葉の中でしっかり存在を主張している。

最後の一葉

そして秋、11月の半ば。新しく芽吹いた周辺の葉がその役割を終え、赤く色づいて落ち始めた。それでも最後の一葉はあいかわらずそこにあった。葉はさすがに薄くなり葉脈を残して穴があきはじめた。

最後の一葉

木枯らしが吹き、電線がぴゅうぴゅう鳴る夜があっても、朝になってそこを見ればその葉はそこにあり続けた。こうなると興味は、2年越しで最後の一葉になるかもしれないということだった。年が明けて今年の1月、その葉はまだあった。ジューンベリーに残る葉はもう数枚だった。

最後の一葉

その日は劇的にやってきた。1月18日、関東地方が例外的な寒波に襲われた夜だった。一晩で10センチ以上の積雪があり、朝には水をたっぷり含んだ重い雪が庭の木々をしならせていた。ムクゲの太い枝が雪の重みで裂けた。もしかしたら雨氷があったのかもしれなかった。午後には枝の雪は落ちたが、それとともに最後の一葉も枝を離れたのだった。

最後の一葉

19日の朝には見慣れた枯葉は枝になかった。そして今朝、ジューンベリーの枝にはよく目立つ大きな葉が2枚落ち残っている。さてこのうちどちらかが跡を継ぐことになるのだが、私は最後の一葉を見ることができるだろうか。


2016.2.13(土)晴れ ウィリエールで半原越

ウィリエール

ウィリエールで境川を流すつもりが、いつもの白旗休憩所で気が変わって半原越に行くことにした。今日は体がだるくてしんどい感じがあった。軽くなら半原越もいいだろうと方向転換。気が変わったのはきっと南風が強くて気温が高いせいだ。境川から引地川に出て、134号線を西へ。神奈川セントラル正方形を時計回り。

予想通りぜんぜん乗れる感じがなく、もやもやする気分をかかえていつもの棚田脇に到着。ひとまず半原越を背景にしてウィリエールの記念撮影をした。この自転車の初半原越だ。

半原越に入っていくと斜面の枝が折れて道路にかかったりしていた。きっとこの前の積雪で折れたのだろう。ハンノキと思われる樹木が道路をふさぐ格好で根元からしなだれかかっている。花穂が緑色だったのが春らしくて撮影しておいた。

自転車は案の定ぜんぜんだめだ。ウィリエールがだめなんじゃない。体の方がおかしいのだ。心拍があがっていないことが自覚できる。脚はしんどいのに呼吸がつらくないのだ。酸素不足になるほど筋肉を使えてない。50才の半ばを過ぎてからこういう日が増えてきた。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間15'23"5'23"+5013.0-70153
区間211'09"5'46"+4212.3-69175
区間317'08"5'59"+5411.9-68157
区間424'26"7'18"+609.8-63172
全 体+20611.6-67165

ついでに今日はものすごい追い風だった。この風で24分半だと先行き暗い。感触良く走れればウィリエールを半原3号と呼ぼうとしているのだが、その日は来るのだろうか。


2016.2.14(日)雨のち晴れ 早春のクロナガアリ

クロナガアリ

昨夜から明け方までけっこうな風雨だった。気温がぐんと上がり春の嵐である。それも正午頃にはすっかり雲が晴れ快晴の青空がひろがった。

日の落ちる頃、クロナガアリの様子を見に行けば、ずいぶんな数の働きアリが巣外に出ている。動きが速く活発だ。ササガヤの種を運んでくるものもけっこういる。この気温の高さで活性があがっているのだろう。

庭を見渡せば枯れ草の中でムラサキケマンの青い葉が広がっている。ハコベはほどなくして花芽を伸ばしそうだ。


2016.2.20(土)雨 謎のワッシャ

ワッシャ

今日は雨だが暖かい。これなら生き地獄になることもあるまいと、雨合羽を持たずに境川。自転車は久しぶりのナカガワ。50×17T付近を使って犬走りの練習。とりわけ腕を押すことを重視した。平坦を軽く走っていればうまく押せるような気がしているのに、登りにはいると全然押せなくなる。そこを改善して、登りでも自然に押し引きができるようになりたいと思う。その練習を境川でやるには重いギアを選択して70rpmぐらいで走ることになる。

今日気づいたのは、腕を押すことを意識しすぎるとうまく押せないのではないかということだ。つまり、腕を押してから脚を上げるという感覚ではだめみたいだ。どちらかというと、脚を上げるときに体が前に行くから、体が倒れるのを防ぐために腕を押す感じだ。腕の練習でも脚が先なのだ。自転車を走らせているのはあくまで下半身で、上半身はそのじゃまをしないように補助に徹するのがいいのかもしれない。

雨でもあるし少し早めに切り上げで自転車を整備してパーツの交換をした。ナカガワはハンドルが低くて遠い感じがしたから、1cm短いステムにした。ついでに、ウィリエールはハンドルが近い感じがあるので1cm長いステムにしてみた。

作業を終えて階段の上にあるフックにウィリエールをかけようとすると、からーんと軽い音をたててパーツが階段を転がった。音からして小さな部品だ。あわてて拾い上げたのが写真のワッシャである。わざわざ写真にまで撮ったのはこいつの正体が不明だからだ。大きさから推測すればネジはM5程度である。こいつは見た記憶がないが、似た物なら3つや4つは挙げられる。形状からして自転車部品の専用ワッシャであることはまちがいないだろう。裏には滑り止めの溝が切ってあり、短辺が糸巻き型になるよう削られている。しっかり設計され丁寧に作られているワッシャなのだ。

作業はステムの交換である。旧式なステムだから交換するときにはブレーキレバーを外しバーテープを巻き直す必要がある。それ以外はやっていないから、今日こぼれたものであればブレーキレバーの部品である。ウィリエールでいじったのはST-5703の左レバーであるが、分解図を見てもこのワッシャーは使われていない。では、ナカガワのカンパニョーロCレコードの右レバーの部品ということになるのだが・・・全く見た記憶のないワッシャーだ。自転車部品はこういう小さいものがけっこう重要な役を担っていることもあるからちょっと気持ち悪い。


2016.2.21(日)晴れ 久々のオールアウト

ウィリエール

今日はウィリエールで境川。練習の目的は昨日気づいたことの継続。ただ、いろいろセッティングしたいところもあった。まずはステム。古いMIZUNOの110mmを買っていたことを思い出して換装してみた。サイズと長さはこれでしっくり来るはずだ。旧式の鉄の部品なので扱いはちょっと面倒ではある。

もう一つはフロントディレーラー。新品のシクロクロス用という10sのものを買ってみた。そもそもダブルのBBにトリプルのクランクを使っているものだから、いろいろと悪夢は生じている。BBに1mmのスペーサーをかまして、右に寄せることでインナーにもチェーンが落ちるようにしている。その分ペダルも1mmずつ右に寄ることになってしまうので、左ペダルを2mm外に伸ばしている。ルックの前シリーズの最終モデルはQファクターを変えることができるのだ。ただ、こういう荒技はできればやりたくない。シマノのシクロ用ならなんとかなるかもしれないという苦肉の策だ。

境川は北風が強かった。駆け抜けた低気圧が予報通りの発達をしたようだ。ただ風が強くても暖かい。モンシロチョウが飛んでいるんじゃないかと錯覚したぐらい暖かい。今日から春と宣言したい。

春の北風を利用して犬走りの練習。理論上は80rpmで体の重さを十全にペダルに乗せて走ることができる。そのとき踏みつける動作はしなくても良いはずだ。ところがしばらく走っていると前太もも、いわゆる青木裕子(元アナじゃないほう)に痛みが来る。それで力の入れ方がまちがっていることがわかる。強い自転車乗りは太ももの筋肉が強くて凡人よりも強く踏めるのだろう。素質のある自転車乗りは練習しなくても踏みつけずに走れるのだろう。私はその双方の能力を欠いている。

ただし、並外れて頭が良く、いろいろ気づくことができ論理的に考えることができる。すでに理にかなった自転車の乗り方に気づいている。それを体にたたき込めばすぐれた自転車乗りになれるはずだ。うまくいかないのは体が馬鹿なのか体力的な上限が低いからだろう。今日の失敗は力を抜いているつもりでも入れているところにある。引き脚を使うに先だって踏み脚に力がはいってしまうらしい。そこを修正すればいいのだ。

さて、このアイデアは正鵠を射たものだろうか、人間にそんな動作が可能なのだろうか? 私は度を超して頭がいいものだから、人間には認知の限界、論理的思考の限界があることを知っている。どれほどの頭脳であろうと達することのできない領域があるのだ。そのことを思い知っているものだから、自分のアイデアにいまいち自信がもてず迷ってしまう。

風を使ってがんばりすぎたのだろうか。80kmほど走ったとき力尽きていることを自覚した。久々のオールアウトである。ハンガーノックではない。いつも通りスリーエフ白旗店でいろいろ買って食っている。まさか境川でオールアウトを食らうとは思わなかった。しかもたった80kmだ。これでは立派な初級者じゃないか。かなりしょんぼり。

FDをいろいろ調整していると、どうやらスペーサーを外してもチェーンが落ちそうな気がしてきた。帰宅後、そそくさとBBを分解してスペーサーを外し再調整をしてみた。10s用のFDは幅が狭くて移動距離が小さく、セッティングがシビアである。クランクが9sか8sなもんだから、アウター、ミドルの2枚でも調整が難しい。頭がいいなりの創意を集め、工夫を重ねてもジャストなセッティングは見つからなかった。私のような者はSTIを使ってはいけないのだ。


2016.2.25(木)くもり インチキトリプル

さらなる創意と工夫によってQファクターダブルのフロントトリプルが可能になった。42・38・26Tというギアは初心者に最適なものである。これを是非市販して欲しいものだ。ダブルで42・28Tでもかまわない。この程度のフロントギアでなければ、初心者向け(=競技で勝ちを狙わない自転車乗り)あるいは“入門用ロードバイク”として売ったら詐欺になる。コンパクトクランクのインナーローで、34×32Tなんてことができるとしてもフロントアウターが50Tでは大きすぎる。スプロケットを16Tからのジュニア用を使うのは、フレームのカタログスペックで明記されない制約が発生する。美的にも大きなギアと大きなギアの組み合わせはオーバースペックで気分が悪いものだ。

もし、現行の競技用パーツでインチキトリプルを実現しようとすれば、ものすごく難しいことになる。私ぐらいの有能なベテランでないと難しいところである。

まず難しいのがフレームの選択である。オクタリンクでダブルのBBにトリプルのクランクをはめようというのだから、インナーがチェーンステーに擦る可能性が高い。私の場合、手持ちのフレームでは半原1号だけが可能であった。のちにインナーギアのスペーサーを3ミリの薄いものにして、10s用のチェーンを使用することで、フレームの選択が広がった。

ちなみに、現行のホローテック型のBBでは、その構造上、インチキトリプルの実現可能性はゼロと思われる。

次にフロントディレーラが難しい。まずトリプル用のフロントディレーラーは使えない。アウター42Tは小さくて対応できないからだ。さらに直付フレームは使用できない。フロントディレーラーとギアの距離があきすぎて全く話にならないからだ。

フレームはフロントディレーラーバンド式のものでなければならない。ところが、私の手元にある各社のバンド式ディレーラーで試した限りではインナーにチェーンを落とすのが難しかった。構造上の制約からプレートがシートチューブに十分寄らないからだ。

これを解消するのは、シートチューブにアダプターを巻いて直付ディレーラーを使用する方法である。これならシマノの9sデュラエースがぎりぎり半原1号&コキンちゃん(28.6mm)で動いた。

同じ方式をウィリエール(31.8mm)でも試みた。直付アダプターは31.8mmのものを新規に購入した。ウィリエールのシートチューブがほんの少し細い(このことはシートクランプでも感じていた)ので、直付アダプターがうまくつかない。適正太さになるように0.5mm厚のアルミ板を切ってはちまきを作って対処した。まずは、9sデュラエースで試したものの、ほんのちょっとだけプレートの寄りが不足してチェーンがインナーに落ちなかった。そこで、オクタリンクのBB-7700にリアスプロケット用の1mm幅スペーサー1枚をかましてBB軸を右に1mm寄せた。その分LOOK CX-6を使って左ペダルのQファクターを2mm大きくした。

幸いそれでうまく動いていたのだが、FD-CX70というシクロクロス用のフロントディレーラーがあることを知った。そいつは小さいチェーンホイールに対応した設計になっている。プレートが短いのだ。9sデュラエースだとプレートを適正まで下げようとすると、プレートがチェーンステーに干渉してしまっていた。あと1mmほど下げたかったのだ。FD-CX70ならフロントアウター42T用によりフィットする設計だ。少なくともずっと下げることは可能だ。値段も安かったので新品を買ってみた。

FD-CX70はうまく動いてくれた。1mmどころか適正以上に下げられた。この点はねらい通りである。インナーへの寄せも十分だった。9sデュラエース同様にチェーンを落とすことができた。難点は10s用だから、9s用の設計のクランクだとアウター・ミドルの間隔がほんのちょっと開きすぎ、ジャストな角度にしないとプレートにチェーンが擦ることだ。そこは想定の範囲内だった。調整のいらいらが我慢できなくなれば、STIをやめてダブルレバーのシフトにすれば済むことだ。

さて次に試すべきは、BBの右寄せをやめてもインナーが使えるかどうかだ。さっそくやってみれば、残念うまくいかなかった。落ちるように角度をつければどうやっても、アウター、ミドルの歯にかかったチェーンがフロントディレーラーのプレートに擦ってしまうのだ。

この対策には3日を要した。直付用のアダプターの角度の調整でシートチューブに近づけられることもわかり、最大値にセットした。それでも50%のできだった。直付用のアダプターをヤスリで削ってフロントディレーラーをシートステーに近づける手もある。逆にフロントディレーラーをヤスリで削って、プレートの可動幅を広げてもできそうだ。でもヤスリ仕事は面倒だ。

フロントディレーラーとにらめっこすること3日。直付用のアダプターをセットするときに巻いた0.5mm厚のアルミ板に思いが至った。こいつを取れば0.5mmだけチェーンをインナーに寄せることができるはずだ。こいつは簡単な作業だ。アルミ板をはさみで半分に切って巻き直した。

たかが0.5mmとはいえ効果絶大だった。チェーンがリアスプロケットのどの歯にかかっていてもパキパキとフロントインナーにチェーンが落ちていく。インチキトリプル&STIでこれほど気持ちいい変速ができるのははじめてだ。あとは屋外で走ってみるだけである。


2016.2.28(日)晴れ 早春

ハコベ

今朝はハコベが3つ咲いていた。春である。3つのうち1つは3日間ひらいているものだ。ハコベは普通朝に開いて夜には閉じてそれっきりだが、春一番の花は少し様相が違うのかもしれない。

写真はその3日目の花。花びらに皺がよってきた。ずいぶんハコベは見てきたが、こういう皺の花びらを見るのははじめてだ。

調整が済んだウィリエールで境川に出るとウグイスの声が聞こえた。はっきりしたさえずりだ。少なくとも2頭を聞いた。

今日はわりと軽めのギアを使って80〜90rpmでくるくると走ることにした。天気予報の風は午前中は北風、午後は東寄りに変わって南風というものだった。それがものの見事に当たった。南風になるとがぜん暖かい。すこし汗ばむぐらいだ。

いつも折り返す高鎌橋のところにナマズがいた。本流でナマズを見たのははじめてだ。そもそもナマズが昼間から岸辺に出てくるのがおかしい。4頭が並んでいた。珍しい光景だ。いい写真を撮ってやろうと、少し無理をしてフェンスを乗り越え、クリートの靴でコンクリ護岸を歩いて近づいていくと、さすがに逃げられた。

鷺舞橋の所の少し開けた落ち葉のたまりでリスとキジバトとコジュケイが落ち葉をかき分けるようにして何かを探している。はて誰かが食べ物をまいたのだろうか。コジュケイはその茂みでよく声を聞いていたが、撮影できそうなのははじめてだ。フェンスを乗り越え慎重に近づいて行く。コジュケイの群れは6mまで寄ると距離を置くように離れてしまう。

白旗の水道橋を越えたあたりで白いチョウが道路を横切った。1秒ほどしか目に入らなかったけれど、モンシロチョウの特徴がはっきり見えた。道路を歩く虫がいなくて一年で最も寂しい季節が終わる。

帰宅して念のためにクロナガアリの巣を見に行けばはたして働きアリがぽつぽつと出ていた。ついでにスイレン鉢をのぞき込む。越冬できていれば、そろそろメダカが泳ぎ出すはずだ。こちらはもうしばらくかかりそうだ。


2016.3.5(土)くもり一時晴れ アウター42T

ウィリエール

ステムをちょっと高くちょっと長くしたウィリエールで境川。どうやらこれがしっくり来るようでブラケットも下ハンも快調だ。いつものように押し引きを注意して犬走り。引き脚を使って、ペダルを落とすのに体重をかけることも忘れないように。

雲が多いものの気温が高く、すっかり春だ。鳥のさえずりがずいぶん賑やかだ。ウグイスにシジュウカラにヒバリ。蝶もよく見つかった。越冬組のキタテハ、羽化組のモンキチョウ。モンキチョウは2頭見た。両方とも黄色タイプだから見間違いはない。

ウィリエールのチェーンホイールは3枚あって一番大きいアウターが42Tだ。これは7段時代のツーリング用のミドルギアだ。できればアウター用で42Tがあればいいのだけど、そんなものがあるわけないよな、としばらくあきらめていた。ところが、Suginoがシクロクロス用と称してアウター42Tを販売していることがわかった。割高感はあるものの貴重品だからさっそく注文しておいた。

なんで貴重品かというと、半端なパーツだからだ。42Tのアウターはフロントディレーラー直付け式のフレームには使えない。また、アウター42Tでダブルならばインナーは34Tでは半端で、28Tあたりが適当だろう。

Suginoも本気ならPCD110で28Tがつけられるクランクとアームの長い直付けフロントディレーラーを開発しなければならないだろう。かつてSuginoはそんなクランクを作っていたが、冗談みたいに高価で買えなかった。いま主流のホローテックタイプで作ることは体力的に無理なのだろう。それでもアウター42Tを半端に出してしまった。ちょっとばかり高価でもいま買っておかないとすぐに製造中止になってしまいそうだ。


2016.3.13(日)くもり 苦言

新しく買ったスギノエンジニアリングのアウター42Tはウィリエールでは使い物にならなかった。高価な部品だから残念であるが自己責任である。インチキトリプルに使える部品を販売する義理はどのメーカーにもない。

私はスギノが好きである。挑戦的な部品を作出してくるから。現在稼動しているロードは4台あり、そのうち2台がスギノのクランクを使っている。残りは、カンパニョーロのレコードとシマノのデュラエースだ。それだけスギノが好きなのだけど、同じ部品を二度買う気がしない。挑戦的なわりに徹しきれないのか、いろいろがっかりな所が多いからだ。

私は初心者用のロードレーサー、特に女用には42・28のフロントチェーンホイールと160mmアームが必須だと思っている。このたびアウター42Tを購入するにあたり、スギノがOX901D Compact Plus+というクランクを発売していることを知った。それはかつて冗談のように高価で笑って見送ったクランクの後継品でホローテック方式のものである。スギノはどうやら体力が余っているようだ。渋谷あたりを走っている町乗り自転車の部品がけっこう売れたからだろうか。

OX901D Compact Plus+も後継品だけあって4万円もする。これでは絶対買う気にならない。ちゃんとしたものなら4万円でも欲しいのだが、いまの設計のものなら1万円が相場であろう。大好きなスギノだけにOX901D Compact Plus+にはちょっと苦言を呈したい。

直付け式のフロントディレーラーを同時に開発していないことは第一にダメなところだ。第二は小ギアの取り付け方にある。自転車部品では軽合金にネジ山を切るという愚行がまかり通っている。これは自転車に軽合金パーツが登場してから延々と続く悪行だ。各メーカーはそんなことは安易にやってはいけないと知っていながら知らんふりをしているのだろう。OX901D Compact Plus+の小ギアはクランクアームに穴を開け、ネジを切ってボルトで止める方式だ。いま私が使っているコスペアのトリプルもそのやり方だから、ギアを外したり取り付けたりする度にドキドキが止まらない。何を隠そう1個のコスペアはネジ山をつぶしたために小ギアを接着剤で貼り付けて使っているのだ。

スギノはOX901D Compact Plus+の小ギア取り付けに新方式を導入すべきだった。PCD74でも頭を働かせればボルトとナットで止めることはできる。そのほうが剛性も上がり、不器用者でもクランクを壊さずに済む。もし、PCD74でアウターギアを作るのが無理というならヒントをあげよう。カンパニョーロCレコードを真似ればよいのだ。

第三はそもそものチェーンホイールの取り付け方にある。これは自転車部品の全メーカーに対する苦言だ。なぜかチェーンホイールを取り付けるボルトとナットは空転するように設計されている。締めようとすればへんてこなレンチを当ててちょっと痛い目にあわねばならない。その苦労をさせられる意味がわからない。なぜ簡単にしっかりネジが締められるように設計しないのだろう。その方法は自転車にはとっくの昔から採用されている。スギノも鉄フレームのシートピンはその方式だ。単にナットに出っ張りを付け、チェーンホイールに切り込みを入れればよいだけのことだ。OX901D Compact Plus+のナットは専用品だという。それぐらいの工夫ができないようでは部品メーカーの資格がない。

スギノはその昔グレッグレモンが「そこそこのものを安価に供給する」と大絶賛したメーカーである。他のメーカーもやってる不都合だから・・・という点に甘えてはいけない。スギノの基本は内外の売れ筋部品をコピーするところにあるけれど、それに飽きたらず革新的なアイデアを形にしてくるところが好きだ。私にフィットする自転車を組むためにはスギノの部品が欠かせないのだ。OX901D Compact Plus+がまったくお話にならないのはたいへん悔しい。


2016.3.20(日)雨のち晴れ 境川好き過ぎ

ウィリエール

ウィリエール(写真)で境川に行った。STIのインチキトリプル仕様で、リアディレーラーにはマウンテンバイク用のXTRをつけ10sにしている。昨日までは9sでディレーラーはシュパーブプロだった。XTRにしたのはラピッドファイアー方式が好きだからだ。

春分をむかえて境川は春爛漫っぽい。サクランボをつけるサクラは満開である。足元の春の花も満開。モンシロチョウがたくさん飛んでいる。今日もナマズが高鎌橋の下に出てきていた。

やはり暖かくなると体も元気で脚が良く回るようになる。90rpm、30km/hペースで軽く走った。軽くとはいえ引き脚重視で脚の力をうまく推進力にすることを意識した。そろそろ登り練習にシフトしていかねばならない。境川が好き過ぎるのが困ったところだ。


2016.3.21(月)くもり やっぱり境川好き

雑草

やっぱり今日も行ってしまった境川。清原容疑者が薬中を克服できるかどうか、興味津々で見物している人もいるだろうか。境川ですらこんなに癖になってしまうのだから覚醒剤や麻薬から覚めるのは難しいんだろう。

今日は寒かった。太陽がなくて北から冷たい風が入ってきた。春というよりもむしろ冬っぽい練習になった。北風を利用して70〜80rpmで高トルク走行。とくに腕力を使うことをやってみた。ぐっと腕を引きつけて脚を前に運んで腕を押しつけつつ体重をペダルに乗っける。シマノのSTIはブラケットのでっぱりを持って押し引きすると大変具合がいい。ブルホーン型のハンドルバーを使って押し引きするのと似た感触がある。

昨日に引き続き2日目の境川で今回も80kmほど走ってへばってしまった。このところ高鎌白旗往復を3回でやめることが多くなっている。平均速度もぐんぐん落ちてきている。この辺はいたしかたないところだ。

写真はいつも自転車の記念撮影をしている高鎌橋のセブンイレブン裏の雑草。水路に座って境川の方を見ればこいつらが目に入ってくる。旧知の仲でけっこうこういうものが好きだ。その昔、アマゾンソード、バリスネリア、クリプトコリネ、ロタラなんかを集めて作りたかった水景はこんなものだったような気がする。


2016.3.26(土)くもりのち晴れ あいかわらず境川

ナガミヒナゲシ

二度あることは三度ある。ゲス乙女に続いてゲス乙武。乙葉はだいじょうぶだろうか。

こちらも他人のことは言ってられない。二度行く境川には三度行く。相変わらず日和って境川。午前中は雲が厚く気温が低く北からの風は冷たかった。もう3月下旬なんだからいいかげんぽかぽか陽気の中で走りたいものだ。

さいわい午後は晴れて南風も入って暖かくなった。モンシロチョウやモンキチョウが飛ぶ。ツバメの数が増えている。

写真はナガミヒナゲシ。今年の初見だ。境川にはこの花が多い。他にもタチツボスミレの花をはじめてみた。まさかタチツボスミレを境川で初見しようとは思いも寄らなかった。タチツボスミレは境川では少なく、周辺の林を探さないと見つからないからだ。半原越なら道ばたにいっぱい咲いている。この数年の初見は半原越だった。それだけ半原越から遠ざかり境川に入れ込んでいるのだ。

境川に入れ込んで何をしているかといえば、上手なペダリングの練習。それに尽きる。今日は向かい風が弱かったからだろうか、やけに走れたような気がする。30km/hで走るのになんの抵抗もない。脚の力がいらず呼吸が荒くならない。急に上達したような気がする。もう何度か経験済みの幻覚だ。


2016.3.27(日)晴れ 境川にオオカワヂシャ?

オオカワヂシャ

日曜午前は境川なんだが、その目的の9割がたが果たせなかった。落胆を胸に湘南海岸まで行ってさらに後悔する羽目になってしまった。湘南の海はやはり陽気に浮かれた海水浴客でごったがえしている。ああいうところに練習ついでに行くもんじゃない。春の陽気に浮かれたのが失敗のもとだ。

何かいいことないと残念すぎるからときょろきょろ注意しつつ練習することになる。そして一番大事なペダリングがおろそかになりがちだ。

今日の風はめずらしくも完全な東風。境川では東風だとおおむね北寄りで、ところどころで南と東から吹く。関東に東風が吹くときは涼しくなるらしい。テレビの気象予報士がそんなことを言ってた。西の方に強力な低気圧があるか北に高気圧があるからだろうか。気圧配置を想像したもののいまいち判然としない。アマガエルがあちこちで鳴いているのはこの先の天気を察知しているのか。

いつものセブンイレブン裏でコンビニコーヒーを飲んでいると目の前に白いチョウ。すぐにモンシロチョウだと思ったけれど2秒後に訂正。いくぶん小さくて前翅が細い。どうやらツマキチョウ♀のようだ。境川でツマキチョウを確認するのははじめてかもしれない。まさかツマキチョウの初見も境川になってしまうとは。いつになったら半原越に行くのか自分。

往路、上和田中学校あたりで気になるものを見つけていた。境川本流に沈むライトグリーンの塊。一見して川底に根付いている水草だ。本当に水草だろうか? 境川の本流だぞ。走りながら見ただけでは見間違いの可能性が大きい。帰路にしっかり見ておこうと思った。それが今日の写真だ。

どうやらオオカワヂシャのようである。見渡せばすぐに10本ほどが見つかった。境川の本流には水草なんて生えないと思い込んでいたけれど、どうやらまちがいだったようだ。どんな風の吹き回しなのだろう。観察しておく必要はありそうだ。

今年も例の田んぼから土をもらってきた。どんな水景になるだろうか。


2016.3.30(水)晴れ バナナムシ

ツマグロオオヨコバイ

近年、周辺がモダンな住宅地として開発されて林がなくなった。それにつれて年々庭で見られる虫が減ってきた。かつてはアブやハチも多く、ビロードツリアブなんかもこの季節の常連だった

いま庭で遊び相手(写真撮影)をしてくれるものといえば、このツマグロオオヨコバイ通称バナナムシぐらいのものだ。

バナナムシはたくさんいるとはいえ、意外に手強い相手だ。かなり臆病で撮影しようとすると巧みに葉裏に回る。深追いするとすぐに飛んでしまう。今日の写真はたまたま飛び立つ瞬間にシャッターがおりた。狙って撮ったわけではないがいいカットになった。

バナナムシでは、おしっこシーンとかそれなりに撮っておきたい写真はある。しかし、ちゃんとものにしようとすればけっこうな根性が必要になる。動画とかパスト連写とか近ごろ普及してきた機材があれば簡単というわけでもあるまい。


2016.4.2(土)くもり 境川のオオカワヂシャ

オオカワヂシャ

境川本流で見つけたオオカワヂシャらしき水草が気になって、もっと近くで見ようと靴を脱いでコンクリート護岸を降りていった。

境川の水の深さは60センチほどあるだろう。遠目にも決して澄んでいるとはいえない水がけっこうな勢いで流れている。水は褐色をしていて植物プランクトンが多いことが推測できる。また、水底の砂泥や石にも褐色の藻がびっしり生えている。その形状からユレモだろうと思われる。富栄養というのは間違いない。そもそも境川の水は大半が処理済の下水である。コイぐらいの不栄養に強い魚がぎりぎり生きていかれる程度の濁り水なのだ。

私がオオカワヂシャを見つけているのは、遊水地公園の湧水付近と、この上和田中学校前の200メートルほどの水域だけである。遊水地は特殊な環境でオオカワヂシャがあってもなんの不思議もない。上和田中学前は境川の本流だからいろいろ疑念がある。

そもそもどうやって根付くことができたのだろう。境川は降雨による増水の激しい川だ。ちょっとした夕立や台風の雨で、一気に1メートルも2メートルも増水し濁流となって水が海に下っていく。多少根張のよい水草でも根こそぎ流れるだろう。踏ん張ることができたとしても砂泥が積もって生き続けることは難しくなるだろう。その程度の増水は年に3回ほどはあるのだ。

去年も増水があったと記憶している。上和田中学校前は濁流がなんらかの加減で弱まるなんてことがあるのだろうか。 そして水質がわるい。オオカワヂシャはおそらく強固な雑草とは思うけれど、私はよく澄んだ川でしか見たことがなかった。境川のような下水処理水で育つ草という印象はない。


2016.4.3(日)くもり 境川の謎の草

境川の堰堤

ウィリエールに乗って境川にでかけ、まず足を止めたのは上和田中学校前だ。オオカワヂシャの育っている周辺環境を今一度確認しておくためだ。

今日の写真は現場の川下側を撮ったもの。上流も同じような感じである。写真の中央に堰堤が写っている。オオカワヂシャが生えているのは2つの堰堤に挟まれた区間である。堰堤以外には流入河川とか河床の湧水などの異常は発見できなかった。堰堤があれば川の水が潜りやすく、浄化されて再噴出することもありがちだ。堰堤が水質浄化に一役買っている可能性はあるけれど、それは上から見てわかることではない。

堰堤があることで確実なのは流速が遅くなっていることだ。境川はこの場所以外でも堰堤だらけの河川である。金太郎飴よろしく、どこを切っても堰堤の間なのだ。ただし、この場所はたまたま下流の堰堤が高いのか流速が他の区間に比べて遅い。岸近くの水面を流れるゴミを目視して概算した流速は2km/hだった。私がサイクリングしている区間では水面の流速はおおむね8km/hと試算している。ここの流れはかなり緩やかだ。オオカワヂシャが生えている水中でもせいぜい8km/hぐらいだろう。

オオカワヂシャの生育は堰堤と関係がありそうだ。ひとまずその線に注目してみようと思う。となれば境川のオオカワヂシャはただの珍しい水草ではない。謎の草に昇格だ。


2016.4.9(土)晴れ 春爛漫の半原越

半原越

半原越の頂上にはソメイヨシノが植えてあって、頂上に近づくにつれてその姿が見えるようになっている。ただし半原越に行ったのは桜見物ではなく半原越を美しく走るための練習であることはいうまでもない。

神奈川の練習コースは春も爛漫だ。荻野川の川べりではいつものようにシュレーゲルアオガエルの合唱がある。清川村への登りでジムグリが轢かれていた。今シーズン初ヘビがジムグリとは・・・。撮影してこれ以上粉々になるのもかわいそうだからと尻尾をつかんで拾い上げると、まだ命の火は完全に消えておらずくねくねと動き始めた。かわいそうでちょっとうるうるしてしまった。歳をとると涙もろくなっていけない。

半原越では最初からとばしてみた。ウィリエールの感じがよいからだ。タイムにも反映されて区間1の時計がいい。ただしその頑張りも15分で終わった。区間4の7分半はいただけない。秋からずっと登りの練習をさぼっていた結果だ。

境川でやっている80rpm練習の成果は区間1で出ている。それが全般でできればいいというだけのことだ。腕の押し引きとか体重をかけることとか、必要なはずのテクニックはできているという自覚はある。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間14'32"4'32"-115.6-80192
区間29'57"5'25"+2113.1-76184
区間315'36"5'39"+3412.6-70180
区間423'05"7'29"+719.7-57173
全 体+12512.4-69180

半原越も春だ。スミレやマムシグサなんかの林床の花がさかりだ。道ばたのコケがサクをつけている。コケの色が鮮やかなのは昨日雨が降ったからだろう。木の花ではソメイヨシノにヤマザクラ。キブシもあるけれど撮影しなかった。いまさらですか、なんで若くてきれいなときに来てくれないんですか、と叱られそうな気がした。


2016.4.10(日)晴れのちくもり 境川のベニバナツメクサ

ベニバナツメクサ

境川に見慣れぬ花があった。正確には見た記憶のある花だが立派に群生しているのを見るのがはじめてだった。ベニバナツメクサという草らしい。一見して外来種の籠抜けだってことはわかる。

場所は境川のそばにある水田だ。この田ではしばらくレンゲを使っていた。今年はそれをやめている。人がレンゲの種をまかずとも、自然播種で生き残ったレンゲがぽつぽつとあってきれいな花をつけている。そこにベニバナツメクサも混生しているといった寸法だ。

レンゲの繁殖力は弱い。野生化したものはすぐに消滅してしまう。おおむね外来種は自然の山野にはなかなか入り込めないようだ。ベニバナツメクサはどうなんだろう。

私の好きなドクダミも外来種で人が頻繁に行き来するような場所でしか見ることができない。半原越では道路の道ばたで決まり悪そうに小さな花をつけている。ドクダミも種を蒔ければ分布を広げることができるのだろうか。華奢な草には見えない。

バドミントンは残念な不祥事が起きてしまった。2人の有望選手には選手資格や試合出場の無期限停止というような極めて重い処分が下された。これだけ重い処分が下される事案なのだから、処分を決定した会長や理事にもそれなりの覚悟があるだろう。バドミントン界の宝を教育できず守れもしなかった役員たちもスポーツ界をリードする資格はないとして無期限に全スポーツ界で役職を得ることはなくなるんだろう。そっちのほうは替わりが多いかもしれないが。


2016.4.16(土)晴れ 晩春の半原越

半原越

ウィリエールで半原越。風は少し冷たいものの良い陽気だ。先週は序盤に力を入れすぎて失敗した感があり、今日はバランスを重視することにした。

ギアは区間3までは26×17T、区間4手前の南端コーナーからは19Tを使うことに決めていた。試すのは境川でさんざん練習してきた体重を乗せる犬走りだ。登りでも平坦と同じように走るのが達人なのだ。

そのやり方がこれまでで一番うまくはまったような気がする。体重を乗せるには上半身を使わなければならない。とくに腕の引きを使って体を前に出す感じで、右・左・右・左・右とほんの一瞬だけ全体重をペダルに乗せるのが秘訣だ。タイムもそれなりによく(ただし今日は追い風参考)て疲労も小さい。このやり方であと1分半ほど縮めることができれば、私のサイクリングが完成するように思われる。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間14'47"4'47"+1414.8-73180
区間210'14"5'27"+2313.1-68183
区間315'36"5'22"+1713.3-69186
区間422'19"6'43"+2510.7-62193
全 体+7912.8-68186

ハーフの2本は全く体重をかけない乗り方でやってみた。脚の上下伸縮運動だけでクランクを回す。区間4の10%セクションでは23Tを使わないと無理な乗り方だ。速度はケイデンスまかせで23Tに入れっぱなし。サドルにでんと座って上半身を完全にリラックスさせてペダルをくるくる回す。一種の対照実験だ。この方法だとハーフは15分以上かかる。

あとの2本は体重をかける乗り方でやってみた。区間3は19T、区間4は21Tを使ってみた。この1枚がけっこう大きいようだ。斜度に応じたギアの選択は胆だ。ギアが重くて体重をかける時間が長いとてきめんにくたびれてしまう。区間4にある3か所ほどの短い激坂は立ちこぎを使った。この方法だと12分半で行ける。これから最適ギア比、最適ケイデンスを探ってひたすらこの乗り方の練習だ。これは平坦でも使える。

半原越はちょうど山桜の盛りで各種の木が萌え美しい。丹沢側の奥山に数本あるブナはすでに他木の緑に埋もれている。今年は見ることができなかった。タイミングが難しい。

昼飯を食べるのは厚木高校の公園斜面。向かいの雑木林が色とりどりのモザイクになってきれいだ。この季節限定のスペシャルな風景だ。ヒキガエルの卵はどうなったろうと水場に行けば、卵の水たまりの様子が変わっていた。そのささやかな水たまりが石で囲われ目印の棒が立てられているのだ。自動車がオタマを轢かないようにする柵だ。この水場でそういうことをしそうなおじさんを一人知っている。卵はすでに孵っていた。まだエラが見えるオタマジャクシが泥や卵にへばりついている。水中カメラにもなるTG-1を持っているのだからと、オタマジャクシを水中撮影。そばにあるイタドリを1本だけ食ってみた。


2016.4.17(日)雨 風雨の境川

けっこう雨風は強いのだけれど、ウィリエールで日曜午前の境川。昨日半原越でつかんだ体重をかける方法とかけない方法の違いをしっかりつかんでおきたかった。

風は南から時速40kmぐらい。雨粒はかなり大きい。顔に当たると痛いぐらいだ。風で妙なものが飛んで来て目に当たるとつらい。対策としてゴーグルをかけた。ところどころ横風が来るからハンドルをとられないように注意が必要だ。

風は息をする。同じギアを使って体重をかけていてもペダルが重くなったり軽くなったりする。それでリズムがつかめない。このリズムというやつがとっても大事だと思う。力をかけなければスピードが出ず、体重をかける時間が長いとすぐに太ももがへばってしまう。ブラケットを軸に上ハンを試したり下ハンを試したり。なかなかうまくできなかった。

昨日半原越からの帰り道は絶好調の感じだった。登りで力を使っておけば、それよりも低い強度で走る平坦がスムーズに行くような気がする。


2016.4.18(月)晴れのち雨 サドルを使う

犬走りの肝は踏み込みのペダルにどれだけ体重をかけるかにある。どれだけというのは時間と体重%だ。ゆっくりした立ちこぎであれば100%を1秒ということもありえる。逆にくるくる回しであれば0%ということもある。私の感覚では半原越の6%ぐらいの登りだと80rpmで80%の体重を0.1秒というのが適切じゃないかと思う。それが正解かどうかは別にして、体重をかける塩梅の調整は必須のテクである。

昨日の練習で気をつけたのはサドルだ。これまでも、ペダル、ハンドルの使い方には気づいて注意深く練習してきたが、サドルに関してはイマイチ配慮しなかった。昨日の発見はサドルほど大事なものもないということだった。

ペダルに乗せた体重を逃がすときに使うのがサドルである。冷静に考えれば当然のことだけど、迂闊にも気づかなかったのだ。上体の重量をペダルにのっけてクランクを回すときに、下死点からペダルが上がってくる上死点までは全く体重をかけてはいけない。踏み込んだときに下死点にある足で体重を支えるのはNGである。それは力を入れているときには難しいことだ。しかしできない相談ではない。立ちこぎであれば下死点にペダルがあるとき体重を足で支えるのも仕方ないが、座っているのなら防止できるからだ。

サドルに座れば上体の重量を支えるのはサドル(自転車)になる。ペダルに乗せた上体の体重をサドルを使うことでスムーズに逃がすことができるはずだ。


2016.4.23(土)晴れ 夏の風

ナマズ

ウィリエールに乗って境川に出ると夏の風が吹いていた。南の海の方から吹き寄せる強く暖かい風。あたりはもうすっかり夏の風情だ。ホオジロ、ヒバリ、キジがけたたましく鳴いている。イワツバメが水面を飛ぶ。畑を歩いていたツグミだけが冬のなごりだ。

夏風を利用して体重をかける練習。ギア比とケイデンスの案配をよく考えなければならない。イメージはナイキと逆ナイキだ。90rpmぐらいでも体重はかけることができる。100に近くなると体重をかけているひまがない。逆に80を下回るようだと太ももにかかる負荷が大きくなってしまう。登りの訓練であればそれもすべきだけれど。

折り返しにあたる高鎌橋のたもとにまたナマズが出ていた。最大級と思われる大きな個体が1匹だけ浅瀬でじっとしている。大地震があったことをうけてアピールしている風情だ。神奈川が揺れたときに「私は予知してたもんね〜」と言うつもりか。じっさいは産卵場所を探して遡上している所なんだろう。境川にはナマズの産卵場所になる浅瀬が少ない。護岸工事が徹底しているいまでは水田にのぼることもかなわない。気が遠くなる年月と莫大な予算をつぎ込んでいる遊水地がナマズやカエルの命を守る場であって欲しい。

気になっている上和田中学校前のオオカワヂシャの、その供給地を探してみた。オオカワヂシャがあるのは宮久保橋の堰堤から下だ。もしかしたら宮久保橋下に流れ込む雨水のドブの水源が湧水で、そこにオオカワヂシャが生えているのでは?という夢みたいなことも考えて少し探ってみた。当然のことながら雨水のドブはずっと暗渠である。自転車から見える範囲では湧水の池なんてものはありそうになかった。神奈川にウスバキトンボがもう来ているという信頼すべき情報もある。今日は見つからなかった。

帰宅してカラスノエンドウの茂みに白い花があるのをみとめた。通常のピンクの花にまじって3つ4つ純白の花がある。珍しくて撮影を試みた。日陰で風が強いという悪条件だ。NikonのD700+タムロン90mmではどうもうまくいかない。サイクリングで持ち運ぶTG-1では写るけれど、写っているというだけだ。スーパーマクロのNikonD100ではクリアに写る。しかしストロボ写真になってしまう。結局、E-30+50mmマクロを三脚つきで撮るのが一番まともな写真になった。


2016.4.24(日)雨のちくもり 水上のオオカワヂシャ

オオカワヂシャ

写真は境川で撮ったオオカワヂシャだ。私は上和田中学校の前に生えている水草を実生のオオカワヂシャと仮定して、そいつらがなぜそこにいるのかを解明しようとしている。昨日はまずその種の供給源だと、境川に入り込む雨水路をたどったが無駄足だった。

そこで視点を変え、境川本流脇にオオカワヂシャが生えていれば、それを種の供給源とすることにした。

境川は2面コンクリート護岸のあわれな二級河川である。しかしどういう工法なのか所々にコンクリートの水たまりができるようになっている。コンクリートの底に泥がたまり、しみ出た水が溜まって水辺の草が生えている。この写真は大清水高校前の水草生育地だ。かねてからこの溜まり水のところにガマやクレソンが生育していることは知っていた。オオカワヂシャはちょうど花盛りで見つけやすくなっているからと探してみれば、クレソンに負けじと大きく育っているものがすぐに見つかった。

では境川にはどれほどのオオカワヂシャがいるのかと調査してみることにした。

その結果は「多い」となった。私が主に走っている246号線から白旗まででほぼ普通に見ることができた。ただし、生育条件は限定されているみたいだ。根元には常に水が被って地面が安定している場所。コンクリートの割れ目でも可である。おおむねクレソンと同じような環境である。

瀬谷本郷公園向かい

この写真は境川で典型的なオカワヂシャ生育地。上和田中学校より上流、瀬谷本郷公園向かい右岸に流れ込む水路わきにオオカワヂシャが生えている。こういう場所はオオカワヂシャが得意とするものらしい。他の同様な場所でも高確率で見つかった。

境川にはごく小規模ながら砂礫が堆積した河原がある。そういう場所は苦手なようである。246号線から下では河原に根付くオオカワヂシャを確認することができなかった。しかし、246号線の上流では写真のように本流の砂礫が堆積している場所で見つかった。目黒交差点の橋から246までの短い区間に2か所あったところを見れば、河原はダメってものではないらしい。そのあたりの生育状況もクレソンに似ている。

今日の調査でオオカワヂシャの種の供給源はいくらでもあることが分かった。かつて境川で確認していた生息地は、遊水地公園の湧水だけだった。それでオオカワヂシャは特殊な環境でしか繁茂しない草だと思い込み、雨水の導水路の上流にあるオオカワヂシャの楽園などという舞台を想像してしまったのだ。

種の供給源は判明したとして、今日の調査でも上和田中学校前以外では水中オオカワヂシャが見つからない。なぜあそこだけなのだろう。あそこには種が芽を出し定着し成長できる秘密があるのだ。


2016.4.29(金)晴れ わからないイネ科雑草

イネ科雑草

境川ではこの写真のように、しばしば「おっセキショウモ!」と目を疑うことがある。境川では素直に目を疑ったほうがいい。オオカワヂシャでも目を疑ったが、セキショウモならもっと目を疑わねばならない。

写真は水の中にある草にはちがいないけど、水草ではない。川辺にたくさん生えているイネ科の植物だ。イネ科だということぐらいはわかるけれど、種名まではわからない。多摩川の堰堤に生えていたイネ科の草がなにかもいまだにわからない。境川の水辺にはたくさんイネ科の草がはびこっているけれどもその大半の名を知らない。イネ科の同定なんて私の手に負える仕事ではない。

イネ科の雑草は紛らわしい。水草にならないかというとそうでもない。そもそも日本で最も有名なイネ科植物である水稲は水中で芽を吹いて育つのだ。東京の矢川とか仙川などの湧水河川ではイネ科の草が水草になってたなびいているのを見ることができる。イネ科には親水性のものがあるようだ。

写真のものが水草ではないと断言するには根拠がある。根の付き方だ。水中で芽吹いたのなら、根の回りに泥がこびりついていたりはしない。根を張っていた土といっしょに川の中に落ちてそれ以来という風情が満点だ。写真にある数株だけでなく同じようなものをいやというほど見てきた。なんでそんなことになったのかは少し謎ではあるが、泥がたまった川岸には雑草が生い茂り、増水によって簡単に泥が崩れることを思えば、写真のような状況がおきることは想像できる。

紛らわしくも難しいはた迷惑なイネ科雑草であるけれど、私が彼らを好きなことはいうまでもない。この写真のような状態をみるとけっこう胸がときめくのだ。


2016.4.29(金)晴れ一時雨 雲が風を作る

藤沢の雲

ウィリエールに乗って境川。北海道付近で低気圧が発達して雪を降らせている。4月の終わりの雪は珍しいものではないけれどかなりの積雪に見舞われるらしい。

その低気圧のせいで境川は北風が強い。境川は北風の通り道になり時速30km以上の風が吹いている。この風が自転車の練習にうってつけだ。今日は久しぶりに上ハン犬走りの練習をした。基礎的な技もしばらくやらないとカンを取り戻すのに時間がかかったりする。

気圧配置によれば風は北寄りで南風が吹くはずはない。ところが午後1時頃に南の風が入ってきた。自転車で走っていると風には敏感でちょっとした風向の変化もよくわかるのだ。俣野橋あたりを境にして北風を押し戻すかのように南風になっている。その風が吹いている時間は30分ぐらいだった。

まずは海風かと思った。しかし、すぐにやんだことを思えば海風ではないようだ。写真は1時前に白旗から南側、藤沢市上空を撮ったものだ。雲底の高度は300mぐらいだろう。一部小さな乳房雲化した低い雲が空を覆っている。後方、北側は完全に晴れている。

南風の正体はこの雲じゃないかと思った。乳房雲ができるということは上空に対流があって下降流が起きているはずだ。雲から境川に吹き降りて来る風が南風となって北風の下に潜り込んだのではないだろうか。


2016.4.30(土)晴れ 春の終わり

半原越

どうにも調子は悪いのだけれど峠も行かねばとウィリエールで半原越。体から全然力がわいてこない。いつもの棚田脇に着く前に勝負は終わっていた。

今年はじめてウスバシロチョウを見る。これは予定通りだ。ウスバシロチョウは清川村に来なければ見られない。草むらにはけっこう虫が多くてハナムグリやコガネムシなんかの撮影を試みる。風が強くてどうにもいけない。

山にはクロアゲハが飛んで藤や桐が咲きすっかり春が終わっている。道路に夏の虫が現れるようになってきた。頂上ではオオルリがしきりにさえずっている。半原越でオオルリは珍しい。ウグイス、センダイムシクイ、ヤブサメはたくさん鳴いている。すてきな初夏なんだが自転車はどうにもいけない。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間15'05"5'05"+3213.9-68164
区間211'20"6'15"+7111.4-60157
区間317'39"6'19"+7411.8-58157
区間424'38"6'59"+4110.1-52177
全 体+21811.6-59164

ダメだからといって焦ることもない。いまの乗り方が正解と信じて上死点通過すぐに体重をかけることだけを意識して走った。ただ回すだけでは上級者とは言えまい。

今日の不調は明らかに昨日の疲れだ。呼吸はぜんぜん苦しくないのに脚が動かない。もう一晩で回復できるような立派な体ではないのだ。半原越の春も終わっているけれど、私の体の春も終わっている。この体とうまくつきあっていこう。


2016.5.1(日)晴れ 半水中のオオカワヂシャ

オオカワヂシャ

写真は境川でぜひ見つけたかったオオカワヂシャ。上和田中学の100mほど上流で発見した。付近にはオオカワヂシャがぽつぽつと見られ、完全に水中にあるものも1体あった。

写真のものは上流側が水中葉で下流側が水上葉になっている。おそらく水中で芽吹いて成長するにつれて水上に伸びたのだろう。境川の湧水付近では同じようなものがけっこう育っている。

こいつが本流で見つかれば上和田中学校前の水草がオオカワヂシャだということがよりはっきりする。水上葉はオオカワヂシャの特徴をはっきり出しており、水中葉の感じは上和田中学校前のものに酷似している。こいつはオオカワヂシャが境川の川底で芽吹いて定着できることを証明していることになるのだ。


2016.5.2(月)くもり ヒメツルソバ

ヒメツルソバ

ずっとヒナツルソバだと思い込んでいた雑草の名はヒメツルソバだった。この雑草は乾燥した道端で密集したピンクの花の群落を作っており印象に残る。

写真は目黒橋の下流で境川右岸に流れ込む溝。溝の名はおそらく目黒川。境川との合流点にある目黒川管理橋から100mほどにかけて、両岸をヒメツルソバが覆っている。これほどの繁茂を見せながら、この上流100mにある橋を境にぷっつりヒメツルソバは消える。

ヒメツルソバは外来の草らしい。もともとは園芸利用だったものが雑草化しているという。その手の植物によくあるように、はびこり具合が尋常ではない。

この川のコンクリート護岸は両岸にヒメツルソバがはびこって、デージーのようなキク科の白い花やツタバウンランなどが混じっている。いずれも近年に勢力を伸ばしつつある帰化植物だ。当然のことながら誰かがねらいをもって植えたものではないだろう。雑草たちが生きる場所を求めた結果あらわれたひとときの花園だ。

こうした垂直に近いコンクリートの護岸は一般の植物に適さないものだと思う。狭い隙間にねじ込むように根を伸ばせるか、コンクリートの表面に貼りつくように根を伸ばせるか、通常の植物にない技が必要だ。水はけも良すぎるだろうから乾燥に耐える体も必要だろう。大きな種をちょっとだけつける草には向くまい。コンクリの壁に貼り付ける軽い種をばんばん飛ばすのがよい方法だと思う。

ざっと観察したところでは、ヒメツルソバたちはコンクリートブロックのつなぎ目の隙間に根を伸ばしているようだ。川に近く水気の多いところは、タデやイネが緑のベルトを作っている。ヒメツルソバは彼らの入り込めない細い隙間かより乾燥した所にはびこっているようだ。

ところで在来の雑草はどうしてヒメツルソバが育つコンクリ護岸を覆わないのだろうか。日本在来の雑草にその手のものがいないとは思えない。山中を歩いているときに同様の環境を覆う雑草をよく目にしてきた。

そうした在来種は住宅地の近辺に稀である。もともと日本の住宅地は水にも太陽にも恵まれているところにある。乾燥堅固な土地はたまさかの開発によって生まれるものだ。そこは突如現れる植物の空白地帯なのだが、いかんせん在来の植物はそれを見つけることができない。何キロも離れている山中の崖に根を張っているからだ。

外来の植物にはもともと乾燥堅固な土地を得意とするものがいる。ヒメツルソバはそうした環境でも育つ強健な草だから移入されて育てられてきた。ヒメツルソバは人の手を離れ、住宅や道路の脇の荒れ地を目ざとく見つけて陣地にしている。河川の垂直に近いコンクリ護岸は彼らにとっては絶好のフロンティアなのだろう。

境川の近所にある引地川も昨日見てきたが、同じような植生だった。ただ面白いのは右岸はヒメツルソバが優先し、左岸はデージーが優先していたことだ。川の両岸ではっきり勢力が分かれている。境川の支流とくらべて違うところは川の広さだろうか。


2016.5.3(火)くもり 顔を出したオオカワヂシャ

オオカワヂシャ

かわいがっているけど勢力が衰えているクサイチゴ。クサイチゴに寄るシマサシガメは相変わらず多い。それらの幼虫は腹がぱんぱんだ。獲物はヤエムグラに寄る名前がわからないハバチの幼虫。こいつはかなり発生して庭のヤエムグラを食い尽くす勢いだ。現状だと庭にヤエムグラがびっしり生えていたことがうそみたいだ。ささやかな庭にささやかな虫世界がある。

ウィリエールはWレバーにして境川を試走してきた。ステムをちょっと高くしブレーキレバーを交換しただけでも感触はずいぶん変わる。シマノの105がけっこういい感じだっただけに、乗り込んでセッティングしていかなければならない。

上和田中学校前の川をのぞき込めば、水上に顔を出したオオカワヂシャがあってちょっと驚く。水深がちょっと浅くなっているような感じもある。近くで見ようとコンクリ護岸を降りていった。

オオカワヂシャが根付いている所は流れがない。ほとんど止水のようだ。この流れのゆるさが水中オオカワヂシャ定着の原因に思えてしまう。よその環境との目に付く違いはそこだけだから。

どうしてオオカワヂシャが水面にでているのかはわからない。すくなくとも日曜にはこの状態ではなかった。むろん空中にでているのも水中葉だ。写真を撮っていると、対岸近くを草が一本流れてきた。遠目にもオオカワヂシャであることがわかる。なにやら珍しいことが続いて起こるものだ。どうして抜けて流れて来たのだろう。考えられる原因は、子どもらの魚釣りの針が草体にかかって引っこ抜かれたことぐらいだ。オオカワヂシャは根ばりがそれほど良くないのだろうか。地上で育っているものを見る限りそんな雰囲気はまったくないのだけど。


2016.5.4(水)雨のち晴れ 夏が来た

今田遊水地

未明は嵐だった。発達中の低気圧から伸びる寒冷前線が通過していったからだ。8時には雨が上がり日が射してきた。虫の様子を観察しようと庭に出てみれば、ギンメッキゴミグモが破れた巣を修復していた。作業ははじまって間もない感じだ。そのスピードにけっこう驚いた。オニグモやジョロウグモとは異次元のスピード感だ。

カナヘビも日なたぼっこ。近年カナヘビは少なくなって来ている。おそらくネコの補食による影響だけではない。

ウィリエールで境川にでるといきなりウスバキトンボ。一瞬だが正面から見たからまちがいない。今年はもう来ているという情報は得ていたものの、こんなに早く見つけられるのは幸運だ。この南風でいっぱい飛んできたのだろうか。夏の主役の登場だ。

境川の今田遊水地(写真)で蛙の声を聞いたような気がした。たぶん幻聴。しっかり聞こうとしても風の音がじゃまだ。境川の遊水地は、100億円(推定)と30年(推定)の歳月をかけてカエル飼養所として整備が進められている。今田遊水地は15年ほど見ているが、だんだん形になってきて、そろそろ第一陣のカエルが誕生しているんじゃないだろうか。近づけなくて確かめられないのが残念だ。

付近には、ヒキガエル、ヌマガエル(ツチガエル)、アマガエル、ウシガエルの生息を確認している。遊水地の設計ではトノサマガエル系の誘致をもくろんでいる思われる。私の税金もこんなことに使われていると思えば誇らしい。実現すれば100億の価値もあろうというものだ。

境川の遊水地には惜しみなく最新の技術が投入されている。設計ミスなどの失敗も目にしているが、トライアルには失敗がつきものだ。今田遊水地ではカエルだけでなくナマズの産卵場所としても有効みたいだ。今日の境川は数十センチ増水して今田遊水地の排水路と境川の水面がほぼ同じ高さになっていた。平常時にゲートの隙間がどれほどあるか分からないけれど、小さな魚だと行き来できる可能性がある。越流堤はあと2m以上増水しなければ境川とはつながらない。梅雨か台風の増水時には魚が入ってくる。越流堤の下はおそらく地下水として水が行き来する設計になっている。浄化された水が常時本流から入ってくるはずだが、魚は通れないだろう。

強い南風を利用して5本の向かい風練習。5時間ほど走って帰りにも3匹のウスバキトンボを見る。完全に夏だ。日に当たり過ぎた。やけどになるだろう。


2016.5.5(木)晴れ 消えたオオカワヂシャ

上和田中学校前

ウィリエールで境川。まず見なければならないのは上和田中学校前のオオカワヂシャだ。写真は昨日午前中のもの。嵐で濁流になっているが水位の上昇は1m未満のはずだ。流域の積算雨量は50mmぐらいだったろうか。境川は増水が早いが引くのも早い。今日には平常の水位になり濁りもひいていた。

まず一番最初に目に入ってくる2本を見ればちゃんとそこにある。奥の1本もそこにある。やはりたいした影響はなかったのだと他のを探して息を飲んだ。その3本しか見つからないのだ。ざっと10本以上あったオオカワヂシャが消えている。水に流されたのだ。

昨日の増水では川底の撹拌はそれほどでもなかった。大水のとき砂礫がかき回されてコケが消える。大きめの石ころについているコケの感じはいつも通り。ナマズがいる浅瀬も変化が見られない。

どうやらオオカワヂシャは簡単に流される水草らしい。となると上和田中学校前で多数が見られたのは堰堤の造作による水流の影響だろうと思われる。


2016.5.8(日)晴れ 幻覚

昨日に引き続きチネリで境川。走り始めてすぐに今日は環水平アーク日和だと思った。これは注意して走らねば。環水平アークなんてきっと数分のできごとだから、見逃さないようにしなければならない。ペダリングどころのさわぎではないのだ。

と自分に言い聞かせながら走っていると、南の空に浮かぶ巻雲が色づいているように見えた。!っと思ったが、よくよく見れば色がないようでもある。見間違いだということにした。まちがいではなかったとしても写真になるようなものではない。

境川には夏の風が吹いている。日中の南風だ。その風を利用して犬走りだ。脚と腕はまずまず使えているという自覚がある。あとは背中だ。犬が疾走するときには、背中を曲げ伸ばしして力強く地面を蹴る。腕脚の蹴りもさることながら、あの背中のバネも大きいだろう。同じように自転車だって犬なのだから背中を使えばもっと早いはずだ。とにかくしなやかに強弱をつけて背中の筋力を走力に変える工夫をしてみた。

昼飯を食って追い風で休憩走りをしていると、遠く左手の林からハルゼミの声が聞こえて来た。ただしくはそんな気がした。ブレーキを引いて止まっても耳の奥にハルゼミの声が残っている。これまで境川でハルゼミを聞いたことはない。周辺に松林もないはずだ。きっと幻聴だろうとは思った。でもハルゼミは古い友だちだ。本当だったら大事件だと、声がした方角の林に近づいてみることにした。

結果はやはり幻聴としなければならないようだ。林に近づいても声はなく、松の木一本見つからなかった。天気と暖かい風のいたずらだったのだろう。午後になっても環水平アークは影も形もなかったが日暈ははっきり出た。


2016.5.15(日)晴れ アンディ&フランク

日暈

ハルヒル仕様のウィリエールで境川。この自転車でヒルクライムするのだからと乗り慣れるための練習。

境川は今日も環水平アーク日和で、もしやの期待をもってちらちらと空を眺めつつ走ることになった。写真は環水平アークではなくただの日暈。巻層雲が厚くでるときはまあるくいい感じになるが、今日は巻層雲がまばらで巻雲が多い。巻雲の所には強く虹が出ている。

この写真を撮ったときに環水平アークも出ていた。ただし環でも水平でもアークでもなくぼんやりと巻雲にピンクっぽい色が認められただけだ。写真にも撮ってはみたもののなにがなんやらはっきりわからない。写真機も「いったい何を撮りたいんですか?」とでも言いたげにピンぼけ。無限遠でいいんだよTG-1。

じつはウィリエールでは上ハンの練習をしてなかった。STIをつけていたものだからブラケットばっかり練習していたのだ。これでハルヒルはまずいだろうと今日はずっと上ハン練習。久しぶりにやると犬走りが決まらない。90kmほど走ったときにようやくしっくり来た。

コツはアンディ&フランクだった。これまで上体は背中のほうばっかり意識していたが。大胸筋も大事だとわかった。第一にハンドル握りのポジションがとれる。腕でリングをしっかり作って押し引きする感覚。そのときの芯は大胸筋のセンター、ちょうど心臓あたり。そうすれば掌をつかってハンドルを押しつつ引き脚をパワフルに使える。大胸筋といえばアンディ&フランクだが、そんな筋肉は自転車には関係ないと思っていた。漫画でもただの危機センサーだ。それも思い過ごしだったようだ。けっこう重要らしいぞ大胸筋。このコツをしっかり体にたたき込もう。

上和田中学校前は、増水後のオオカワヂシャの様子をしっかり確認した。先日の増水は致命的ではないことがわかった。大半が消えたものの、小さいのがけっこう残っている。川底の土砂が撹拌されるほどの増水ではなかったはずだが、根こそぎ流れたのか、茎がちぎれたのかの判断は保留しようと思った。すくなくとも茎がちぎれたらしい個体は1つも見つからなかった。

そのかわりまた妙なものが見つかった。一見してヤナギタデ?と思える草だ。ユレモみたいな藻がびっしり覆う富栄養の濁り水にはヤナギタデはふさわしくない。絶対なんかのまちがいだとしか思えない。これまでも見てきたはずの場所に忽然と現れるのもおかしい。ぬか喜びはしないぞ。

下のデータは昨日の半原越。なんだかだめだなあという感じだった。けっこうがんばったはずなのに、区間4で7分オーバーはけっこうショック。このショックを引きづりつつ榛名山へ。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間14'43"4'43"+1014.9-74178
区間210'18"5'35"+3112.8-74180
区間315'40"5'22"+1713.3-70173
区間422'43"7'03"+4510.2-53174
全 体+10312.5-67176

2016.5.28(土)くもり ブルホーン仕様

ウィリエール

ウィリエールをブルホーン仕様にして半原越。ハルヒルはブルホーン不可というレギュレーションなので、ドロップハンドルで練習していた。きっと登りはブルホーンの方が早いはずだ。

犬走りがうまく決まるから重めのギアでぐいぐい行った。区間1はけっこういいペースだった。しかし、力を入れることができるというのは、へばるのも早いということだ。区間4では完全に力尽きてしまった。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間14'37"4'37"+415.2-70183
区間29'54"5'17"+1313.4-69185
区間315'15"5'21"+1613.3-67182
区間422'51"7'36"+789.5-50164
全 体+11112.4-62176

半原越は賑やかな夏である。夏鳥が頻りに鳴く。サンコウチョウを2回も3回も聞く。しばらく姿は見ていない。あの青い縁取りの目を見たいものだ。名も知らぬ虫がいっぱいうごめく。道路にヘビの死体がある。アオダイショウは珍しくはないが、私にとっては大物である。登っているときに見つけたのだが、ためらわずに撮影した。案の定、下って来たときに見たのはヘビの死体を持ち去るトンビの後ろ姿だった。


2016.6.4(土)晴れのちくもり 環水平アーク

環水平アーク

朝起きて空を眺めるのが習慣になっている。今朝の空は盛大に飛行機雲が出ていた。こりゃ環水平アーク日和ではないかと、ウィリエールで半原越。ハンドルバーをブルホーンに換えてかつてのいい感触が戻ってきた感がある。

相模川を越え、中津川を渡る橋の上で太陽の方をみれば、はたして環水平アークがでていた。うっすらとではあるけれど、写真に証拠として写るレベル。さっそくメル友に「たいへんだ〜」と写メ。

いつもの一番上の棚田にはオタマジャクシがいない。はてどうしたものか。二番目から下にはけっこう大きく育ったやつらがいる。これから孵化するようでは夏の中干しで干上がってしまうぞ。

半原越は夏である。ホトトギスが鳴いてヤマボウシが咲いて黒いアゲハが舞う。今日は26×16Tで押してみた。区間3まではそれなりにいい感じだったが、区間4ではぜんぜん太刀打ちできなかった。何度も経験していることだ。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間14'33"4'33"+015.616375186
区間29'41"5'08"+413.818267195
区間314'54"5'13"+813.818266186
区間421'53"6'59"+4110.418250181
全 体+5313.117863186

今日はひさびさに心拍計をつかってみた。残念なことに185bpmから上がっていかない。体が弱ってるのではなくて、老化による衰えとみるべきだろう。心臓が動かなければ無理してタイムを上げることはできない。これが老化であるのなら、それなりに工夫しつつ楽しんで行けばよい。

南端コーナーを過ぎたところにウツギの茂みがある。白い花にはいろいろな虫がわんさかやってくる。ほとんどは名も知らぬこまかい連中だが、無心に蜜を求めている姿は見ていて楽しい。見物しているとすぐそばに音をたてて毛虫が落ちてきた。大きな緑色のヤママユ系幼虫で、短く刈り揃えられたような背の毛に特徴がある。ヒメヤマヤユのようだ。どうして落ちてしまったのだろう。環水平アークは吉兆とも言われるが、毛虫の落下は吉兆か凶兆か。


2016.6.5(日)雨のち晴れ ミズキが花盛り

雨だけど半原越はやめてウィリエールで境川へ。日曜午前の境川はもうしょうがないとあきらめている。ブルホーン仕様は意外にも平坦で使える。軽い向かい風の中を32km/hほどで走っていく。なにしろ雨だと人がいないから。

道路に立派な蛾が落ちていた。自転車の上からでもウンモンスズメだとわかった。これだけでも境川に来て良かったというものだ。

雨の日がよいのはけっこう思い切り走れるところだ。境川の良いところはフェンスがあって左右からの飛び込みがないところだ。200m先まで見通せるから力を使う練習ができる。現状の課題は左手の使い方にある。左は利き手ではない。リズム良く的確に力の入れ抜きができていない。ひとまずそこだと2往復。

日曜午前の目的も十二分に果たして、午後は手放し練習に切り替えた。なにしろ雨で人がいないものだから好き放題だ。手放しはしなくてもいいけどできなければならないテクだ。背中を伸ばして手を後ろに組んで走っていると、バランスの悪さとかサドルのセッティングの悪さが明確になる。今日の成果では、その両方とも悪くない感じだ。手放しだと踏み込みのときに体重をかけることが難しい。引き脚も難しい。そこんとこの補助ができるように上半身があり腕があるのだ。

考え事をしながら走っていると、唐突に懐かしい臭いがした。臭いのある場所は数秒で通りすぎた。とっさに食品だと思った。50年ぐらい食べていない何かのような気がしたが、思い当たるものがない。しかも食品の臭いが漂うような場所でもなかった。

ミズキ

境川縁にもなぜか多いミズキが花の盛りである(写真)。記念に撮っておこうと自転車を止めてカメラを持って近づいていくと、またあの臭いがした。先ほどのものよりも弱いけれど、同じタイプの臭いだ。ミズキの花の臭いなのだろうか。50年前には私のまわりにミズキはなかったようだけれど。

毎年土をもらっている田の苗は順調に生育し葉はつんつんと空を指している。水を覗けばおびただしい数のオタマジャクシが逃げていく。オタマの他になにかいないかと探してみれば、緑の体に黄色のラインがはいったきれいなヒルがいた。驚いたことに、私の接近を感知して泳いで逃げた。オタマジャクシにも負けない泳ぎっぷりだ。本当に危機を察知して泳いでいるのか確かめるために、いろいろディスターブをしてみた。やはり私のことを察している。目に相当する感度の良い器官があるようだ。

残念ながらオタマジャクシとヒル以外はめぼしい生き物は見つからなかった。ただアルビノらしい黄色いオタマがいた。すでに後ろ足は出ている。これだけオタマがいれば近所に住むヒバカリが喜んでるだろうと余計なことを思った。


2016.6.11(土)晴れ 環水平アーク

環水平アーク

今日もまた環水平アークがでた。先週と同じ時間に同じ場所だ。といっても中津川を越えたあの場所が環水平アークの名所というわけではない。

半原越はやっぱりウィリエールで。気温も高くなく風は涼しい。しかもけっこう強いフォローだ。ただし全然スピードはでなかった。環水平アークが見られただけでも来た甲斐があったというものだが、アオダイショウを2回見たというおまけ付き。

サンコウチョウはよく鳴いていた。姿が見られないかと少しだけ粘ってみた。いつの間にか半原越はサンコウチョウの名所になったのか、撮影者らしい人が数人いた。彼らの狙いがサンコウチョウであることがわかったのは、スピーカーでオスのさえづりを流していたからだ。いまやそんなテクも一般になっているのか。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間14'51"4'51"+1814.6-75170
区間210'20"5'29"+2513.0-67180
区間315'45"5'25"+2013.2-67176
区間423'17"7'32"+749.6-58162
全 体+13712.3-66171

2016.6.12(日)晴れのちくもり フリーセル66666

フリーセル

今日の写真はSuperMacFreeCellのキャプチャだ。生きているうちに10万個解くことを目標にしており、66666個目に到達した記念として撮っておくことにした。

ところでぞろ目である66666に何かの意味をみいだしてしまうのは人間の弱点でもある。自然界には自然数は存在していないから、66665も66666も違いがあるわけではない。自然のものを数値に置き換え、数列がなんらかの快感をもたらす場合、その事象がそれなりの意味を持つような気がしてしまうのだ。

実際に切りのいい数字や美しい数列が意味を持つのは科学という狭い領域のみだ。科学であるからには、それが通用するのは人類だけで、ほかの生物、無生物には無関係だ。5個の数字を選んだときに、それが66666になる確率は0.001%、つまり奇跡なのである。なんてことは戯れ言だ。どんなに小さい確率であろうと、たんに確率的な事象は奇跡とは言えない。同様な戯れ言は世間にあふれている。科学に無関係な分野ではきれいな数列になんの価値もない。


2016.6.18(土)晴れ 梅雨の晴れ間

彩雲

久々にナカガワで境川。ハンドルバーをチネリと同じものにした。チネリとナカガワは同じように使うつもりなので、ポジションなんかも同じ方がいいだろうという判断。

走り出してみれば今日も環水平アーク日和。ただきれいなものは見ることができなかった。写真はついでに撮った彩雲。太陽のそばにけっこう出るやつ。けっきょくこれが一番きれいな雲の写真だった。発達した巻雲が雪の筋を引いて落ちて消えゆく様も観察できたが、残念ながら携帯電話での撮影でぼけぼけ。TG-1痛恨の電池切れ。TG-1も雲は撮りにくいカメラだが、携帯電話はもっと難しい。地上をちょっと引っかけるだけでは無限遠にしてくれないらしい。

飽きもせずに重めのギアを使って体重をかける練習。体重をうまくかけるためには上死点で体を硬くする必要があるのではないかと思った。体重を使えるのは0.1秒程度なのだから、ふにゃふにゃした体では間に合わないんじゃないかというのが根拠。何度かそう感じたことがある。

環水平アークに象徴されるように絵に描いたような梅雨の晴れ間だ。田んぼのオタマジャクシはすでにかなりのものが上陸しているようで、先週よりもずっと数がすくなかった。ニイニイゼミが初鳴き。ウスバキトンボも数匹見ることができた。


2016.6.26(日)晴れ また環水平アーク

彩雲

ただの習慣としてなんとなくチネリで境川。なにをするでもなく日曜午前は境川。今日は撮るものもなさそうだけど、ただの習慣としてTG-1も携帯した。

3時間ほど下ハン練習をやってもう帰ろうと左岸の道路を走っていると、そこにセスジスズメの幼虫。今季初記録になる。TG-1を運んできたかいもあったもんだと自転車を立てかけ、道路に座り込んで撮影。明らかに斃死なんだが、つぶれた感じはない。意外に丈夫なのかもしれないし、轢死ではないのかもしれない。この道路はそれほど交通量も多くない。

イモムシの死体を撮ってTG-1をバッグに入れ、これも習慣になった空のいつものあたりをなにげに見れば、そこに環水平アーク。ぜんぜん環水平アーク日和ではなくて期待していなかったから驚いた。この6月は週末に天気がよくて連続して環水平アークを見ている。

こいつはあわてて撮る対象だ。一度しまったカメラを急いで取り出す。そこに風が来て50万円(ぐらい)の自転車を倒してしまったが、そんなことはお構いなし。雲の動きが速くシャッターチャンスは限られるはずだ。

空を撮っているところに自転車の群れ。ちと気まずい雰囲気。見るからにサイクリング中のオヤジがあらぬ方向にカメラを向けている。そばにはビンテージ物の高級ロードが転がっている。かなり異様な光景だろうが、そんなことはお構いなし。けっこう色が出はじめている。シャッターチャンスを逃してたまるか。

いい感じだったのは1分ほどだろうか。すぐに普通の青空にもどった。梅雨の晴れ間は油断も隙もあったもんじゃないとメル友に写メ。帰路、これも習慣になったオオカワヂシャの観察。驚いたことにもぬけの殻。水中にはぜんぜんオオカワヂシャの姿が見あたらない。特に豪雨があったわけでもないがどうしたんだろう。


2016.7.2(土)くもりのち晴れ 半原越がっかり

アマガエル

いつもの棚田につけば例年通りの中干しのさなかだった。田はひび割れができて殺風景だ。一方、草刈りがはいった草むらはにはいろいろな虫がうごめいていた。バッタコオロギの類の幼虫が多い。蝶はベニシジミ。カタツムリが草に這い、カエルが跳ねている。今年の中干し前に上陸をはたしたアマガエルたちだ。今年、この田でシュレーゲルアオガエルの卵は確認していない。

ウィリエールはハンドルバーを換えた。深曲がりのブルホーンをまっすぐのものにしたのだ。それでどうということはないけれど、近いところが持ちやすくなったらいいなと思った。こういうものは乗り込まないと判断がつかない。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間14'37"4'37"+415.316478181
区間210'20"5'28"+2413.118167180
区間315'45"5'23"+1813.318168177
区間422'45"7'17"+5910.018252168
全 体+10512.6-65175

ここの所連続して区間4を前にして力尽きている。正直そういう自分にがっかりせざるをえない。がっかりといえば、道中、道路を歩いていたクワガタを拾って持ち帰ろうとしていた。入れ物はコンビニのレジ袋だ。途中で、日差しが強いから蒸れ死ぬとまずいだろうと確認すると、もぬけの殻だった。レジ袋には小さな穴があいている。クワガタはそのもろいレジ袋に穴を開けて脱走したらしい。こちらは少年時代から繰り返し経験しているタイプのがっかりだった。


2016.7.3(日)晴れ アオコ

蛙飼養池

日曜午前は境川。チネリに乗って今日もでかけた。かなりの南風が吹いており、向かい風だと涼しく快適に走れる。いつもの白旗コンビニに寄ってコーラとアイスを補給。ペプシが強炭酸&カフェインという新製品を出している。昨日、1本試してみれば全然たいしたことなかったので今日はコカコーラにしようと思っていた。ところがスリーエフではそのペプシを今日まで安売りしていた。決心がわずか20円で崩れ去りペプシにしてしまった。

強風を利用して下ハンで巡航練習。42×16Tあたりを使って28km/hぐらい。それでいい感じの風だった。向かい風はいいが、追い風は暑くて暑くてしんどい。鷺舞橋の水道水をかぶっても、そのとき涼しいだけですぐに暑くなる。

夏をむかえ境川蛙飼養所(通称今田遊水地)のアオコは池全体にひろがっていた。こうした事態をまねいたのは設計ミスが原因と思われる。蛙飼養池の水源は住宅地から流れ込む雨水にたよっており、その雨水が思いのほか富栄養みたいだ。アオコは悪臭を放ち苦情が出るだろう。設計者は公害の責任追及にどきどきしているかもしれないが大丈夫。2011年以降はこの手のミスは想定外といえば許されることになっている。蛙たちの幸せのためにも早々に設計を見直して欲しい。100億円の予算が150億円になるだけのことだ。元々そういうことだったことにすれば誰も困らない。

あまりに暑さが厳しいものだから、練習は半分で切り上げた。境川の目的も見失った。それに思いのほか雲が少なくなって、日焼け止めをせずに出てきたことの不安もあった。やけどになるとしんどい。

上和田中学校前のオオカワヂシャはやはり全滅しているようだ。その原因についてよくよく注意して調べるなら、境川の水が2mばかり上昇していた形跡がみつかる。そういえば蛙飼養所の水位もかなり高かった。どうやら越流堤から本流の水が入ってくるぐらいの増水はあったようだ。

豪雨と呼べるような雨はなかったはずだが、境川は思いのほか簡単に増水してしまう。増水の濁流に流されたとみるのが一番妥当だろう。


2016.7.4(月)晴れ一時雨 増水

境川の増水状況をネットで調べてみるならば(これが意外と難しい)、6月は13日(月)に最大の増水があったようだ。雨量は50mm程度で、2mほどの増水があった。じゅうぶん今田遊水地の越流堤を乗り越えるぐらいの水位だ。それだけの増水ならば上和田中学校前のオオカワヂシャが全滅してもおかしくないのだろう。

今日も夕立っぽい雨があった。それほどたいした降りではないと思ったけど、境橋では2mほども増水したらしい。


2016.7.8(金)くもり オオカワヂシャと増水

境川でも上和田中学校の前だけに水中オオカワヂシャが集中していた。他の場所と異なる環境条件が見つかればヒントになるだろうと思った。ざっとした目視で手がかりになりそうなのは堰堤だった。堰堤に挟まれた区間なので流速が遅く水深が一定していそうなのだ。境川は強い雨によって一気に増水する。河床はかき回され草体は埋まったり流されたりするだろう。すくなくとも、上和田中学校前ではそうした撹拌がゆるいのかもしれないと思った。それからは境川の増水に注意していた。

5月5日の観察で、20本ほど見つけていたオオカワヂシャの大半が消失していることを確認している。その消失は増水に関係ありと思われた。やがて梅雨もさなかの7月に入って、どうやら全滅しているようである。その原因はやはり増水以外ではないだろう。強い雨が降ったという記憶はなかったが、注意して調べると護岸や今田遊水地にはけっこうな増水の跡を見ることができた。

蛙飼養池

ならば実際問題としてどれほどの増水だったのか調べてみる必要を感じた。横浜市の水防災情報のページでは境川を含む地域の河川の過去水位が公開されている。上和田中学校前の生息地の少し上流にある境橋の記録をざっと集めて作ったのがこの図である。

6月13日には2mに達する増水があった。今年になってから最大の増水だ。本流の水が越流堤を越えて今田遊水地に入ったのはおそらくこの日だろう。2mクラスの増水があれば、境川本流のオオカワヂシャは流されるか 埋もれてしまうかするようだ。

8割方が消失していた5月5日では前日の4日に151cmの記録がある。それぐらいであれば繁茂しているものが全滅するまでのことはないらしい。

続いて、私が発見するまでの増水状況を見ておく必要がある。オオカワヂシャが実生であれば、私が初見したぐらいに成長するまでに1〜2か月を要するだろう。3月、2月の増水状況を見れば、2月20日に141cmの記録があった。かなり微妙な値だ。私が発見するまでにほぼ1か月である。小さな若い個体が141cmの増水に耐えたとも考えられるし、2月20日以降に芽吹いた個体が1か月で私の目にとまるまでに成長したとも考えられる。少なくとも私が見ていたオオカワヂシャたちは数回にわたる1mクラスの増水に耐えていたことは確かだ。

境川の本流のオオカワジシャを再発見することがあれば、またいろいろ気づくこともあるだろう。


2016.7.9(土) チェーンがごりごり

昨夜から降ってきた雨はずいぶん冷たかった。気温も低い。せっかくの雨だが寒いのはいやだなと、ぐずぐすしていた。ぐずぐずついでに買い置きの44Tを試してやろうとウィリエールに組み込んだ。そいつがどうもうまくない。古いタイプのギア板で歯の形が10sチェーンにマッチしない感じだ。ちょっと使えないなと元に戻すついでに36Tのミドルを38Tにした。38Tあればミドルだけで快適に走れる。

そんなこんなでぐずぐずしていると午後になった。一転気温があがり快適な梅雨の日にかわった。すぐに着替えて境川に出かける。カメラも工具も置いていくことにした。

この夏、雨の中を走れるのははじめてだ。雨が少ない感じはないが、休日と天気の相性が悪かったのだ。そのかわり環水平アークがたくさん見られたので文句は言わない。

雨はいい感じだが自転車は悪い感じだ。チェーンがごりごりしている。リアディレーラーの調整をいくらやってもダメだ。チェーンの油ぎれだろうか? スプロケットの寿命なんだろうか?


2016.7.10(日)晴れ ことごとく消失

湧水

チェーンを掃除して絶好調に生まれ変わったウィリエールで境川。日曜午前の意味を見失いつつも境川。

風は南から普通程度。晴れて気温は高くなりそうだが、この風があれば涼しく走れる。南も北も30km/hの巡航。向かい風で38×13Tがきれいにかかってうれしい。すごく上達した気分になれる。

ひとまずオオカワヂシャの確認だけはしておこうと思った。絶対に見つかるだろうと確信していたのは境川遊水地の湧水付近。春にはオオカワヂシャが群生していたところだ。さてどうなってるかとのぞき込んであぜんとした。写真のような状況だ。オオカワヂシャのあったところはことごとくミゾソバに覆われている。オオカワヂシャっぽく見えるのはおそらくタデの一種だ。もっともありそうな所がまず×。上和田中学校前でもとうぜん見つからず、その上流の半水中のものも見あたらない。

つづいて陸上にたくさん生えていたのを探すがぜんぜん見あたらない。花のアップを撮った川岸に降りていって草の根かきわけても×。よく似た色の三尺バーベナの花が風になびくばかり。

こうなると新たな疑惑が浮上する。オオカワヂシャは夏枯れするんじゃないんだろうか? 生理的に消滅するのであれば事は複雑になる。もし夏枯れしないのなら単純に増水で流されたと結論してかまわない。普通の水草は水中と陸上では生育状況が異なり、陸で枯れる季節にも水中では残ったりする。そういう草が消滅したなら流されたのだ。もし、オオカワヂシャはその規則に当てはまらず、水中でも夏枯れするのなら増水と消滅の因果関係は突き止められない。さて私はこの先どういう状況を目撃すれば解答を得ることになるのだろう。境川のオオカワヂシャはすっかり謎の草になってしまった。


2016.7.11(月)晴れ オオカワヂシャの生活環

オオカワヂシャは柿田川では一年中成長し花期も長いというレポートがある。さすが水草天国というべきで、境川ではきっとそうならない。どうやら境川ではオオカワヂシャは春に開花結実して夏には枯れてしまうようである。どおりで日曜日に探しまわっても見つからなかったはずだ。

境川ではオオカワヂシャは秋に発芽して冬から春にかけて成長するはずだ。これまでの観察でも冬場に遊水地の湧水に沈む新緑が見つかっている。ミゾソバなんかの夏草が枯れた後での芽生えだったように思う。

そうなれば、これからの探索ポイントは2つになる。一つは境川本流での水中オオカワヂシャの芽生えを見つけること。もう一つは、境川護岸でのオオカワヂシャの芽生えを見つけることだ。それなりにしっかり見ないとうまくいかないだろう。

柿田川では、水中で育ったオオカワヂシャが水上に顔を出して開花結実して枯れるらしい。もしかしたら水上に出なければ開花がなく夏枯れがないかもしれないのだ。境川本流では水上に出ていた株は1つが見つかっただけだった。全部が成長途上で流された可能性も大きい。

水中オオカワヂシャが夏枯れするかどうかを境川で確かめるのはまず無理だ。ちょっとの雨で一気に増水するから、流れたのか枯れたのか判別がつかない。柿田川のレポートでもオオカワヂシャは抜けやすいとある。湧水ではなく並の河川で、しかも突然の増水がないところでオオカワヂシャが水中群落を作っているような場所が見つかればそれが確かめられるかもしれない。

そんなところを見つけることができるだろうか。近所の引地川でもオオカワヂシャの群落は見つけているけど、浅いところで抽水植物として育っているものだった。並の河川の深いところで育つオオカワヂシャは少ないと思う。だからこそ境川本流でその姿を見つけて驚いたのだ。私はもう一度境川本流に揺れるオオカワヂシャに出会うことができるのだろうか。


2016.7.16(土)くもり一時晴れ 半原越のヤマユリ

ヤマユリ

ちょっと疎遠になっている半原越にウィリエールで出かける。いつもの棚田は再び水が張られていた。水中カメラで撮影すると、透明度の高い水の中で茂るヘヤーグラスの群落がきれいだ。ただし動物がいなくて殺風景なのは悲しい。トンボは2種いた。オオシオカラトンボらしいものが1頭。例年通りミヤマアカネは多い。まだオレンジ色のやつが稲に止まっている。見通せる範囲だけでも50頭は数えることができる。

半原越にかかってすぐに目に入ったのがヤマユリだ。こいつはあきれかえるほどきれいだ。よくまあこれほど大きくはなやかな花が育つもんだと感心する。

ヤマユリは法論堂川の崖の草むらに生えている。撮影しようと草むらに入っていくと、地元のおばちゃんに声をかけられた。わざわざ玄関の戸をあけての警告だ。「○○だけど大丈夫?」と言っている。○○の所が聞き取れないが、こういう警告は2種類しかない。マムシがいるか熊がうろついているかだ。私はマムシには細心の注意を払っている。サイクリングついでの撮影で草むらに踏み込むとき、草で見えない地面は絶対に踏まない。マムシを踏んでむきだしのすねを噛まれたら大ごとだ。ヤマユリの草むらはかなり深く慎重に歩を進めていたところだ。熊に出会うなら本望といえないこともない。半原越で見てない獣はテンと熊ぐらいのものだ。

半原越の頂上近くのアスファルトに黄色い虫が転がっていた。一見してオオミスジコウガイビルなのだが、ちょっと模様がちがう。あいつの腹は黒い帯だったろうか? そもそもこんなに太かったろうか? ときどきこういうレアな死体も見つかる。サイズがわかるように手を入れて記念撮影。

自転車はいよいよダメである。心拍数が180bpmから上がっていかない。今日は軽く回す感じのトライアルにした。体を起こして上死点で前に押すやり方をしばらくやってなかったから、もしかしてそれが原因でタイムが悪いのかと疑ったからだ。結果はやはりダメで区間3で力尽きてしまった。

自転車は乗っていないときにいろいろ考える。何か秘奥義のようなものがあるんじゃないか。いきなりものすごく早く登れるようになるんじゃないかという妄想だ。いろいろ工夫はしているものの、その工夫がことごとく的外れなんじゃないか。ちゃんとホンモノの練習されすれば本来の力を発揮できるんじゃないかという妄想だ。本来の自分は強いのだが、やり方が間違っているだけだという都合の良い妄想だ。10年以上もこの妄想に引きずり回されているのだからあきれる。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間14'56"4'56"+2314.416582167
区間210'27"5'31"+2712.918076178
区間315'58"5'31"+2612.918070172
区間423'17"7'19"+619.917862167
全 体+13712.3-71171

2016.7.17(日)くもり 境川でタマムシ

タマムシ

安物の7s時代の44Tチェーンホイールをウィリエールにつけて境川。このチェーンホイールは歯の形状が角張って長いせいかチェーンにひっかかりが出てしまう。チェーンホイールの回転にあわせてコココココココココという感じで音もなる。けっこううざいけれど、まあいいかと思う。アウターの歯数には工夫が必要だ。

リアを14Tにすれば、3倍よりもちょっと重くなる。80rpmで30km/hちょっと。ゆるい向かい風でこのギア比がいい感じだった。上死点で足を前に運び体重を一瞬かけて、下死点で足を後ろに引く。体重と引き足をミックスすることで楽にスピードに乗れる。

これまで44Tは使ったことがなかったから、しばらくこいつを使ってみて具合がよければましな物に取り替えよう。それまでに歯がちびてかかりがなくなればもうけもんだ。

境川は梅雨の終わりでいよいよ盛夏に突入の感じだ。ニイニイゼミにまじってアブラゼミの声を聞くようになった。アスファルトにタマムシが出てきたり、アカボシゴマダラが轢かれていたり。アカボシゴマダラは飛んでいるのもよく見る。この数年は数が安定している感じだ。境川では増えても減ってもいないように思う。


2016.7.18(月)晴れ 用水路の雑草

雑草

境川のわきには水田の用水路がけっこうある。写真はその一つを水中撮影したもの。草はまっとうな水草ではないだろう。その辺にあるイネ科の雑草だとおもう。水路にほとんど水が流れていないときに芽吹いて成長したものが、水路に水が流れるようになり、一時的に水草状態になったものだ。こういう草はけっこう強いからこのまま成長していくだろう。花でもつける頃には種名の見当がつくかもしれない。

自転車は昨日に引き続きウィリエールで。いつもの往復を2回やって昼飯を食うとバテていることがわかった。突然力が抜けた感じでもうどうしようもなかった。日が射して暑かったということもあるだろうが、3日も続けて走れるようないい体ではないということも確かだ。


2016.7.21(木) 雨のカマキリ

カマキリ幼虫

今朝、ツユクサの茂みにひそむカマキリの幼虫を見つけた。昨夜から降り続く雨は本降りである。カマキリとしてもこういう日はあまり稼げないだろう。獲物を狙っているのか雨宿りをしているのか、そのどちらか、どちらでもないのか、両方か。

この茂みはけっして広いものではない。ツユクサの本数にして10本ほど、ひとかかえほどのスペースである。この場所で連続してカマキリを見ている。そのサイズと庭のカマキリの生息密度から推定して同じ個体だろうと思っている。カマキリ幼虫にはなんとなく決まった待機場所というものがあるのだろうか。ハラビロカマキリの幼虫では同じ枝の葉に何日も留まっていたのを確認している。


2016.7.23(土)くもり 境川にスッポン?

スッポン

久しぶりにナカガワで境川。ナカガワにしたのはサドルを新調したからだ。セライタリアのゲルフローで穴のあいているやつ。ナカガワは大昔の2本ボルト締めピラーをつけている。穴あきサドルのほうが調整がしやすい。

新道大橋を過ぎたところで川を見ると対岸に大きな亀がみつかった。対岸側のコンクリートブロックの上で甲羅干しをしている。アカミミガメよりもずっと大きい。離れていてもすぐに亀とわかった。どうやらスッポンのようだ。スッポンの生息は遊水地公園管理センターの情報でも知っていた。鷺舞橋の上から泳いでいるのを見たような記憶もある。

いまの境川はスッポンの生息にむいているとは思えない。もとから境川にいたのだろうか? 養殖施設等から逃げ出したのだろうか。ともあれ、大型なので売ればけっこうな金になりそうだ。高松の友人から聞いた話だが、ため池かどこかで捕まえた大きなスッポンが2万円で売れたという。この辺の住民はセレブなので野生動物を捕まえて儲けようなんて算段はしないだろう。そこはスッポンにラッキーかもしれない。境川はけっこう生きにくい場所だとは思うけど。

サドルはゲルフローということでかなり柔らかくちょっと心配だった。ゲルを使ったやつはこれまで敬遠してきた。柔らかいサドルは痛いかもしれないからだ。それも杞憂でけっこういい感じだ。前乗り、後ろ乗り両方でそれなりにフィットする。後ろ乗りして体重をかけると尾てい骨がもぐる感じがありありとわかる。廉価版で中古にふさわしく立て付けの悪さはある。まあ悪くないサドルだと思う。


2016.7.24(日)晴れのちくもり カミキリを撮る

ウスバカミキリ

今日もナカガワで境川。昨日スッポンがいたところには注意した。まさかいないだろうなあと探す視線の先にスッポン。昨日と同じ個体が同じ場所で甲羅干し。正確には昨日の近くのコンクリートブロックで昨日と同じサイズのスッポンが甲羅干しをしている。スッポンにも気に入る場所というものがあるのだろうか。

遊水地公園を過ぎたところで死んでいるカミキリムシを発見。たまたま見聞録未記載の種らしかったのでいそいそと撮影しようとカメラバックを見れば、チャック全開で中にカメラはない。落としたわけではなかった。入れるつもりで置き忘れたのだ。じつは昨日ボックスレンチを紛失した。そのショックを引きずって、どこでなくしたものかを気にしたまま出発してカメラを忘れたのだった。

まあしょうがない。今日は撮影の日ではないなとペダリングに集中することにした。上ハン、下ハン、ブラケット、それぞれを塩梅良く練習することにした。下ハンは52×17Tあたりを使ってポジションの確認。上ハンは52×13Tを使って登りをゆっくり走る感じ。ブラケットは向かい風で70rpmにしてしっかり登っている感じに。最近ようやく52×17Tが回せるようになってきた。数年前は私の素質でそんな重いギアを回せるんだろうかと疑っていた。やればできるようになるもんだ。ただし力の入れ方を工夫しつつけっこう練習する必要はある。

3時間ほど走ってふと、カメラを忘れても非常用の携帯電話があるじゃないかと気づいた。携帯電話は防水で水中撮影もできるという優れもの。そこに思いが至らなかったのが悔しくていつもは撮らないやつも撮った。ゴマダラカミキリは境川では珍しくもない。これまではトカゲの轢死体はかわいそうで撮らなかった。世の中ではポケモンGOがはやっている。私も手当たり次第に携帯電話の中に虫をゲット。乾いたミミズはさすがにスルー。

さて肝心のカミキリはというと、放置していた間に何回か踏まれたらしく写真のように粉々になっていた。前翅は散逸して同定は難しいだろう。携帯電話に思い至らなかった記念に撮影だけはしておいた。

境川周辺はミンミンゼミやアブラゼミがわめくようになってきた。ウスバキトンボは多いところで一目100匹ほど飛んでいる。まだピークは先だろう。風景はまさしく夏なんだが、護岸に萩が咲いていたりして秋が忍び寄っている感じもある。

ナカガワの新しいサドルはバッチリで高さも角度もしっかりしてペダリングは絶好調。気分良く走っていた帰り道、またカミキリを見つけた。境川の路面でつぶれているカミキリなんてたかだか数種だろう。見た感じではばらばらになったやつと同種っぽい。かなり特徴ある姿で同定は簡単そうだ。同種だということにして撮影。ウスバカミキリだった。


2016.7.25(月)くもり一時晴れ 6本脚のジョロウグモ

ジョロウグモ

玄関を出たところに6本脚になったジョロウグモがいる。何かの事故にあったのだろう。気の毒ではあるが、私にとっては好都合だ。というのもジョロウグモのもげた脚が脱皮で再生するものかどうかを知りたいからだ。

このクモは毎朝の観察がしやすい場所にいる。小さいからこの先幾度も脱皮するだろう。ただ難点もある。すでに栄養が悪そうでいかにも元気がない。ここはひとつひいきにしてやって餌を供給するぐらいのことはしなければならない状況だ。それをするだけの根性がない観察者だというのが問題だ。

過去幾度かジョウロウグモに給餌を試みたことはある。それがめったにうまくいかなかった。庭で小虫を捕獲して巣に向かって投げつけてもうまく網にかかることは希である。運良くかかったとしてもクモが食べないことも多かった。かといって給餌の工夫を考えるでもない。かようなていたらくでせっかくの好機を逃してしまうかもしれない。


2016.7.26(火)くもりのち雨 7本脚のジョロウグモ

ジョロウグモ

残念ながら昨日の不安は的中し、今朝には6本脚のジョロウグモが姿を消していた。それは残念なことだが、今年はわが家にジョロウグモが多い。いなくなった6本脚のすぐ近くにもう1匹クモがいることには数日前から気づいていた。そいつをよくよく見れば、ふたたびラッキーなことに7本脚である。しかもたいへん元気がよい。餌もずいぶんかかっているようだ。こいつで観察を続けられる。

ところで、ジョロウグモが多いのはわが家だけではない感じだ。周辺を見渡せばずいぶん多い。ジョロウグモの当たり年なのかもしれない。

数年前から、私が活動する大和・藤沢・清川ぐらいのエリアで、ジョロウグモの数の変動を感じている。家の近所に少ない年は清川村の山にも少ないように思うのだ。その両数の因果関係にはとんと思い至らず、気のせいとしか説明のしようもないのだが、それでもかなり広範囲に渡る数の変動があると思えてならない。


2016.7.27(水)くもり 交尾

キイロテントウ

朝、いつものように庭を見回っていると、黄色いテントウムシが交尾の体勢をとっていた。このテントウムシは庭初記録ではないという気がした。おそらくキイロテントウという名で何年か前に撮影をした記憶がある。

旧知の虫とはいえ、交尾しているとなると生態写真みたいでなんだかうれしい。それなりにがんばって撮る。オリンパスのE-30は旧式のカメラで、ISOを高くするとざらつきが目立つ。くもりで明かりが足りないので今日はISO400に設定した。絞りをあけると小さなテントウムシでは全体にピントが来ない。f16まで絞りたいところだが、その半分にする。f8でも1/50秒でしか切れない。かなり引き気味にしてストロボを使わずに撮ってみる。とまっている葉は風に揺れている。運任せで数打つしかない。

キバラルリクビボソハムシ

小さい甲虫では、ツユムシにつく群青がいる。こいつらは私の庭にたくさんいる。はからずしも恋人たちの「だーれだ?」ポーズになっている。虫らもおさかんな季節、仲良きことは美しき哉。こっちは暗い草陰でぜんぜん自然光が足りない。アップにしたくてf16で内蔵ストロボを使う。

この虫の名はキバラルリクビボソハムシだろうか。これまでは学研生物図鑑で調べて姿がもっとも近いルリクビボソハムシにしていたけど、そいつの食草はアザミだ。ハムシ類は食べる草が決まっているらしく、植物から虫の種類を絞り込むのがいいらしい。こいつはツユクサを食っており近くにアザミは皆無だ。今日からはキバラルリクビボソハムシでいこう。小さい虫は図鑑を見て一発OKとはいかない。


2016.7.29(金)晴れ ELITE TRAINER VOLANO

今を去ること6年前に新型ローラーの提案をした。後輪を使わないでローラーに組み込んだギアをダイレクトに回す機構だ。ようやく私のアイデアに近い製品が販売された。ぜひとも買わなきゃいかん。

ELITE TRAINER VOLANO(エリートトレーナーヴォラーノ)はイタリアのビッグブランドの最新モデルだ。この機構のパイオニアとしては数年前にレモンレボリューションが世に出た。残念ながら仕掛けが大げさであり、せっかくの後輪置換型の利点が活用されていないと感じた。すぐに進化して私の思うようなものになるだろうと期待していたが、その期待ははずれた。

ELITE TRAINER VOLANOはシンプルである。脚も私の狙い通り3点式になった。抵抗の強弱を加減するしかけは内蔵されておらずギアチェンジで行う。これも私の狙い通りだ。そのためワットの表示が容易になっている。解せないのは、走行抵抗用の円盤が2段式になっているところだ。ギアで直接回す円盤が抵抗用の円盤を摩擦で回すようになっている。ELITE社は、磁石ではなくゲルで走行抵抗をつけることを得意としているらしい。それでシールドとか熱対策とか、抵抗の加減とか、私が思い至らないエンジニアリング上の理由からこの2段式になったのだろう。

この2段式をとる以上は私が想像している防振ゴムを利用した実走感の向上はのぞめない。どうしても2段式にするなら、連結は摩擦でなくチェーンか歯車にしてほしかった。

ともあれやっと私が望んだタイプのローラーが登場してきた。ELITE TRAINER VOLANOの前のモデルは大げさで荒削り感満載であり購入を見送った。ELITE TRAINER VOLANOは続編のアマチュア用廉価版として新発売になった。より洗練したものになっていると思う。 本体価格は5万円で、ワットをガーミンに飛ばすMISURO B+という別売りの付属装置は8000円ぐらいする。モノのできからすれば半額程度の3万円が妥当だろうが、この手のローラーを開発したELITE社を応援する意思も込めてセットで購入することにした。

いま使っているローラー台は国産のもので20年以上前に買った。半分壊れており、次のものを物色し続けてきた。イギリスにELITE社のものを注文したものの手違いがあり、海外通販のめんどくささもあって購入を見送ったこともあった。

ところで、わが国では後輪置換式ローラーが開発される気配がない。その理由については、メーカーに「ローラーは主としてピスト選手が使う物」という信念があるのだろうと思われる。日本の競技選手の主流は競輪に代表されるピストである。ピストはいちいち後輪を外してローラーにセットするなんてことはたいへん煩わしい。数十万出せばフィッティングも行える玄人向け専用機がある。

私のように金が余って時間と練習場所がなくて、素質がなくレースをする実力もない人間はローラーの顧客ではなかったのだろう。さすがに国産メーカーでも、アメリカ人のロードレース熱向上を契機に情勢は変わって来ていることは認識しているだろう。


2016.7.30(土)晴れ 夏のミヤマアカネ

ミヤマアカネ

清川村のいつもの棚田にはミヤマアカネが多い。梅雨明けの青空のもと、つんつん伸びる稲にとまっている。

私のTG-1はなぜかトンボを撮ってくれない。もともと接写のピントは弱いのだが、とりわけトンボに弱い。どのトンボもたいていピンぼけになる。そのことを知っているからトンボを撮るときには注意している。そしてピンぼけ写真を量産してしまう。この写真もトンボにはピントが来ていない。

半原越も盛夏だ。登りは暑い。ふうふういって登った。それでも汗はあまりかかない。心拍数があがらない。体はどんどん弱っている感じだ。

真夏の虫はセミだ。盛夏の半原越で道路に転がっている虫の筆頭はセミだ。今日はミンミンゼミとヒグラシを撮っておいた。ミンミンゼミはなぜか右前翅が根元の方からスパッと切れている。なにが彼に起こったものか。

タイムはぜんぜんだめだった。登り練習は4回やった。自転車を少しだけ振って前足上死点ですばやく体重をかけつつ後ろ足は軽く引き上げる感じ。力を使うと20秒ぐらいでいっぱいいっぱい。最近は4回ハーフをやればもういいやという感じになりつつある。頂上付近はけっこう涼しく下半分に降りるとむっとする。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間15'18"5'18"+4513.516274154
区間211'17"5'59"+5512.017470163
区間317'23"6'06"+6111.817367154
区間425'16"7'53"+959.317553155
全 体+25611.4-65156

タイムをとりながら登っている最中に視界の隅にオレンジ色のユリっぽい花が入ってきた。キツネノカミソリだろう、半原越初かもしれない、後で撮ろうと通り過ぎた。練習を終えてあらためて花を見るとキツネノカミソリじゃない。全く知らない花だ。派手な花で知らないやつは何でも外来園芸品種だと思う悪い癖がついている。撮影はしたもののうれしくはなかった。帰宅してその名を調べてみれば、ヒオウギ(檜扇)という有名な在来種らしくてうれしい。ただその名にはひっかかる。自転車のヒオウギ(秘奥義)はこの10年ずっと探しているからだ。私はこのまま花のほうのヒオウギしかゲットできないのだろうか。悲喜こもごも。


2016.7.31(日)晴れときどき雨 通り雨の境川

積乱雲

日曜午前は境川。ウィリエールで出発。あのスッポンは同じようなところに同じようにいた。カエル飼養所のアオコは増える一方。いつもの白旗休憩所にタニウツギが咲いていた。本来は初夏の花だが、少しの天候不順もあって開花スイッチが入ったのだろうか。

12時を回ったところで通り雨。けっこう強く降ってきた。予報通りでもあるし普通に走り、スリーエフ白旗店で昼飯を買う。店員のおじょうさんにちょっと同情された。

雨を降らせている雲は積乱雲みたいだ。雨粒は大きくて冷たい。夕立っていう感じではない。上空に寒気が入ってきているものと見える。

境川サイクリングロードは403号線をアンダーパスのトンネルで越える。そのトンネルの両脇は小さな排水溝が掘られている。溝には泥がたまり排水溝の役目は果たしていない。そのかわり、陰気系の虫たちの楽園になっているようだ。一日中日が射さずそれなりに湿り気も保たれているわずかばかりの土壌がかれらの拠り所だ。ということがこの通り雨でわかった。

アスファルト道路の下り坂をつたって流れ込んでくる雨水は排水路にたまる。土が水たまりになったものだから、虫たちは大あわてだ。コオロギ2種、ヤスデ、ムカデ、ケラ、ゲジ、ハサミムシ、ワラジムシ、ダンゴムシ、ナメクジなどそうそうたる陰気系の虫が壁面を登って洪水から身を守ろうとしている。日曜日にサイクリングをしているだけではまず出会うことのないやつらだ。

脚のある者たちは壁に登れるからまだいいがミミズは大変だ。排水路に沿って動けば2分の1の確率で深みにはまる。排水路を避けて道路に出てくれば轢かれる。時間10mmほどのちょっとした通り雨が死活問題を生んだ。ついでにたんなる野次馬のアマガエルも見つけた。

いつもの4時間サイクリングで雨は2回やってきた。濡れたアスファルトにかなりの数の子ガエルが出てきた。数往復する間に10から20は見た。境川周辺の田には草が生える良好な用水路や水がたまる休耕田がある。かれらの発生源なのだろう。アマガエルはよく見かけるが、茶色で動きが違うカエルが混じっている。茶色ガエルは、ヒキガエルとヌマガエル(ツチガエル?)を見ている。運良く1匹を撮影することができた。サイズからしてこの夏上陸の個体らしい。ヌマガエル(ツチガエル?)は春産卵だったろうか。


2016.8.2(火)晴れときどきくもり 驟雨の合間

ジョロウグモ

朝、庭に出てみるとキチョウが来ていた。キチョウはあまり庭に来ないチョウだ。写真機をもって近づくと不愉快なのか飛んで逃げる。かといって遠くには行かず、庭の一角を行ったり来たりしている。蜜のある花の周辺というわけでもない。可能性としてあるのは、女房がなにやらマメ科っぽい草を植えているから、それが幼虫の餌として適当かどうか気になっているのかもしれない。面白いのは、その草にだけは止まらず周辺にあるツユクサやスミレに止まるところだ。止まったところを線で結べば交点はその草なんだが。

昨日今日とけっこうな驟雨が来る。6時頃には落雷と共に強い雨がふってきた。それもすぐにやんで8時には日が射してきた。

庭のジョロウグモがこぞって巣の糸を張っていたのは、風雨で巣が壊れたからだろうか。ただし今日の天気予報では驟雨は繰り返しやってくることになっている。ジョロウグモには向こう1日ぐらいの天気を読んで巣を作るような芸当はないように思う。

チヂミザサが花をつけはじめた。境川ではセイバンモロコシも秋っぽくふくらんでいて少し驚いた。クロナガアリの食べ物になる草の動きから確実に秋は来つつあるという感じをもってしまう。


2016.8.5(金)晴れ 今年のクマゼミ

今年はよくクマゼミを聞くことができる。初鳴からほぼ毎朝鳴いている。数年前は、宇都宮邸の方向からのものが主であったが、今年はゴルフ場方向から聞こえてくる方が多い。多いとはいえ多数の個体が鳴いているわけではない。毎回ほぼ単独のようで、接近した複数のものがいっしょに鳴いている状況は確認できていない。クマゼミ幼虫期間6年説を確かめられる状況ではない。もっともっと数が多ければ2022年はどうなるかという期待も持てるのだが。

これまでの記録では、宇都宮邸で2006年に多かったから、2012年はどうかと期待していたが、平年並みだった。その6年間の間に林自体が激変してしまっていた。開発工事のあおりを受けて幼虫の数が減ったのかもしれない。

一方、渋谷のクマゼミは大変数が多い。代々木公園を朝に訪ねればクマゼミのシャワーを聴くことができる。代々木公園のクマゼミは年々増えている感じだ。

今年のトピックとして代々木公園の外、宇田川町の並木でもクマゼミを聞いている。1頭だけだが、渋谷で代々木公園から出たクマゼミの記憶は過去にはない。

さらに、ポケモンをゲットしようと真昼に代々木公園に近づくと、クマゼミのシャワーを聞いた。日中かなり日が差して蒸し暑い真夏の12時である。去年まではこんな時間帯にクマゼミシャワーを代々木公園で聞いた記憶もなかった。


2016.8.6(土)晴れ 境川の堰堤にまたまた謎の草

宮久保橋から堰堤

午前中はチネリで境川、午後はウィリエールで境川。「中年サラリーマンでもできる30km/h巡航」の練習に励む、というただそれだけのつもりだった。ところがあっと驚く収穫があった。

写真は宮久保橋から上流にある堰堤を撮ったもの。堰堤としては導水用でもなんでもなく、単に川の流れ調整のものらしい。ただし、この堰堤から下の方にはなぜかオオカワヂシャが根付いていたといういわくある堰堤だ。

午後の練習の通りがかりにこの堰堤にふと目をやれば、深緑のコケのなかにぽつぽつとライトグリーンの斑点がある。堰堤のせいで水深が15cmほどに浅くなっている部分だ。ライトグリーンのぽつぽつは一つ一つは小さいが数は多い。ざっと100以上。何かの植物が定着しているらしい。これを見逃していたとは我ながら迂闊だったわいと正体を確かめるべく注視すれば、なんとそれはオオカワヂシャではないか。思わず、あっと声が出た。ただの迂闊で済ますわけにはいかない。これに気づかなかったのは屈辱だ。いやこの数週間で芽吹いて成長したのだ、と心の中で言い訳しつつ悔しいやらうれしいやら。

すぐに転倒滑落しないよう自転車用の靴を脱いで靴下のままコンクリ護岸を降りていく。近づいてみればやっぱりオオカワヂシャっぽい。オオカワヂシャでなければもっと大変だ。水草には違いないからだ。

オオカワヂシャよりもずっと数が多いライトグリーンの塊もある。そいつの正体がまたよくわからない。小さい葉がたくさん集まっている塊だ。いったいなんだ、カマサワゴケっぽいなと、ひとまず自慢のTG-1で撮影。流れに入って水中撮影も試みたが、水が浅く速いためうまく撮れなかった。TGシリーズに手動フォーカスがつけばすぐに買うんだが。

撮っているときにもう一つ大変なものに気づいた。ライトグリーンの周辺にある深緑がただ者ではないのだ。遠目にはどうせ例の糸を伸ばすぬるぬるした黒緑のコケだろうと思っていたが、それではなかった。靴下の足で踏み込めば芝生っぽい弾力がある。弾力の中にたしかな茎の感触がある。どうやら茎も葉も根もある高等植物だ。見た目、感触から思い当たるのはウィローモスである。

ウィローモスは珍種ってわけではないが、いるところにしかいない妙な水草である。私はこれまで3か所でしか確認していない。川之石(いまの八幡浜市)の湧水の溝、金沢市笠舞のアパート脇の水路、高知県仁淀川支流である。いずれも水質良好な環境である。まさか、そんなものが境川本流に?ありえない。というのが正直な感想だった。

水中撮影は何度試みてもダメなので、ひとまずオオカワヂシャじゃないほうのライトグリーンとウィローモスらしい深緑を採集して自慢のTG-1で接写しておいた。この老眼ではなにがなにやらぜんぜん分からない。現場では勝負ができない。接写してTG-1のモニターで見てすら葉の形がわからないという哀れな老観察者なのだ。

さて、写真を持ち帰って大きなブラウン管モニターに映して老眼鏡をかけて眺めると、再びあっと息を飲んだ。オオカワヂシャらしいものはオオカワヂシャでまちがいないだろう。もう一つのライトグリーンは見覚えがある。リシアだ。この近所では番神水という立派な名がつけられた座間の湧水溝で確認している。一般の用水路では見た記憶はない。境川の本流にあるのは意外だが、流域の生育地から破片が流れ着いて定着するようなこともあるんだろうってことでひとまず落ち着いた。

ウィローモスのほうが大問題だ。それは明らかにウィローモスではなかった。しかもその草体には見覚えがあった。かつて試しに家の近所にあったホソウリゴケあたりの蘚類を水に沈めてみたことがある。そのときに水中で成長してきたコケの姿にそっくりなのだ。どうやらこいつは蘚類っぽい。だとしたら大事件だ。

陸に定着している蘚類が増水によって水没して水草の様相を呈することは多い。それはたいへん美しいものだ。北海道富良野の山奥を流れる小さな沢でそんな光景を見たことがある。そこは日本有数の原生林、一方境川は開発しつくされた感があるベッドタウンを流れる2級河川。蘚類にとっては劣悪環境じゃないんだろうか。少なくとも水没しているだけということはない。境川本流は水が絶えない。流域の下水処理水が流れ込んでくるから涸れることはないのだ。

リシアとオオカワヂシャが定着しているのは、この蘚類のおかげと断定してよいだろう。もしかしたら、上和田中学校前の水中オオカワヂシャの手がかりがこいつにあるかもしれない。いったいこいつは何者なんだ? 確かめなければならないことが山積してきた。


2016.8.7(日)晴れ 楽々30km/h巡航

日曜午前はチネリで境川。かなりの暑さになった。さすがに虫も少ない。セミだけは近所の林で元気に鳴いている。サイクリングロードには一時間に1回ほどの頻度でショウリョウバッタが草むらから飛びだしてくるぐらいだ。虫も焼けたアスファルトを歩くのはつらかろう。

自転車でやることは、楽々30km/h巡航の練習。それができれば今日程度(藤沢の気温が35℃)の天気なら平気で走れる。自転車は空冷が効くからだ。その走り方は広めなければならないような気がしてきた。境川サイクリングロードの主役はホビーのおじさんライダーである。けっこう高価な自転車に乗りながら、走り方はまるでなってない人が多い。あれではこんな日は走るだけでもつらかろう。自転車が少なかったのは夏休みの家族サービスのためだと思うが。

上和田中学校前の謎の草はもうちょっと調べてみた。昨日は宮久保橋の上流の堰堤だったが、同じタイプの堰堤が下流にもある。そこにもやはりライトグリーンのぽつぽつを見ることができた。全部リシアのようで、オオカワヂシャらしいものは見つからなかった。水中蘚類は境川では一般的なのだろうか。境川で普通なら他の河川でもあるにちがいない。うかつにも今回発見した堰堤ほど水中蘚類がはびこっている場所を知らない。


2016.8.10(水)晴れのちくもり一時雨 スマホにあきれる

コフキコガネ

ポケモンGOを気にしつつ通勤の道路を歩いていると、足元に転がっているベージュのコガネムシが目に入ってきた。すぐにコフキコガネだとわかった。大きくて美しいのにこの辺の住宅地にも多い。人間で言うとローラが食堂のおばちゃんをやっているようなものか。コフキコガネはとくだん珍しいわけではないけれど、やはり私の本業は虫ポケモンではなく、虫の死体のゲットだからと携帯しているスマホを取り出した。

スマホの撮影は簡単である。カメラアプリを起動してレンズを近づけてピントを探る。接写もシームレスだ。ピンが欲しい場所をタップしてシャッターをタップ。タイムラグは大きいし、朝の日陰だから手ぶれにはちょっと注意。それも補正がかかるからまず大丈夫だろう。という感じで軽く撮ったのが今日の写真。

会社の女の子にも虫の死体を見せてやろうかとスマホの写真アプリで撮影したカットを再生して目をむいた。きれいなのだ。ぶれはない。接写なのに深度もある。日陰なのに彩度が高く色合いがほのぼのしている。擬似的なものだろうけどHDRが効いて陰部がない。

一眼レフで撮るとこうはいかないと思った。実際は道路で死んでいる虫なのだから、からんとした殺伐写真になるところである。一眼レフで撮るとたぶんそうなる。おそらくこのコフキコガネは事故死ではなくやりきった後の死であろうから、そうした雰囲気は望むところだ。グルメ写真のような雰囲気はいくぶん見当違いのおせっかいだ。

せっかくの虫ゲットであるからたまたま見聞録にものせようと、パソコンにコピーして高品質ブラウン管モニターに写してまた驚いた。ぶれてゆがんで荒れて破綻して薄っぺらな写真でしかない。スマホ写真はスマホ画面に最適化された技術が投入されているようだ。これまでもなんとなく感じてはいたことではあるが、得意分野の虫死体写真を撮ってあらためて驚かされた。


2016.8.11(木)くもり時々晴れ まだ秋は先

ウィリエールで境川。経済巡航の練習。半原越だと30分以上かかるぐらいの力かげんで時速30kmを維持する練習。それがサンデーサイクリストが目指す終着点じゃないだろうか。

今日は雲が多く風も北寄りでいくぶん涼しい。追い風だとギアは43×14T。重力だけで進むつもりでも31km/hぐらいになる。心拍計は変な電波を拾っているらしく誤った値を表示するけれど、きっと130bpmぐらいだ。向かい風だとギアは43×16T。それで向かい風の80rpmと同じ感じで回していける。27km/hぐらい。

脚の重さと上半身の重さと、両方をかけて下方向のベクトルだけを頼りに走る。体が楽で、出している力以上に走っている感じがして気持ちがいい。これに有頂天になって高出力練習を忘れていると心身がなまって半原越でひどい目にあう。そこはわかっているんだけど。

川沿いにかわいい赤紫の花が咲いていて、それを萩だと思っていた。その花がカエル飼養所の脇に群生していた。最近更地にしたところだからきっと萩ではないだろうと近づいて見れば、はたして、それは萩ではなかった。コマツナギらしい。まだ秋は先だろう。

往復練習を終えてセブンイレブン裏の水路脇で休んでいると、草むらを歩くテントウムシがいた。ナナホシテントウ。真夏には出歩かないテントウムシだ。涼しいから出てきたのだろうと見ているともう1頭。コンクリートの上を歩き草むらの中にもぐっていった。記念撮影しておくかと、草をかき分けてテントウムシを探れば、脚を縮めて擬死の体勢をとった。そのまま5分以上動かなかった。まだ秋は先なのだ。


2016.8.13(土)晴れ時々くもり 道路のコメツキムシ

コメツキムシ

ウィリエールで境川。今日も経済巡航の練習。境川の風はゆるい。向かい風でもがんばれば35km/hになる。その程度。南寄りだから海風なんだろうか、かなり涼しい風だ。

写真は鷺舞橋休憩所付近の道路を歩いていたコメツキムシ。こういうところを歩くのは危ない。自転車歩行者用の道とはいえ轢かれて命を落とす虫が後を絶たない。現在の事故虫主流はショウリョウバッタだろうか。もうちょっとしたらスズメガになって秋にはカマキリだ。このコメツキには1匹のアリがかみついていた。コメツキもそれでちょっといらついている感じだった。アップの写真を撮っていると地面の水をなめはじめた。私の汗だった。

今年はクマゼミをよく聞いている。境川にも2か所ばかりクマゼミポイントがある。宇都宮さん宅の林から毎朝クマゼミを聞く。複数同時というわけではないが毎朝クマゼミを聞くのは久しぶりだ。わが家のジューンベリーはすっかりアブラゼミの生息木になっているようだ。常時3頭ぐらいは止まっている。そいつらが鳴くのかどうかしばらく気になっていた。早朝に姿は見ていたものの鳴いているかどうかの確認はできなかったのだ。女房の観察は全く当てにならない。昨日の朝、近所でミンミンゼミが鳴きはじめて、それを「アブラゼミ?」というぐらいの虫知識だ。ついでに「今年はアブラゼミが少ない」というのが彼女の観測である。庭のジューンベリーでアブラゼミが鳴いているのかどうか尋ねても無駄というものだ。いままさにいい勢いで鳴いている。


2016.8.14(日)晴れ時々くもり オオカワヂシャが咲く

オオカワヂシャ

ナカガワで境川。日曜午前恒例の巡航練習。風もゆるいから力を出す練習はしない。内心ちょっと安堵している自分がかわいい。

境川周辺の田では稲のみのりが進んでいる。今年も作況は良さそうでめでたい。田んぼ脇の草むらからエンマコオロギが聞こえてきた。そういう季節なんだなと思う。カネタタキは渋谷でしか聞いていない。自宅付近ではちょうど終戦記念日に合わせて聞く声のような印象がある。

風は北寄りでいくぶん涼しい。台風のおかげだろうか。路面に転がる虫も少ない。セミがいくつか目に付くだけだ。セミはいたとしてもミミズについで見ぬふりををする虫だ。やたらと多いのでいちいち相手にするわけにはいかないのだ。鳴いているから存在は確認できる。ただ今日は思うところあってミンミンゼミを撮っておいた。それなりにがんばった感が漂う個体だ。セミは天寿を全うした死体を目にすることが多い。やたらといるだけに。

思えばミンミンゼミは貴重品だった。子どもの頃、近所に希で一夏に一度見るか見ないかという希少種だったのだ。小学生の私はミンミンゼミを聞くといてもたってもいられなかった。学校の授業中、窓の外でミンミンゼミが鳴こうものならたいへんだ。もともと興味のない勉強は完全に上の空で、いち早くセミ取りに行こうとそればかり考えていたものだ。

そういう昔話を思い出しているとメル友からメール。アゲハを墓場で見て幻惑感があったという内容。チョウは人を惑わす。ごく希に誰かの生まれ変わりが混じっているようだ。そんな気分は幾度か経験がある。そういや北杜夫の幽霊にはウラギンシジミがそんな登場をしていたな・・・と鷺舞橋の水飲み場に行けばそこにウラギンシジミ。携帯を持って近づけばサービス満点の個体だった。10cmの所から撮って写メ。

蝶を撮ったついでになにげに湧水を見に行った。橋の上からいつもの水辺を見下ろせば薄紫の花。なんとオオカワヂシャだ。ミゾソバを押しのける感じでやや深いところを占領している。やっぱり湧水は変だ。他の所ではオオカワヂシャの気配はない。宮久保橋の堰堤以外では。


2016.8.20(土)雨のち晴れ時々雨 花がない

昨夜からの降りしきる雨の中をナカガワで境川。サイクリングロードを走っていると茶色い小カエルがぴょんぴょん跳んで来る。とくに遊水地公園下流の東西橋あたりで多い。田んぼの方を見ればビニールハウスの横に湿地らしい草むらがある。そこが発生源なのかもしれない。

茶ガエルの種を特定しようと気をつけて眺めると、ヌマガエルの特徴らしい頭のVラインが見つかる。子どもの頃から慣れ親しんだツチガエルとはずんぐりした感じもちがっている。おそらくヌマガエルなんだろう。今日は少しだけ鳴き声も聞いた。本格的なコーラスではない。

雨は1時間ほどでやんで強い日が射してきた。北の方にはけっこうなサイズの入道雲がある。降ったりやんだりになるようだ。気温が高く雨は苦にならない。52×16Tを中心に体重だけで走るやり方の習熟につとめた。今日は時速15kmの北風ベースで追い風では52×17Tは軽すぎた。向かい風では52×17Tはやや重く、体重だけでは80rpmに達しない。引き足を使い下腹に力を入れて踏めば容易に80rpm出せる。ついに私も52×17Tが使えるようになったのだろうか。

予想通り雨は降ったりやんだりで快適に練習ができた。ちょっと気になって鷺舞橋の湧水を覗いてみた。すると驚いたことにオオカワヂシャらしい花が全く見つからない。夏の花期が終わってしまったのだろうか? 春に較べて短すぎるようだけど。それによくよく見れば、湧水のオオカワヂシャっぽい草は浮き草状態のようだ。草がある場所の下はコンクリートで、薄く泥が堆積しているにすぎない。根もよく見えている。なにが起こるかわからない。毎週覗かねばなるまい。

強い冷たい雨に見舞われたのは1度きりだった。それも高鎌橋のあたりだけで白旗のほうはぜんぜん降ってなかった。ただ多摩ではかなりの降水があったらしく境川は濁流になった。水中蘚類のある堰堤も1mほど増水した水が勢いよく流れている。さてこの増水でオオカワヂシャなんかはどうなるんだろう。じつは内心、この堰堤で種から育ったオオカワヂシャが増水で流され、下流の緩やかな流れで川底に沈んで定着するのだと予想しているのだが。


2016.8.21(日)晴れ まさかの環水平アーク

遊水地公園

今日も雨かな? と思っていたら朝からいい天気だ。けっこう暑い。日曜午前の練習だ――とナカガワで出かける。境川サイクリングロードで飽きもせず例の体重をかける練習。

境川は昨日1mばかり増水していたが、水量はほぼ普通にもどり濁りもかなりとれていた。深山幽谷の流れのように増水が早いが引くのも早い。

ウスバキトンボは246の下あたりけっこう群れている感じがあった。晩夏のはざかいで道に出てくる虫は少ない。ショウリョウバッタが2、3轢死してセスジスズメが1匹歩いている。草刈りが入ってツユムシの類が草刈り機に追われて飛びだしてくる。カマキリも1匹飛んできた。今年はじめてみる成虫だ。草刈り機の一撃が入ったらしく虫の息だったものの記念撮影はしておいた。

青空に巻雲が多くそわそわする。環水平アークが出るんじゃないかと気が気でない。そして午後1時、ついに出現!とはいえ環でも水平でもアークでもない微妙な虹色。今年はこんなのばっかりだけどと記念撮影。探すのだけはうまくなった。近々すごいのを見つけられるだろうと自分に期待しながら。

虹色が見られたのはほんの数分。その雲は乳房雲状に垂れ下がってきた。巻雲にしては珍しい。高空の氷晶は南に向かって流れているものが多いが、西も東もあってばらばらだ。地上は南から吹いてくる。風がたいへんなことになっているみたいだ。太平洋には奇妙な台風が3つもいる。その影響なんだろうか。

予想通り午後には境川の濁りもとれた。増水の影響を見ようと謎の草の堰堤に寄ってみた。ひっかき傷のような跡はみられたものの、オオカワヂシャなどは健在だ。1m程度の増水では大きなダメージはないようだ。今後、オオカワヂシャが成長してどうなるかが見物だ。


2016.8.22(日)雨のちくもり 台風とクモ

ジョロウグモ脱皮殻

台風がやってきてまず心配になるのはジョロウグモのことだ。

今年はわが家にジョロウグモが多い。ムクゲの下などは歩けないほどに巣が張ってある。奥にいるクモを見ようと迂闊に近づいてしまうと手前の巣を壊すという状況だ。

こうなると数年来の希望がかなう可能性が出てくる。さあジョロウグモの脱落した脚は再生するのだろうか。ジョロウグモはかなりの頻度で脚のもげた個体を目にすることができる。私の庭でも1割から2割に達するのではないだろうか。その脱落の原因が同種の喧嘩なのかどうかとか知りたいことはある。けれど一番は再生問題だ。

ジョロウグモは巣にこだわるクモだということが明らかになっている。また、写真のように脱皮殻を巣に残して脱皮する。この写真は8本脚のものの脱皮殻だ。もし、ジョロウグモが欠けた脚を脱皮で再生させることができるのなら、7本あるいは6本脚の脱皮殻を残して、巣には8本脚の個体が居座るはずだ。辛抱とラッキーでなんとかなる観察だ。

いまのところ、脚の欠けたものが欠けたまま脱皮した例すら目撃していない。ジョロウグモは脚が欠けてもけっこう元気に振る舞っている。しかし次の脱皮にまでこぎつけるのは難しいのかもしれない。これまでは目をつけた幼虫のすべてが次第にやせ細り姿を消す結果だった。

ジョロウグモが成長を続けるのは簡単ではないけれど、なるべく多くの個体が生き残って欲しいと願っている。ひとまず目星をつけている脚欠けは今日の台風を乗り越えた。


2016.8.23(火)晴れ オオカワヂシャ消失

ヒメムカシヨモギ

台風による増水の影響が気になって境川に行ってきた。台風とは関係ないが新道大橋でオオアレチノギクを見つけた。この花がけっこう好きだ。

例のスッポンはやはりいた。いつもの所よりもやや下流のコンクリブロックの上で日なたぼっこ。何事もなかったかのようだ。スッポンがどうやって激流をやり過ごすのだろうか。

鷺舞橋の湧水オオカワヂシャはことごとく消失していた。越流堤を乗り越えた水は湧水付近でも3mほどの水深になる。流れはそれほどでもないかもしれないが、もしオオカワヂシャが浮き草であれば簡単に流されてしまうだろう。

一番気になったのは宮久保橋の上流の堰堤だ。あきらかに草がなくなってコンクリートがむきだしになっている。リシア、オオカワヂシャは一本も確認できない。堰堤の斜面には少しだけ濃い緑が見える。水中蘚類は少し残っているのかもしれない。復旧できたとしても相当の時間はかかるだろう。

横浜市水防災のページによれば台風の最高水位は高鎌橋で379cmだったらしい。そうなると水だけでなく水底は砂礫が転がるだろう。堰堤のコンクリに張りついている植物が耐えられる増水ではないのだ。


2016.8.31(水)晴れ スズメ

さて今日はウィリエールで境川。日本海で温帯低気圧になった台風10号の影響か南風がずいぶん強い。こりゃ金沢や新潟はさぞかし暑くなっているだろうなと思う。

練習は相も変わらず体重で走ること。向かい風はきついけど80rpmを守って25km/hぐらいで走れば、30km/h巡航といっしょだ。この点では向かい風はぜんぜん問題にならない。ただ登りになると同じ調子で80rpmで走ることができなくなる。いくらギアを軽くしても登坂の抵抗には対処できないのだ。

セミの主役はツクツクボウシに移ってきている。セスジスズメがずいぶんと道路を出歩くようになっている。自転車の数は多くないのにつぶされた幼虫がけっこう目に付く。けっして踏みつぶして愉快な相手ではない。好んで轢く者はいないだろうから、それだけ幼虫の数が多いということなのだろう。

いつも休んでいるセブンイレブン裏に若いスズメが死んでいた。サイクリングの途中に鳥の死骸をみることは多くない。死んでいたのは2頭で今年生まれと思われる個体だ。外傷はなく自然死ではなさそうだ。毒を食ったのでなければいいがと心配になる。ちょうどスズメがつかのまの害鳥になる季節をむかえている。


2016.9.1(木)晴れ 繁殖の準備に入る

ジョロウグモ

毎朝の観察を欠かさない庭のジョロウグモ。一番の願いは脚欠けの復活確認だが、それがかなわないまでもいろいろ気づくことはある。

夏も終わりになって慣れ親しんでいたジョロウグモが次々に見つからなくなっている。事故死もあるし衰弱死もあるだろう。ただ一番の理由はオスの行動の変化だと思われる。

幾つかの巣には数頭のクモが同居しているのが見られる。これはメスの回りにオスがついている状態だ。下にいるのがメス、上にいるのがオスと見てまちがいなかろう。オスはこれまで張っていた巣を放棄してメスの巣に移動してきたのだ。これが観察を続けているクモが突然いなくなることの原因だ。

いよいよわが家のジョロウグモが繁殖の準備に入る季節になった。これまでの観察でオスの移動は頻繁だとわかっている。オスは生涯特定のメスに付くわけではない。まだメスは小さくて一回り小さいオスとの区別もつきにくい。この先、どんどん獲物をゲットしてぐんぐん成長して欲しいものだ。


2016.9.3(土)晴れ 引き足練習

ナカガワで境川。今日はやや強い北風が入ってきていた。台風の影響だろうか。向かい風練習にもいいのだが、いま巡航を極めようとしており、なるべく力を使わないように走ってみた。

今日のホイールは13-19でフロントは52-42だ。向かい風で52×17Tは重すぎた。リア18Tでもやや重く、80rpmでは力を使いすぎる。それでこちらのギアテーブルにあるように、インナー42Tの出番だ。42×15Tだとアウター18Tよりも軽くアウター19Tよりは重い。場所によっては風がいっそう強く、もっと軽いギアが欲しくなる。42×16Tだとアウター19Tよりも軽くなり、今日はそれ以上のギアは必要なかった。最低速度は25km/hほどだ。

体重を使うだけでは無芸無策なので、下死点での引き脚の練習をすることにした。引き脚のポイントは前脚にじゃまされないことにある。前脚はふくらはぎも太ももも力を脱力して自然に落とすことを心がける。脚に力が入っていると、せっかく後ろ脚を引いても前脚でひっかかる恐れがあるからだ。

もう一つのポイントは、引き脚はあくまで太ももを上げる力で引くことだ。足を後ろに引くためには膝を曲げる筋肉であるハムストリングの力が必須になる。ただし、その曲げる力で引こうものなら、数分で攣ってしまうのがオチだ。ハムストリングはあくまで支えにすることを意識した。引き足がうまく使えると、75rpmのところで80rpmまで行けるような気がする。

また、上死点の手前でサッカーのボレーシュートのように足の甲でペダルを蹴り上げるような引き足もある。そいつも併用して走るのは上級テクで、はなっからできるような気がしない。


2016.9.07(水)晴れ コメヒシバの花

コメヒシバ

9月1日の朝、庭で見慣れぬ花を見つけた。垂直に立った花穂に小粒のピンクの花がならんでけっこうかわいい。見た覚えのないものだがイネ科の花ということは確実だ。まずはササガヤだと思った。庭に一番多いイネ科でそろそろ花の季節だからだ。ピンクの花に覚えがないのは、これまで見落としてきたせいだろうと思った。

しかし、よくよく記録をたどってみれば、ササガヤの花はピンクじゃなかった。花穂の形もちょっとちがう。じゃなんだろなと、ネット検索をしてみればヒメアシボソっていうのが一番近そうだった。草の種類が少ないわが家に新しい草が入ってきたのなら歓迎すべきことだろう。

そのまま3日が過ぎた。さて、そのヒメアシボソ?が咲いている付近にはコメヒシバが多い。コメヒシバの群落のなかにぽつんと1本だけヒメアシボソが生えている・・・と気づいて、さすがにぼんやりとした植物観察者も奇妙だと思った。

その気になって注意深く見るならば、1日には1本に見えた花穂が2つに分裂している。周辺のコメヒシバの花穂には、伸び始めたもの、分裂しはじめたもの、分裂しきったものと、ピンクの花の使用前使用後がちゃんとあった。それらは葉の形状などから全部コメヒシバだとわかる。さらに注視するなら、コメヒシバのすっかり分裂した花穂にだって、ピンクの花の残骸がついているのだった。やはりヒメアシボソではなくコメヒシバだ。

コメヒシバはその辺の地味が悪そうな道端に雑草然としてはびこっている。葉がきれいで好きな雑草だ。その花はネジバナっぽいかわいらしいものだった。


2016.9.09(金)晴れ 水槽の糞

コメヒシバ

今朝、田んぼ水槽にコナギの花が咲いていた。初咲きのようだ。コナギ程度のものでも花が咲くというのはうれしいものだ。園芸家の気持ちもわかるような気がする。

田んぼ水槽といえば、写真にあるように、茶色の塊が多数沈んでいるのを見つけた。4日前のことになる。一見して何かの糞だろうと思ったのだが、わざわざ水槽に糞を落とすその主に見当がとんとつかない。卵かもしれないのだが、水槽程度のものに無造作に大きな卵嚢を産み付けるヤツってのも糞以上に不明だ。

今朝、その数がぐんと増えていた。そしてその正体がひょんなことから明らかになった。毎朝、2階の窓から観察撮影しているジューンベリーがいつの間にかひどいことになっていたのだ。2枝分の葉が暴食されて丸裸になっている。食った犯人は大きな毛虫たちで、おそらく蛾の幼虫だろう。別の枝に移って肥え太っている。

田んぼ水槽はぎりぎりジューンベリーの枝の下に位置しているから、毛虫の糞が落ちたものに相違あるまい。それにしてもすごい量だ。もはや水槽の底面一杯といって過言ではない。

さて、ジューンベリーはひどいことになり、田んぼ水槽も放置すれば水が腐って壊滅するだろう。その残念さよりも、ジューンベリーで正体不明の毛虫が成長したことの嬉しさのほうがまさっている。この辺が園芸家の気持ちにイマイチなりきれないところだ。


2016.9.10(土)晴れ 秋の境川

ヒガンバナ

ナカガワで境川。サドルをSLRに換えたこともあり、高さ角度の調整をしながら巡航練習。境川周辺では稲刈りがはじまり、ヒガンバナが咲いてモズが鳴く。

巡航練習で最近のマイブームは引き脚。下死点付近で足を後ろに引く技だ。以前からそれはやっていたのだけど、今日のはちょっとちがう。30km/h巡航は引き足なしでいける。引き足を使えば向かい風でもいける。引き足を使うときに注意しなければならないのは、前足の脱力。これまでの引き足練習では、前足を踏み込んでいた。そうやると普通の向かい風練習になってしまう。

30km/h巡航では前足は脱力させている。そこがポイントだ。それは生かして、前足脱力+後ろ引き足にするのがマイブーム引き足。30km/h巡航をベースにして、いろいろな力を加えて、ちょっとずつスピードアップをはかる計画。

さてこれが笑っちゃうぐらいうまくいかない。はじめのほうはうまくいってもいつの間にか前足に力が入っている。ちょっと向かい風が強くなれば、無意識に引いて踏んでいる。私のせいなのか人間の限界なのか。私のせいなら鍛え込んでいけばよい。結局だめだったら人類の限界ということにしておこう。

帰宅して田んぼ水槽をみれば、蛾の糞がとけて水が真っ赤だ。さすがにこれじゃいかんと水を入れ替えて、糞が落ちない場所に水槽を移動しておいた。庭もそろそろ秋モードにしなければならない。といってもクロナガアリの巣の周辺の草を刈って撮影をしやすくするだけのことだ。私のアリたちは夏を無事に乗り切っただろうか。


2016.9.11(日) 雨の境川

ジョロウグモ

ナカガワで走る雨の境川。気温が高いからアンダーウエアだけで雨合羽は使わないことにした。雨だと道路が空いているのが一番うれしいところ。次にうれしいのが雨の虫。

写真は鷺舞橋の休憩所付近に多いジョロウグモ。すでに成虫♀が現れている。ふりきしる雨の中でジョロウグモ得意の雨ポーズ。雨粒を速やかに流す姿勢と見ている。

アスファルトに出てくるのはセスジスズメが多い。雨のときしか見つからないカタツムリにカエルも出てくる。セミはなりを潜めているけれどコオロギはよく鳴いて、雨の日でも賑やかだ。

道路の白いフェンスにはハシブトガラスがぽつぽつ止まっている。青光りする羽に水滴がついてちょっとおしゃれ。自転車を止めると近づかせてくれないが走っているときはあまり逃げない。無害な移動者と認識されているようだ。シロバナのヒガンバナを見つけて撮影しようとすれば、TG-1が痛恨の電池切れ。携帯電話で撮ったものの画質が悪い。シロバナのヒガンバナはこの辺では珍しくない。人為的に畑の脇に植えられているものとみえる。

246号線付近にある下水処理場から少し下った所にある堰堤でも水中蘚類を見つけた。ウィローモス的な水中蘚類はけっして珍しいものではないようだ。先入観でないものと思い込んでいたのかもしれない。

採集しやすい場所にあるので持って帰って来た。自慢のD300sスーパーマクロで撮影したが、しばらく使っていなかったもので使い方を忘れていたのにはあきれかえった。電池も切れかかっていた。ついでに、CFカードに記録がなくあわててレスキューしても新撮ファイルが見つからずあせってしまった。D300sはダブルスロットで、SDカードの方を優先して記録する設定にしておいただけだった。

夜にエンマコオロギを聞く。庭でのエンマコオロギは久しぶりだ。捕獲して飼育したのを除けば10年ぶりぐらいかもしれない。


2016.9.15(木)雨のち晴れ 乗っ取り疑惑

ジョロウグモ

ときおり強く降る雨がしばらく続いており、ジョロウグモのようすが気になるところだ。早朝にも雨は強くふっていたが8時ごろにはすっかりやんだ。

そこでいつものようにオリンパスE-30を持って庭のジョロウグモのところに出かけた。ムクゲの下にはオスメスあわせて10頭以上がいる。その中で手前の3頭のメスを重点的に見ている。理由は単に撮影しやすいということだが、一番手前のメスが足欠けで7本脚だったからだ。

今朝そいつを見れば8本脚になっている(写真)。脚が1本増えた原因として、脱皮で再生したと思いたいところだが、状況がどうにもそれらしくない。第一に巣に脱皮殻が見当たらない。体が大きくなっている感じがしない。再生したかもしれない脚が立派である。

その代わり、3頭のうちでは一番奥のメスの脚が1本欠けていた。ただし、欠けた脚が違うので入れ替わったわけではない。こうなると、ジョロウグモは巣の乗っ取りをするんじゃないかという気がしてくる。これは以前からうすうす感じていたことだ。

ジョロウグモは張った巣に固執するクモだ。調子よく獲物がかかっていれば、増改築しながらどんどん巣が立派になっていく。獲物がかからないからといってすぐに巣をあきらめることはない。こちらが心配になるほど巣に張り付いて衰弱していく。

しかし、死ぬまで動かないということがあるだろうか。手近によりよい場所をもとめて、他人の巣に行き着くことはないだろうか。とくに今年のように密集している場合はありがちな気がする。よりよい場所を求めて元の主と戦い、勝ったほうが巣の所有者となることがありうる。そしてジョロウグモに見られる足欠けの割合の高さは巣の取り合いでケガを負うためとも考えられるのだ。

検証には、巣の乗っ取りの一部始終を目撃するのが確実だが、密度と足欠けの割合を数学的に見て状況証拠を集める方法だってある。


2016.9.17(土)晴れのちくもり 自分にがっかり

ジョロウグモ

ひさびさにウィリエールを使って境川を走ってきて、いそいそと庭のジョロウグモを撮影した。ふだんはE-30を使っているが、単に記録が必要なだけだからと、自転車に携帯しているTG-1を使って撮った。16時半ごろのことであった。

そこにいたのは変哲もないジョウロウグモのメス。ムクゲ下の一番手前のメスである。はて?なんでこんなものをあわてて撮る必要があったのかと疑念が湧いたが、ひとまず記録は撮っておいた。TG-1でクモの接写はけっこう難しい。

足元を見ればアカマンマのつぼみがピンクにふくれている。いよいよアカマンマの咲く季節になった。これも撮っておこうとTG-1で接写を試みるも、どうにもうまくいかない。こりゃやっぱり自慢のスーパーマクロが必要だなと、SB-29仕様のスーパーマクロを持ち出せば、ストロボの電池切れ。こりゃだめだD300sスーパーマクロを持ってこようと、なにげにジョロウグモを見れば脱皮が完成している。

さっき撮ったときには脱皮前だった。いいとこを見逃したなとちょっと残念ではあったが、まあそれだけのことだ。ジョロウグモの脱皮は未見ではない。がっかりするようなことでもない。さっき8本脚だってことも確認している。逆にこれを脚欠けだと思い込んでいたら狂喜していたところだ。だまされずに済んだぞと、D300sスーパーマクロとE-30をそそくさと取ってきて、アカマンマと脱皮後のジョロウグモを首尾よく撮影した。

さて、いろいろなカメラを駆使して撮った今日の写真を整理していてふと疑念がわき起こった。どうしてジョロウグモを撮っておかねばと思ったのだろう。手前のメスは8本脚で、それは先日に入れ替わったことを確認している。毎日の記録は取った方がよいものの、わざわざ決意してまで撮る対象ではない。

すると自転車練習の出発前、今朝の記憶がおぼろげによみがえってきた。手前のメスの脚が7本に欠けていたんじゃなかろうか。また入れ替わった証拠を目撃してちょっとうれしかったような・・・そんなことはなかったような。ま、TG-1だと撮りにくいし後でE-30で撮りゃいいやと帰宅後に撮影することにして、いざ撮ってみれば8本脚で拍子抜けしたような・・・それもTG-1で。

もしそういう大事件を目撃して記録しなかったのなら心底愚かなことだ。朝には脚欠けの個体が巣を乗っ取っており、午後には元の所有者か別の8本脚が乗っ取りかえして首尾よく脱皮した可能性があるのだ。いまとなっては記憶はあいまいで記録はない。ほとほと自分にがっかりする事件だ。こういうことがどんどん増えている今日この頃である。


2016.9.19(月) オオカワヂシャが見つかる

オオカワヂシャ

宮久保橋の堰堤に見える緑は週を追うごとに濃くなっていく。コンクリートばかりが目立っているときは、復活しないのではないか、しても何か月かかかるんじゃないかと心配していたが、それは杞憂だった。今日はおあつらえ向きに弱い雨。どのみちずぶ濡れだから川に入るのに決心がいらない。クリートの靴を脱いで護岸を降りていった。

今日程度の雨なら境川は濁流になるほどでもない。水量は5センチアップといったところだ。いそいそと川に入って謎の草の様子を調べてみるならば、予想以上にヤナギゴケが復活している。長いものでは10センチ以上あるだろう。なかなかしぶとい草だ。TG-1を流れに沈めて撮ろうとしても流速がきつくて被写体ぶれが大きい。おまけに水中はオートフォーカスが効かない。水深が増えて被写体までの距離がとれるから、もしやと思ったトライアルだが失敗写真のオンパレードだった。

例のやつらはいるだろうかと、堰堤の上を歩き回って探した。リシアは3つばかり小さなのが見つかった。そしてオオカワヂシャらしいのも1つだけ見つかった(写真)。

問題は、こいつが台風に耐えた生き残りなのか、秋の実生なのかということだ。いまは判定のしようがないけれど、この先同じようなものがいくつか見つかれば実生と断定できるだろう。生き残りならば速やかに茎を伸ばしているはずだから。

オオカワヂシャは喜ばしいとして、今日の写真を整理して気になったのは写真右のほうに見えるパラシュートみたいなやつだ。クモの巣が川の流れをはらんでいるような形状をしている。この写真だけでなく同様のものは他の写真にも写っている。それがおびただしい数にのぼるのだ。サイズは親指大程度のものだ。撮影しているときにはこんなものの存在には全く気づかなかった。

これはなに者かが意図をもって製造しているものではないだろうか。トビケラの中には水中に網をはって餌をとるものがいる。そういう虫が境川に生息しているのだろうか? 大型の川虫がいるような川とは思えないのだが。


2016.9.21(水)くもりのち雨 雨の恩恵

ジョロウグモ

雨のサイクリングには写真のような特典がついてくる。糸に雨滴がついてジョロウグモの巣が見つかりやすいのだ。雨滴がつくのはきっと横糸だろう。おそらく獲物を捕まえる粘球が雨滴もつかまえるのだ。こうなるとなかなか把握しずらいジョロウグモの巣の構造が少し見やすくなる。

2頭のメスが足場の糸を共有して巣を設けている。ジョロウグモは垂直円網の裏(または表)に不規則な糸を張り巡らす習性がある。クモの背にあたるのが不規則構造にあたるのか、また腹のほうがそうなのか、どちらでもいいのかも私にはよくわからない。人間である私の目には普通の巣でもややこしい。このように接近している2頭はだいじょうぶなのだろうか。

クモの巣の張り方をみれば計画性をもって合理的に作業しているようだ。少なくともその作業に迷いや失敗は見えない。近接したこの巣だって増改築は合理的に進んでいるはずだ。ただそれはあくまで自己完結の合理性だろう。虫けらのことだから社会環境に応じた合理性を意識しているわけではない。

クモたちは自分が張った糸と他人の張った糸の区別はつくのだろうか。張った覚えがない糸に足を取られて舌打ちするようなことはないのだろうか。自分の巣を勝手に足場にされて迷惑なことはないのだろうか。とりわけ隣人の巣に獲物がかかった場合は心中穏やかではないだろう。隣人の円網に侵入して横取りをするような行動もあるのだろうか。

週一の通りすがりの観察者では、いういうラブリーな状況を見つけても継続観察することはできない。最近ではジョロウグモを見つけると脚の数を数えるのが習性となっており、この写真の巣のそばでも6本脚の立派なメスを見つけた。その出会いもまた一期一会の通りすがりでしかないのだ。


2016.9.22(木) 引き足練習

堰堤

ウィリエールを駆って境川へ。けっこうな雨だから久しぶりに合羽を着てきた。先日見つけたパラシュート状の物体の正体を確かめられるといいな・・・などと甘いことを考えていた。しかしながら、写真のように境川の濁流は堰堤を流れ落ちている。午前中は80cmほどの増水があった。たいしたことなかった台風の影響はそれなりに尾を引いている。

これでは観察どころではない。「川の様子を見に行って流される」というのはよく聞く話だが、私がここで流された場合、いったいあいつは何をしに川へ入ったのか、という疑問が世間のみなさまに持ち上がるだろう。

雨はけっこうな降りで、ランニングの練習をしている人も歩いているお年寄りもいない。ましてや自転車なんか1台も走っていない。練習し放題ということで、追い風も向かい風も引き足の練習。とにかく体重がかかるときに脱力し、それ以外の所で力んでペダルを回すことを心がけた。脱力も力みも言うは易く行うは難い。


2016.9.23(金) 近接クモその後

ジョロウグモの巣

19日に発見した近接ジョロウグモの巣。昨日木曜に再チェックしてぎょっとした。というのは、上の方のメスが行方不明で、その巣までもが消滅したと見えたからだ(写真)。ジョロウグモは巣を食べないタイプのクモだと思い込んでいるので、いったい何事かとどぎまぎしたのだ。

しかしよくよく観察して見るならば、垂直円網は残っている。糸に水滴がかかっておらず横糸が透明になり、巣が消え失せたかのように見えただけだった。雨があがって2時間ほどが経過しており水滴が蒸発したようだ。

そして、主はどうしたのかなともっと近づいてチェックするならば、下の方のメスのそば、補強糸にジョロウグモっぽいものがぶら下がっている。もしや食われたか? という疑惑が発生して再びどぎまぎした。冷静に考えて脱皮殻という可能性もある。しかし19日の観察を思い起こしても脱皮殻がかかっていた覚えはなかった。ともあれ記録だ、とTG-1のズームをいっぱいにして脱皮殻or死体を撮っておいた。

帰宅してパソコンモニターでチェックするならば、それは明らかに脱皮殻だった。ジョロウグモが死に至る喧嘩をすることの証拠が得られず内心安堵した。ジョロウグモはほとんど友だち扱いになってきた。

さて、消滅といえば近接巣の近くにいた6本脚の姿もなかった。ご本尊ばかりか巣まで消え失せ、足場糸の残骸が認められるだけだ。こちらは事件事故による消失とみられる。


2016.9.24(土) やりきって死ぬこと

ギンヤンマ

ウィリエールで境川へ。午前中はくもりで午後からはけっこう降るという予報だ。きっと冷たい雨ではないだろうと、雨合羽は置いてきた。そのかわり冬用の長袖ジャージにはしておいた。

境川はめずらしくも無風。北寄りの風がほんの少しだけ吹いている感じだ。止まっていると風を感じないが、自転車で走ると追い風向かい風がはっきりわかる。

今日は押し引きの足を使わず30km巡航に終始することにした。ギアは追い風で43×14T、向かい風で43×15T。パワーメーターなんていうハイテク装置は持っていないけれど、出力は耳で分かる。風の音が、ほおおおおと聞こえるぐらいの速度を80rpmで維持すればよいのだ。風音と雨音、それに路面をこするタイヤの音。雨の日の午後、境川は貸し切り状態だ。いつもの土曜ならわんさかいる自転車乗りはどうしてこんな暖かい雨を避けるのだろう。100kmちょっとで実走行平均速度は26km/h。天気のいい日よりも1km/hアップになる。

写真はギンヤンマ。境川の本流はギンヤンマの生息にはむかない。ただ付近には蓮の池や水草も多い遊水地があり、ギンヤンマはけっこう見ている。この個体はカエル飼養所近くのアスファルトに転がっていた。道路の真ん中だったもので撮影用に道端に寄せれば力弱くむずむずと抵抗した。事故ではなく、やりきった末の衰弱死を迎えようとしているのだ。人間で言えばちょうど私と同い年ぐらいだ。


2016.9.25(日)晴れ 痕跡も残さない

ジョロウグモ

写真は今日の近接ジョロウグモの巣である。19(月)に見つけた巣を木・土・日と連続して見ることができた。連休というのはありがたいものだ。整理すれば、月曜には仲良く2頭のメスが並んで巣を作っていたが、木曜には上の方のメスが行方不明になった。「食われたか?」と疑ったが、それはなかったようだ。そのときには、上の巣はそのまんま残っていた。

そして土曜にチェックしたときは、消えたメスが張ったはずの横糸がすっかり消えているように見えた。雨ではあったが降りが強くて巣に水滴がつく状態ではなくただ見えないだけかもしれなかった。ひとまず撮影してチェックするとやはり8割方が消失しているようだった。

丸一日たって今日の午後にチェックすると行方不明メスの横糸は完全に消失しているようにみえた。垣根越しにできるかぎり角度を変え慎重に観察しても見つからない。横糸は跡形もなく消えた。もともとそこにクモなんかいなかったかのようである。これはいったいどうしたものか冷静に考えてみなければならない。

ジョロウグモ

左の写真は昨日撮ったものだ。降りしきる雨の中では防水のTG-1といえど撮影難易度が3段ぐらいアップする。水滴はつくはレンズはくもるは背面の液晶モニターがびしょ濡れでただでさえ困難なピントの確認なんてできゃしない。

それはともかく、赤四角で囲った部分にはかろうじて横糸が写っている。消失メスが張ったはずの横糸の残骸だ。

これが撮りたくてどれだけ雨の中で粘ったことか。

今日は天気がよくて糸がよく写るアングルが可だった。糸は全体的によく見えているが、消失メスが張ったとおぼしき横糸は一切見えない。とくに赤四角で囲った所には昨日は横糸があったはずなのに全く見えなくなっている。これは消えたメスの張った横糸か、または垂直円網全部が撤去されたと結論していいと思う。

ジョロウグモの巣から、補強糸や足場糸を残して横糸あるいは縦糸も撤去するのは人間業ではない。どう考えたってこれはクモの仕業なのだ。そのクモとは何食わぬ顔で巣に静止しているメスにちがいない。やはりメスとメス、近接するのは気にくわなかったようだ。本体がいなくなれば残った円網は活用すればいいようにも思うけど、ジョロウグモはそうしなかった。自分の円網に獲物がかかることの障害になるという判断はないにしても、余計なものとして速やかに完全に取り払ったのだ。


2016.9.26(月)晴れ 残っていた痕跡

ジョロウグモ

昨日撮った巣の写真をくわしく見た。本当に円網がなくなっているのか、なくなっているとすればどこに行ったのか? そういうことをもう少しでも明らかにしたいのだ。

そして発見したのが矢印の先にあるもの。それは畳まれた巣の糸に違いない。もしこれが居残っているメスの仕業だとすればいろいろ想像が膨らむ。ジョロウグモは糸を食べるのでもなく落として捨てるわけでもないようだ。さらに単に切断するにまかせたならばこうして一か所に集まることはないから、丁寧にたたんで足場糸に巻きつけたと考えられる。ジョロウグモは巣にこだわり、横糸の張替え作業は頻繁にやっている。横糸はもともと弱いのかもしれないし、粘球の効果持続時間のせいなのかもしれない。その作業の延長線上に今回の円網撤去があるのだろうか。


2016.9.27(火)晴れ 飼育にチャレンジ

よそのクモはともかく、一番気がかりなのは庭の7本脚だ。目をつけていた足欠けたちは次々に姿を消して残るのは7本脚1匹となった。それも稼ぎは良くないようで餌を食べているのを見たことがない。日に日にやせ細っていくようだ。

かくなる上はと、意を決して飼育にトライしてみることにした。いずれにしてもダメなのなら、少しでも可能性のある方に賭けて失敗するほうがマシだ。狭い塩ビかアクリルのケースでナガコガネグモ系のクモを密集飼育していたインドネシアのおじさんに倣うことにした。いろいろな困難は予想された。一番の心配は給餌だった。ジョロウグモは生き餌しか食えないのだ。私にはジョロウグモに刺し身や鶏むね肉を食わせる技術がない。

飼育容器はかつてアマガエルを飼育していたプラケースにした。ホームセンターで売ってる安い虫カゴで一番大きかったやつだ。それにモッコウバラの枝を切って入れ足場にした。捕獲した7本脚を入れるとすぐにケースの天井付近に落ち着いた。

一晩おいて網を張っていることを確認し、朝に庭でつかまえたガとヒゲナガバチを入れた。そいつらもかわいいのだが、背に腹は変えられぬ。夜になっても、ガとハチは網にかかっていなかった。やはり給餌にはなんらかの細工が必要かもしれないと思った。もちろんその細工も頭のなかでは考えている。

ところが、出勤時に捕まえたイチモンジセセリを追加して入れると、すみやかに網にかかりクモが捕獲、食べ始めた。虫によっては狭い飼育ケース内の網にかかりやすいものもあるようだ。

今朝になって食われたイチモンジセセリの亡骸はケースの底に転がっている。セセリを食ったクモはケースの天井付近に落ち着いている。糸の造作はケースのくもりがひどいこともありよく見えないが、正常な円網は張っていないようである。天井付近に不定形の網を張って仰向けの体位でぶら下がっている。ハチとガはその下を飛び回っているという塩梅だ。イチモンジセセリがかかって獲物になったのはラッキーだったのかもしれない。


2016.9.29(木)くもりときどき晴れ イチモンジセセリ

7本脚の飼育は思いのほか順調といっていいだろう。それは給餌がうまくいっているからだ。これまでに、イチモンジセセリを3頭、ヒゲナガバチ1頭、小さい蛾1頭、オンブバッタ♂1頭を飼育ケースに放り込んだ。そのうち2頭のイチモンジセセリが首尾よく獲物となった。

イチモンジセセリのよいところは、通勤途上にたまたまチョウの寄る植木があり、30秒以内で1頭を捕まえられることにある。捕獲器はフィルムケースである。そういうのはけっこう得意なのだ。

また、イチモンジセセリは飛翔力が強くじたばたするので網にかかりやすい。小型であるのでじたばたしている間にクモがぐるぐる巻きにしやすい。小柄な脚欠けグモであるし、巣も満足に張れておらず百発百中というわけにはいかないけれど。

オンブバッタは少し細工を考えて、投げ釣りの要領で脚を糸で縛って針金の竿から垂らす形で巣に架けてみた。バッタは手足をばたばたさせるもののクモの関心を引くほどではなかった。そのうち糸からすり抜けてこの工夫は失敗に終わった。甲虫類もこの方法でやってみようと考えていたが、ためらわざるをえない。

3頭のイチモンジセセリのうち失敗の1頭は2日間で力尽きて床に転がっていた。餌を用意してやらなかったのが早死にの原因だと思われた。そこで黒砂糖を水で溶いたものを脱脂綿に含ませてチタンの針金でぶら下げた。今朝捕まえたイチモンジセセリを放つと1分後にはその砂糖水をなめている。この工夫はうまくいくかもしれない。ただ、そうやって与えた餌を食べている様子は大変かわいらしく、もともと好きなチョウだけに情が移る副作用を伴う。


2016.10.08(土)雨のち晴れ 調子の悪い一週間

なんだかいろいろ調子の悪い一週間だった。懸命に飼育を試みているジョロウグモはやはり給餌が難しい。これまでにイチモンジセセリを2匹とショウリョウバッタ♂を1匹食っただけだ。狭い飼育容器では満足な巣が張れない。こっちの不安をよそに当人は飢え死にしてもいいや・・・とあきらめている風情さえ見られる。やはり何かの工夫は必要だ。

パソコンが壊れて慌てた。メイン機のPowerMacintosh G5が突然起動しなくなった。電源を入れてもファンが回るだけ。バックアップもしばらく取ってなかったので、ちょいとしたパニックになった。ひとまず古いPowerMacintosh G4 MDDを引っ張り出して急場をしのごうとすれば、MDDの中に入っているファイルは2010年で止まっていた。2010年だと失われたファイルは10万件ぐらいになる。

日頃の行いの良さを信じて、故障がHDでないことを祈った。HDからのファイルサルベージを試みるのだが、G5のHDはSATAでMDDには入らない。そこは外付けケースを使って有線で繋げばいい。しかし、最近のSATAのHDはUSB接続だ。IEEE1934いわゆるファイアーワイヤーは廃れて久しいようだ。MDDのUSBは1.1で死ぬほど遅い。血の気が引く思いだ。

とりあえず安いHDケースを買った。最近のこういうものは大変安い。HDが家電化して大量に作られているからだろうか。幸いG5の故障はHDではなかったようで、問題なくファイルはサルベージできた。ただしUSB1.1で50GBをコピーするってのは1日がかりだ。念のためターゲットディスクモードも試したが無駄だった。やはりマザーボードがいかれちまったようだ。

マックをいじっている間に自転車を3台ばかり調整。気が重かったのは娘の自転車。後輪がパンクしていたから車輪を外してチューブ交換。ドラム式ブレーキの一般車でこいつがけっこう手間だ。すでに手慣れたものになっているけど、ロードレーサーのように5分でOKというわけにはいかない。

マックと自転車をいじっていたら朝からの雨がすっかりあがった。調整がてらウィリエールで境川。川は濁流。刈り終わった田が秋の斜光に映えてきれい。セイバンモロコシのみのりはチェック。きっと収穫したくなるだろう。今日はずいぶんアブラゼミが鳴いていた。10月中旬のアブラゼミはひとまず記録の対象だ。今年は11月の記録更新なるだろうか。


2016.10.09(日)雨のちくもり くもるガーミン

ガーミン

日曜午前の恒例は境川サイクリングだ。ウィリエールで水しぶきを跳ばして出発。今年の秋はとても雨の日が多い。暖かい雨はなんらサイクリングの障害ではないのだが、ぬれて困るものがある。写真のGarminEdge500は高性能のGPSサイクルコンピュータである。本来は雨の中でも平気なはずだが、残念なことにガラスがくもってきた。Oリングで防水になっている蓋から浸水しているようだ。これにはちょっと弱る。

前のEdge500は蓋が欠けて穴が開きガラスと液晶の間にたっぷり水が溜まった。そのとき分解した経験から、防水構造は二重で液晶に水が入ったとしても、機械部分まで浸水するわけではないことがわかっている。ただこうなるとちょっと不安だ。雨が降ってくればツール缶に入れて保護しなければならない。

まだ保証期間中だと気づいて交換を求めようとしているのだが、この手の故障でも対応してくれるのだろうか。

今朝の雨は小降りになり午後にはすっかりあがった。境川ではアブラゼミの声も聞こえた。自転車に乗っていても気になるのはアスファルトの小虫。ジョロウグモの餌が落ちていないかと虎視眈々なのだ。今日は中型のオンブバッタを捕まえた。脚を縛って魚釣り風にぶら下げておけばすぐに食べ始めた。もくろみ成功である。前のオンブバッタ♂ではうまくいかず再挑戦だった。この方式で行けるのならジョロウグモの飼育もそれほど難しいものではない。


2016.10.10(月)くもり 用件いろいろ片付ける

今日は女房と境川。一番の目的はドングリの収穫。マテバシイの実をひとつかみ拾ってきて何かの料理にする計画だという。大和南高校のところで拾ってきたが、少し遅かったかもしれない。

境川はセイタカアワダチソウが見頃になっている。セイバンモロコシは来週あたりから収穫適期になりそうだ。庭のクロナガアリが巣穴を掘り返して活動を始めている。

ジョロウグモの餌の確保もしなければならない。オンブバッタを首尾よく食べたから同じようにやってみるつもりでオンブバッタを3匹確保。クビキリギス♂が交通事故にあって半死半生状態になった。まずはこいつを餌にしてみようとオンブバッタ方式でやってみたもののうまくいかないようだ。大きすぎるのか。庭ではこれまでにヤモリが最大の獲物になった記録があるが、あれは成虫のジョロウグモ♀だった。

庭のモッコウバラが伸び放題なのでカットした。脚欠けを確保しているから枝切りに躊躇がない。


2016.10.11(火)くもり 買う理由を探し始める

昆虫写真のプロのブログなどを見ていると必ずオリンパスのTGシリーズで撮った写真が出てくる。そして「昆虫を接写するには必携のカメラ」との定評がある。

私は初代のTG-1を使っている。モデルチェンジでTG-2が出たときに半額投げ売りセールで買った。サイクリングに携帯し、水中も撮れ雨の防水を心配することがない。アスファルトに落としたが、ノーダメージである。接写なら画質が大変良い。数少ない弱点は、雲とクモにピントが合わないことぐらいだ。

雲が撮れないのは、無限遠でぼやっとしたものを被写体として認識しないからだ。クモが撮れないのは被写体が小さいからだ。目の前に網をはっているクモの姿と巣の造作をいっしょに撮ろうとすると、背景を被写体として認識してしまう。そこで小細工として、同じぐらいの距離にある所でピントを取ってシャッター半押しのままクモにレンズを向けると、そこにクモがいることに気づいて焦点を合わせようとする。一度外すとまたやり直しだ。基本、置きピンができず飛んでる虫は写らないが、そちらはだめもとである。

新型がでれば、当然のことながらプロ、アマの評判をチェックし、必要かどうかの判断をしてきた。TGシリーズは2、3、4と世代を重ね、接写の使いやすさや顕微鏡モードや深度合成や接写用のストロボアダプターの登場など、それなりの魅力はあった。しかしそれらは買い替えの理由にはならなかった。

買い替え判断の前提として買わなくてもよい理由を数え上げていた。まもなくTG-5が出るからいいかなとか、ストロボがだめだから買わなくてもいいかなとか、4万円以上するから買わなくてもいいかなとか、すでにクリアーされたハードルもある。それでも雲とクモが劇的に撮れるようになっている感じがなくて買うには届かなかったのだ。

しかしいま、買わなければならない理由をいつのまにか探している。環水平アークがピンぼけだらけでうんざりしている。ジョロウグモを撮ることが多くなり、クモにピントを合わせるための小細工がばかばかしくなってきた。

じつはすでにTG-4用のフラッシュディフューザーFD-1を買っている。もしやTG-1でも使えるのではないか・・・というかすかな期待があってのことだが、さすがにまったく使えなかった。セットはできるものの、TG-1の仕様上、スーパーマクロでストロボは発光しないのだ。すでに店頭でTG-4の接写ピントの具合を確かめてみようかというところまで来ている。


2016.10.13(水)くもり スズメガの幼虫

スズメガの幼虫は大きい。蛹になる場所を探して目につくところをうろついている。発見が容易な虫だ。蛾の幼虫としては例外的に種名の特定がやさしい。ただしいまのところフィールドで自信をもって同定できるのはセスジスズメの終齢幼虫ぐらいのものだ。

11日には境川のサイクリングロードに出てきたやつを3頭見た。3つとも模様が違っており、持った感じもちがうので別種だと思っていた。(1)番はつまむと、ビュッと緑の液を吹き出した。捕食者向けの威嚇に役立つのだろう。昔そういうプロレスラーがいたような記憶がある。(2)と(3)はそういう行動はしないので、ちょっと珍しいスズメガを見つけてうれしかった。

しかし落ち着いて調べてみると、(1)と(2)はエビガラスズメで(3)はメンガタスズメのようだ。メンガタスズメもクロメンガタスズメというよく似た別種がいるようで、なかなか特定は難しい。むろんこの2つの名だってあっている保証がない。

かつてイモムシ毛虫の同定で頼れるのは保育社の蛾類幼虫図鑑ぐらいのものだった。それも素人が図版と写真を引き当てるだけでは種名はまず判明しない。スズメガはやさしい部類だけど、色模様がいっぱいあったり、体勢や角度の違いで種類が違っているようにみえる。

ところがいまではインターネットに蛾のファンがスズメガの幼虫写真を大量に上げているから、それを参考にして蛾類幼虫図鑑を見直すことでけっこう精度が上がっていく。

大きなイモムシ毛虫を見つけたら片っ端に撮っておけば後の楽しみがある。そのためにも撮影がより容易なカメラを携帯したほうがよい。TG-4を買う理由がこうして増えていく。


2016.10.14(水)晴れ 代々木公園のジョロウグモ

ジョロウグモ

務めている渋谷の会社の近所に代々木公園がある。公園の主だった所には虫が少ない。セミとアオマツムシが大量にいるだけだ。そしてジョロウグモも少ない。

ただし、代々木公園にはバードサンクチュアリーという一角があり、そこはかなりブッシュになっている。木々が密集して下草がよく茂っている。竹藪まである。ジョロウグモもバードサンクチュアリーの中では目立って多かった。サンクチュアリの柵越しに眺めればすぐに10や20のジョロウグモを数えることができる。とりわけサンクチュアリと公園を隔てる鉄柵にそっておびただしい数の巣がある。

代々木公園のジョロウグモは概ね成長が良い。すでに成熟しているものがほとんどのようで、腹が膨らみきれいに色づいている。わが家の庭を思えばうらやましい限りだ。

ジョロウグモを見れば脚の数を数えるのが習慣になった。写真の個体は5本脚だが順調に生育しているようであり、産卵にこぎつけることもできそうだ。サンクチュアリ一帯のジョロウグモでは脚欠けが少なくない。ざっとみたところ1割ぐらいにはなるようだ。

サンクチュアリのような良さげな生息地でも普通に脚が欠けるものであるらしい。おそらくそれは生態的に必然の事故と思えるのだ。

今日の写真はiPhoneで撮った。iPhoneは思いのほか接写でピントがあわせやすかった。TG-1を凌ぐといっても過言ではないだろう。こうしてまたTG-4を買う理由が増えていく。


2016.10.15(土)快晴 小屋のジョロウグモ

すばらしい天気とすばらしい陽気だ。いろいろと仕様を変更したナカガワで境川。

久しぶりに乾いた靴で自転車に乗れる。しばらく雨の中ばかりを走っていたのだ。久しぶりに澄んだ境川を見る。しばらく濁流ばかりをみていたのだ。例の堰堤の緑はかなり戻ってきている。やはり1m未満の増水程度ならばヤナギゴケの成長に悪い影響はないようだ。ただ遠目で見る限りではヤナギゴケにしては緑がかなり鮮やかだ。緑藻かホシミドロ系がはびこっているのかもしれない。

境川は刈り入れが終わり柿が色づいている。ウスバキトンボは少なくなりモズの高鳴きがほうぼうで聞こえる。路面にはカマキリが多い。まばらに聞こえるアブラゼミの声だけが夏っぽい。

巣の争いに勝利したとおぼしき小屋のジョロウグモを見れば、はちきれんばかりに腹が太って産卵を待つばかりのようだ。近くにはやや小さなメスが並んで巣を構えている。同じ支え糸を使わないなら接近していてもかまわないのだろう。小屋の長さは7mほどで、その7mの間に5頭のメスがいる。ここでも脚の数を数えてみれば、その5頭のうち少なくとも2頭が7本脚だった。


2016.10.16(日)くもりのち晴れ 庭の6本脚

ジョロウグモ

いま飼育しているジョロウグモは7本脚だ。もしかしたら、こいつがもう1回脱皮をして失われた脚が再生するのかどうか確かめられるかもしれないのだ。

飼育にあたって難しいのは餌だ。イチモンジセセリとオンブバッタ♂は食った。それぞれケースに放して糸にかかるにまかせた。しかしそれでは非効率なのでナイロン糸で縛って網にかけることにした。オンブバッタ♂はそれで成功したものの、クサキリ類とメスのオンブバッタはダメだった。サイズの大きな獲物は襲わない。飼育の7本脚は小柄で貧弱だ。体の3〜4倍もある虫を捕まえる勇気がわかないらしい。

そこで、オンブバッタ♀を犬死にさせるのはもったいないので、庭のジョロウグモに与えることにした。

庭には飼育個体よりも発育がいいものがいる。どいつにやろうかと物色していると6本脚が見つかった。奇しくも捕まえた7本脚の跡地に巣を構えている。6本脚は7本脚にくらべ二回りほど大きいが、この季節のジョロウグモとしては発育が悪いほうである。写真でもオンブバッタはクモの2倍以上ある大物にみえる。

巣にバッタをかけるとすぐに襲いかかる、というわけにはいかなかった。しばらく離れて知らんふりをしていた。本当に気づいていないのかもしれない。私がバッタを架ける行為を何者かの攻撃と受け取っていたのだろうか。しかしバッタが一暴れするとやおら近づいた。バッタから少し距離を取りチャンスをうかがう感じだ。ヒットアンドアウェーの案配で前足をばたつかせて糸をかけバッタの動きを封じ込める作戦のようだ。

問題はこいつが6本脚ということだ。失われているのは後ろの2本。糸をたぐる重要な脚のはずだ。ヒットアンドアウェーの戦術としても捕獲糸をたぐって巻くのは難しいようだった。格闘すること10分、巻かずに噛みついて動きを止め食べ始めた。

野生動物に餌を与えるのは言語道断の悪事であることはわかっているけれど、6本脚が生き残ってもし脱皮を見るようなことがあれば、悪事のうしろめたさを補って余りある喜びがあるはずだ。わかっちゃいるけどやめられないこともある。

飼育中の7本脚にはオンブバッタ♀は荷が重いことがわかったので別の獲物を物色することにした。さいわい相模川にササキリ類が多産する草むらが見つかった。女房といっしょに自転車で出かけて捕獲した。彼女は虫取りがかなり巧みである。


2016.10.18(火)晴れ 気になる捕食シーン

ジョロウグモ

なにかおもしろいことがあるかなと代々木公園に出かけた。目的はバードサンクチュアリーの鉄柵付近に巣を作っているジョロウグモである。

そこで見つけたのが今日の写真の状況。ジョロウグモ♀がジョロウグモ♀を食っている。見つけたときはちょうど居候がおこぼれにあずかっているところだった。

食べているほうは立派な成虫である。食べられているほうもどうやら成虫である。亡骸とはいえジョロウグモ♀の特徴である腹の赤い模様ははっきり見える。

私はこういう状況は初めて見る。ジョロウグモのメスは滅多なことでは出歩かないものだと思ってきた。しかしこのシーンが示すものは成虫になったジョロウグモ♀はけっこう出歩くものであり、かつ自分の張った巣でない網の上を歩き回ることがあるということだ。そして鉢合わせが起きて獲物になってしまうこともあるようだ。


2016.10.22(土)くもり セイバンモロコシ収穫

クロナガアリ

朝庭に出てみるとクロナガアリが盛んに巣から土くれやゴミを運び出していた。巣口のまわりは廃棄物がうずたかく積み上げられている。去年よりもその分量は多いような気がする。

ひとまず今日もナカガワで境川。サドルを換えたりステムを低くセットできるように細工をしている。こうして自分の自転車ができていくような気がする。今朝はチェーンホイールをいじった。48と41にして3倍よりもちょっと軽いギアを使えるようにしてみた。

自己満足的理想を追求するのは必要だけど、期待が外れることも多い。入手したものの使えないパーツというのがけっこうある。そういうのは思い切って捨てなければならない。20年たって意外に使えるようになっている前適応のようなパーツもなきにしもあらずだけど。

天気は悪く北寄りの風が弱く吹く。あまり思い切って走る気にもなれず普通に30km/h巡航。虫の姿が少ない。沿線のジョロウグモはいい感じに育っている。飛ぶものはモンシロチョウぐらい。ウスバキトンボはめっきり姿を見なくなった。路面に出てくるカマキリもいない。セスジスズメなんかのイモムシが3つばかり轢死していただけだった。

クロナガアリの餌用にセイバンモロコシのみのりを物色しながら走った。収穫適期になっているのは1か所だけだった。境川では見つけたら速やかに採っておかないとだめだ。いつなんどき無慈悲な妨害工作(秋の草刈り)に見舞われるかわかったものではない。げんに今日収穫最適日と見込んでいた246号線下水処理場付近のセイバンモロコシは壊滅していたのだ。


2016.10.23(日)晴れのちくもり 見つからない虫

クロナガアリ

チネリで日曜午前の境川。写真はヨモギにできる(たぶん)ヨモギハシロケタマフシ。なにもこれを見つけようとヨモギを見ていたわけではない。ちょうどいい感じにヨモギの花が咲いていたものだからセダカモクメの幼虫でもいないかと注意して見たのだ。

日本の虫界には隠蔽擬態のスターと呼べるような昆虫が10種類ぐらいいて、ヨモギのセダカモクメもその一つなのだ。他にはウスバカゲロウとか蝶とか蛾とか百花繚乱だ。幼虫もいれば成虫もいる。情けないことに私はそれらを1回も見つけたことがない。いずれも隠蔽を極めた方々なので達人のガイドのもとで存在を確信して探すようでないと発見は難しいだろう。そしてコツを掴めば自分でも見つけられるようになるんだろう。

そういうステップを踏む機会はない。なんとなくサイクリングのついででなんとかなると思っているようではスター昆虫の皆さんに失礼だろう。アスファルトに出てくる虫を拾っているぐらいが分相応である。今日もヨモギの花にちょいとした違和感を感じてもしやと寄ってみればよくある虫こぶだった。そいつは見栄えという点で劣勢だ。ついでに見つけて写真に撮ったヨモギハシロケタマフシはちょっとかわいい。

巻雲があると「そのあたり」を探すのが習慣になった。もうすでに環水平アークの出る季節ではないが、日暈の角度の所にぼんやりした虹が見えた。タンジェントアークだろうか?

タンジェントアークならば幸運を期待していいだろう。ところが後輪がガラスを拾ってパンクした。悪いことにパンクの衝撃でスポークまで切れてしまった。さらに悪いことに場所が一番家から離れたところだ。スポーク切れでリムが振れてもシートステイを擦らなければ走れる。ただしブレーキシューをこすって1周ごとにブレーキがかかる。バルブのガコン、片効きのキュウー、ガコン、キュウー、ガコン、キュウーとホイール1周で2つの異音を発しながら20kmを走ってきた。

その程度のトラブルはセイバンモロコシの種の収穫になんの差し障りもないことは言うまでもないが。


2016.10.24(月)晴れ 渋谷のヤマガラ

ヤマガラ

渋谷の会社の近くにエゴノキがある。エゴらしく花がたくさんつく。けっこう見どころのある木だ。エゴノネコアシができ若い女の子向けの話題を提供してくれたのもありがたかった。

今日、そこを通りがかったときに頭上からコツコツと木を叩く音が聞こえてきた。とっさにコゲラの姿を探したが、その音を立てていたのはヤマガラだった。おそらくはエゴの実を食べようと枝の上で実を割っていたようだ。写真は脚で実を押さえて天橋立ポーズをとっているところ。

この写真はiPhone6Sで撮った。iPhone6Sは野鳥が撮れないカメラである。シャッターチャンスは動画や連写にすればなんとかなるかもしれないが寄れない。最新モデルでは望遠カメラが搭載されているらしいが、それでもまず無理だろう。

枝に止まるヤマガラにダメ元で近づいていく。頭上ほとんど手を伸ばせば届きそうな距離になってもこちらを警戒する様子がない。実を割ることに夢中になっているものの、こちらに気づかないはずはない。一飛びで距離をとることができるはずだ。ヤマガラは山里の鳥で、あまり人を恐れない印象がある。都市に住むことでいっそう人馴れしているのだろうか。


2016.10.25(火)晴れのちくもりのち雨 脱皮の観察

1か月ほど飼育観察を続けていた7本脚であるが、今日をもって飼育を断念することにした。脱皮の見込みがないからだ。

今年、最後にジョロウグモの脱皮を見たのは9月17日(土)、庭でのことだ。その後も境川や代々木公園などで多数の巣を見てきたが脱皮しているものも、その痕跡(脱皮殻)も見つからなかった。ジョロウグモは脱皮殻を巣に残す習性があるはずだから、100件の巣を見回れば1つや2つは脱皮殻がみつかっていいはずだ。

もしこの先脱皮がないとすれば、7本脚の飼育はあまり意味がない。試行錯誤を経て飼育自体はうまくいっている。ホシササキリが大変すぐれた獲物であることがわかった。ジョロウグモは狭いケースに適応できる。最終的には不定形ながら垂直円網まで張った。女房と娘も協力的でジョロウグモは半ばペットと化したぐらいだ。多少の未練はあるものの7本脚は餌になる予定の4頭のホシササキリと共に庭に放した。

さてジョロウグモの脚が再生できるかどうかは来年の課題として持ち越すことになったのだが、そもそもジョロウグモの脱皮はどのように決まっているのだろう。一般に昆虫だと脱皮の回数は種ごとに決まっているみたいだが、クモではどうなんだろう。私はジョロウグモの脱皮の回数を知らない。生涯の脱皮回数は決まっているのだろうか。昆虫のように成虫になると脱皮はしないのだろうか。これまでに観察できたのは、孵化後1週間ぐらいはまどいを作り、1度集団で脱皮してから散っていくことぐらいだ。

ジョロウグモ幼虫の個体差は極めて大きくなる。サイズは脱皮しなければ大きくならないから、成長の早いものは脱皮が早いと予想される。もし脱皮5回で成虫になると決まっている場合、早いものは8月のうちに成虫になり、遅いものは4回しか脱皮せず成熟もしないというようなルールなのだろうか。また、成長の悪いものは3回の脱皮で小さいまま成熟してしまうようなルールなのだろうか。あるいは成長にかかわらず、時間で脱皮するルールなのだろうか。

私の7本脚は9月の初旬から観察を始めてひと月あまり脱皮しなかった。飼育当初は栄養失調状態であり、食べればすぐに脱皮するだろうと期待していたがだめだった。ただし飼育下でけっこう獲物にありつくことができたので、今朝までには腹が膨れ成虫のシンボルである赤いマークがはっきり現れている。

今年の観察では、ジョロウグモは成長状態にかかわらず秋分を過ぎれば脱皮しないと見てよいと思う。9月の脱皮は行わずに成熟する可能性もある。来年はこの経験をいかして7〜8月に飼育を行い脚の再生を確認したいものだ。


2016.10.27(木)晴れ 小さなジョロウグモ♀

ジョロウグモ

今日のこのピンぼけ写真の状況を目撃しておれば火曜の日記は書かなかっただろう。中央林間のいつもの通勤路にこのクモがいた。この季節としては例外的に小さなジョロウグモ♀である。小柄ではあるが、ジョロウグモ♀の特徴ははっきり見て取れる。

ありとあらゆるところで、ジョロウグモがいそうならば、目をこらすことが習性になっており、私はこういう小さいものでも容易に見つけることができる。ただの小さいジョロウグモ♀ならば撮影するまでのこともなかった。こいつが問題なのは脱皮して間もないらしいということだ。そばには脱皮の証拠の抜け殻がある。

サイズからすれば3齢といったところである。本当に3齢ならまさかの9月生まれということまで妄想しなければならない。今年のように気温変化の大きい秋にはそんな異常が起きるんだろうか。また、普通に梅雨前に生まれた子虫が全然成長できないまま10月になってから脱皮することはあるんだろうか。

今年はけっこう注意深くジョロウグモを見続けて、なにか法則らしきものを手にしたと思えば、すぐに例外が見つかる毎日だった。飼育では、狭いケースの中ではこんな巣になるんだろう・・・ということがわかった翌日に別の形に巣を張っている。これは確実!と思われた給餌法が2回目はだめだったり、逆に、諦めて放置した結果がオーライだったこともある。クモの生態は昆虫とくらべて例外が多いように思う。

今日の写真はスマホで撮った。TG-1同様にピントが難しい。iPhonは長押しでAFAEロックがあるが、シャープのSH-04Fにはないみたいだ。スマホでクモが撮れないのはしかたない。スマホのカメラを空中の蜘蛛を撮るように設計しないのは当然だから。

もうちょっと粘れば少しましなカットになったかもしれないが、悪いことにこのクモの先はアパートの窓だ。道ばたでこういうものを撮るのは不審者である。


2016.10.29(土)くもり 水稲みのる

稲

ウィリエールで境川。今日はほんのちょっとだけ降水がある程度のくもりでほぼ無風。天気予報でいってるほど気温は下がらなかった。

毎年土をもらっている水田は青々として夏のようだ。穂が成長して籾がふくれている。しいなかなとつまんでみればしっかりした米の感触があった。水稲がみのれば鳥が喜ぶだろう。10月に気温の高い日が続いたから花粉ができたのだろう。

ガーミンが雨の日にくもるという不具合があり販売元に確認すると不良交換とのことで預けたままになっている。あえて古い速度計をつける気にもならず速度を確認せずに走っている。今日は天気が悪いのが幸いして人出がない。3倍のギアにして上りも下りも32km/h(たぶん)ぐらいで巡航。いつもこんなだと浮き浮きだな。

フロントフォークのコラムが15mmほど余っているのが我慢できなくなって、抜いて自転車屋に預けて切断してもらうことにした。フロントフォーク回りはプロにまかせた方がいい。


2016.10.30(日)くもり 引き脚練習

クロナガアリ

日曜午前はやっぱり境川。チネリで出かける。くもって北風が吹いて晩秋のふんいき満点だ。ことしはどうもカマキリの出が悪いように思う。昨日も今日も1匹も見なかった。エビガラスズメが2、3歩いているのを撮影しただけ。

道ばたの草がけっこう食われている。とりわけカラムシがブレークしているようでぼろぼろだ。カラムシをぼろぼろにするといえばフクラスズメなんだけど境川では見ていない。何者が食ったのか?ちょっと確かめようと一番ぼろぼろになっているところに寄ってみれば時すでに遅し。秋の草刈りで丸裸になっていた。

北風を使って重めのギアで引き脚も使う練習。胸を反って腰を入れて回してみると力は入るが腰が痛くなった。いい感じなんだけど無理はかかる。それではと手加減して中途半端にやろうとすればコツがつかめない。前足を脱力させて体重をかけつつ後ろ足で引くのはかなり難しい。

帰宅してクロナガアリの撮影。庭のササガヤのみのりはもうちょっと後だ。写真はアカマンマの種を運んできたクロナガアリ。


2016.11.3(木)快晴 秋の虫

クロナガアリ

境川にウィリエールで向かい引き続き引き足の練習。今日は、自分の足がどこにいて何をしているのかが少しだけイメージできた。これがわからないようでは練習もなにもあったもんじゃないんだが。

雨は夜のうちにあがり朝から快晴だ。風は北より弱く暖かい。虫がいっぱい出てきた。チョウもモンシロチョウ、モンキチョウ、ヒメアカタテハなどなど。モンシロチョウなんかは雌を追飛していた。さすがにウスバキトンボはもう見えない。おっ!と思えば全部アカトンボ系だった。アブラゼミも鳴かず。今日鳴かないようなら今年はもうおしまいだろう。

カマキリも久々にけっこう見つけた。オンブバッタもまだいる。ずいぶん数が多い。大物のトノサマバッタ、ショウリョウバッタもいる。それらは秋の名残組。蛹化の場所を探すセスジスズメ、クビキリギスは越冬組。人生これからだ。

虫の去就を見ている私もショウリョウバッタと同じく人生終焉組だ。虫とのちがいはそのことを自覚できること。この先繁殖に苦心惨憺することもなくぼんやりと生きるだけ。人間は社会の維持が種の保存に大きく関わるから間接的に繁殖に参加することにはなる。ただし私がいなくても目に見えて何かかが変わるわけではない。バッタたちはこんないびつな思考はせず淡々と生きるのみだろう。あたかも不死であるかのように。

私はいまや死すべきものとして生きている、という私の理解も理論的反省によって導かれたものに過ぎない。直感的にはバッタと同じく不老不死で日々あくせくするのみだ。自らを死すべきものと直感できるのはきっと仏だけだろう。唯物与仏乃能究尽というやつだ。それは生物を超越することだ。

庭ではクロナガアリの収穫真っ盛り。境川からもってきたセイバンモロコシは大人気である。写真はセイバンモロコシの種を運ぶクロナガアリ。


2016.11.4(金)快晴 寂寥

落ち葉

代々木公園のジョロウグモを見回るのが日課になった。写真は明治神宮との境界付近。陰気で威圧的な黒い鉄柵の向こうが明治神宮だ。この写真でも明治神宮には樹木が密生していることがわかる。ジョロウグモは密な林の端っこに多い。神宮はきっとジョロウグモのことが好きなのだ。神宮は植物の自主性を最大限に尊重しているのだろう。わが家と同じぐらいに。

秋が深まるにつれて写真のような光景が増えてくる。巣の主がいなくなって枝からの落ち葉がかかるにまかされているのだ。ただ主は死んでしまったとは限らない。どこかで産卵して卵を守っているのかもしれない。あるいは産卵後に巣を換えたのかもしれない。

主がいても落ち葉まみれになっている巣もある。主は葉を片付ける気にならないのか、片付けるのが間に合わないほど落ちてくるのか。いずれにしても遅かれ早かれ全ての巣がこういう体裁になる。


2016.11.5(土)快晴 毛虫

毛虫

久々に心拍計をつけてナカガワで境川。Garminが不良交換で戻ってきたのでねんのため心拍計が作動するかどうかのチェックをしたかった。

今日もすばらしい陽気で、午後からは南風が入ってきた。海風だろうか。暖かい風だ。路面には虫が多い。とりわけカマキリが目立つ。いちいち撮影しているときりがない。

写真は毛虫。毛虫としか言いようがない。その姿からはヒトリガ系だと思うのだが、その種名を特定するのは手元の図鑑では不可能だ。よっぽど害があるとか毒が強いとか大きいとか、特徴のある毛虫ならなんとかなるだろう。単なる毛虫だと手のつけようがない。

毛虫の同定をしようとすれば飼育は必須だ。羽化させて成虫を見るしかない。それは大変手間のかかることだ。手間をかけ分厚く高価な毛虫図鑑ができたとして、その元を取れるほど売れるわけがない。この写真の毛虫がぴたっとわかる図鑑が10000円で私の手に届くわけがないのだ。かくて毛虫の同定は一部の好事家たちの奥義になってしまう。

ひとつの光明はインターネット。専門家が気まぐれに公開しているデータに運良く当たることを願って記録は取っておく。


2016.11.7(月)晴れ スマホカメラの限界

ナミガタタチゴケ

代々木公園のクモ見物にはiPhonを携帯しているが、今日はいろいろ思う所あってシャープのSH-04Fという古めのものにしてみた。ポケモンGOはいままで試したなかではiPhon6sが最適だったが、SH-04Fでも問題なく遊べる。アニメーションの動きが悪くてがっかりするだけだ。

代々木公園はよくできた公園で至る所歩き放題である。土の上を歩けるのがかなり嬉しい。公園全体に芝生が皆無で、オオバコやニワホコリ、林の中は一部チヂミザサなどの背の低い草がはびこっている。そういう植生であるから虫が少ない。バッタ類、アリ類が見られないのには驚いた。単なる公園だからあえて虫の駆除はすまい。何年か前にはヒトスジシマカに向けて殺虫剤をまいたはずだ。アリなんかは人為的になんとかしようとしても駆除は難しい。虫が少ないのは単に植物環境が貧相なせいだ。虫がいなくても大多数の利用者から不満が出ることはあるまい。カラスだけはむやみに多くて私としても寂しくはない。

木の根元にナミガタタチゴケがあった(写真)。枝の隙間から落ちる秋の斜光を浴びると葉が緑に輝いて美しい。広く薄い葉がつんつん伸び、撮って見栄えのするコケだ。

試しにシャープで撮ってみると、最適サイズと思われるところまで余裕で寄れた。最大サイズまで寄るとさすがに拡大ボケと手ブレで見られたものにならない。できあがった写真をパソコンモニターで見ても全体的にまずまずといったところだな。

明治神宮の端っこにずらりと並んでいるジョロウグモは次第に数が少なくなっている。今日は巣にかかったまま死んでいるメスがいた。シャープで撮ろうとしたがまったくだめだった。20cmぐらいまで近寄れ、クモの体を画面いっぱいにまでできるけれどピントが来ない。いろいろ工夫をこらしてもダメだ。

スマホのズームはデジタルだから見かけ上は画面全体にクモがあるようだけど、実質は画面真ん中の小さな点に過ぎない。だからオートフォーカスのタップがうまくいかないのだ。拡大した画面一杯のクモを指で差しているけれども、機械の認識では私の指先の80%は背景をタップしているのだ。iPhonも似たり寄ったりだが、もう少しだけクモのピントはなんとかなった。TG-1はさらにもう一段なんとかなるけど、それでも似たり寄ったりの範囲を出ない。


2016.11.12(土)晴れ オンブバッタ褐色型

オンブバッタ

よく晴れてやや強い北風が吹いていた。気温は高く快適だ。ウィリエールで境川。昨日降った雨はそれなり豪雨だったらしく水は遊水地の越流堤を越えたらしい。ただ今朝には増水はなく濁りもほとんどとれていた。あの堰堤の草には目立った変化がない。オオカワヂシャは健在だ。ヤナギゴケにもやっとした茶色いものがかかっている。虫の巣?と想像したやつだろうか。

路面には頻繁に虫が出てくる。イモムシのほかは直翅類。カマキリやバッタはいちいちチェックしているときりがない。自転車の練習もしなきゃなんないので、それなりに珍しいものだけ撮っておいた。オンブバッタの褐色型は境川では稀だ。

やや強い北風を利用して向かい風練習。3倍のギアを使う。ポイントは足の角度。新しく買ったSIDIのシューズがフィットして引き足が使いやすい。足の角度を水平に保って踏み込みすぎないように注意した。いわゆるかかとで乗るというペダリングだ。70rpmぐらいの低ケイデンスにしてトルクをかけるにはいいやり方だと思った。


2016.11.13(日)晴れ 小春

アブラムシ

高気圧の西の外れに当たるのか、暖かい南風が吹いてくる。境川は虫で賑やかだ。モンキチョウ、モンシロチョウはよく目立つ。いまだに求愛しているオスがけっこう飛んでいる。足元に来たのを撮影してみればぼろぼろだ。やけにセンシティブで近寄らせてくれない。3頭のチョウにトライしていずれもシャッターは1回押せただけ。いくら暖かくても晩秋。チョウは生き急ぐ。

境川を走って虫の声をめっきり聞かなくなった。エンマコオロギはもういないのか。1回だけアマガエルを聞く。

路面を歩く虫は多い。緑鮮やかなのはコスズメだろうか。背面歩きをしているコガネムシの幼虫もいた。このタイプの地虫をよく見かける。道路を歩いて何をしようとしているものだろう。蛾の幼虫なら蛹化越冬の場所探しだ。

帰宅していそいそとクロナガアリの撮影。アリのゴミ捨て場には何本か草が芽吹いている。その双葉の茎にアブラムシがとりついていた。はかない虫であるけれど近くから歩いてきたものだろう。こいつにとっては大冒険だ。


2016.11.20(日)晴れ 晩秋の半原越

半原越

半年ほど疎遠にしていた半原越へ。半原越は落葉広葉樹が多く紅葉もきれい。たまたま今日が見頃みたいだ。

久しぶりに走ってみればやはりというかしんどかった。区間3あたりで、もう上までいけないんじゃないかと思うぐらい。当然のことながらタイムもだめだ。心拍数が上がらないのはこの1年ぐらいのデフォになっている。数年前、勝負すれば20分だったときよりも10拍低い。疲労しているときにはこんなこともあったが、常態ではなかった。衰えは衰えとして、もうひとあがきだけしてみたくなった。半原越が美しいせいだ。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間14'53"4'53"+2014.716470175
区間210'40"5'47"+4312.617860178
区間316'31"5'51"+4612.417763164
区間424'20"7'49"+919.417549156
全 体+20012.017459166

秋が深まり、路面には落ち葉がたまっている。昨日の雨で落ち葉は湿ったままだ。虫は少ないが小春の陽気にキチョウなんかが飛んでいる。ツチイナゴが飛びだしてきた。道ばたのコケが斜光をあびてきれいだ。ずいぶんサクがついている。いっちょ撮ってやろうと近寄ればザトウムシが歩いていた。長い足でふわふわ歩くからか一瞬目の錯覚を疑う。すぐにあいつだとわかるのは見慣れているせいだ。立派な個体で足の長さは10cm以上ある。しかも2頭。明るいところを出歩くことは少ないだろう。晩秋によく出会っているような気がする。

帰路の荻野川で変な花が咲いていた。どう見てもクサギなのだが、クサギは秋の花ではなかったような。ひとまず記録。久々に善明川も見ておこうと思った。年々寂しくなる川だけどかすかな期待がまだ残っている。流れのなかに土佐金のような立派な金魚が沈んでいるのには驚いた。金魚は期待していない。放流魚がいないのが善明川のいいところ。おそらく上流にある養魚場から流れてきたものだろう。松かさ病のような症状がでており廃棄されたのかもしれない。

善明川はやせても涸れても湧水河川である。かすかな期待というのはタデ科の水草である。その一つが見つかった。葉の形状からスイバではなくギシギシのようだ。ただし水草化しているものではなく根だけが水中にある個体。イネ科の水草にひっかかった種から芽吹いたものだろうか。ミズハコベなんかは今日は見えなかった。丸い葉の水草はクレソンだけだった。


2016.11.21(月) 落ち葉の半原越

半原越

今日もウィリエールで半原越。小雨が降っているものの暖かいから雨の用意はしていない。晩秋の山は雨がよく似合う。やはりこの静けさがいい。境川に入れ込みすぎたのはすこし反省しよう。

昨日は26×16Tで入って前半で力尽きていた。今日は軽めのギアでイーブンで回す。5・6・6・7分の24分サイクリングだ。以前は楽して1時間以上維持できるペースのはずだったが、これでもけっこうしんどかった。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間15'09"5'09"+3614.0-70164
区間211'12"6'03"+5912.0-69169
区間317'00"5'48"+4312.5-69165
区間424'13"7'13"+5510.2-64170
全 体+19312.0-68167

もしかしたらガーミンの心拍計がおかしいのかもしれないと電池を入れ替えたとたんにうんともすんとも言わなくなった。しばらく30bpmとか220bpmとかあり得ない数値が出ていた。1時間以上走ってようやくそれなりの値が出ていた。こういう状態が続くと、それなりの値だって信用できなくなる。5年ほど使った機械だ。潮時なんだろうと新しい物を注文した。価格の安さからCATEYEのものにしてみた。心拍計なんて繊細な機械は消耗品と割り切って早めの交換をするのがいいのだろう。


2016.11.22(火) 2匹のジョロウグモ

ジョロウグモ

庭では4頭のジョロウグモ♀が秋を迎えた。季節が深まるにつれて1頭また1頭と姿が見えなくなった。残るのは写真のメス。ちょうど庭のクロナガアリの巣があるところの上に巣を構えている。クロナガアリの巣は庭の中央にあり、他のジョロウグモは奥にいるものだから、こいつのせいで奥のジョロウグモたちに近づけなくなっていた。奇しくもこいつが最後まで粘ることになり、もうしばらくつきあうことになりそうだ。

昨日は雨の中で巣の補修を行っていた。動きにはまだ精彩がある。けっして成長はよい方ではなかった。現状では腹はふくれオスもついている。ぎりぎり産卵にこぎつけるかもしれない。

ジョロウグモ

一方こちらのメスが産卵することは絶望的と思われる。どういうわけか電柱から家屋に引き込む電線に巣を張ってしまった。私からみても脈絡のない造巣だ。こんな所に寄る虫は少ないと思うのだが、その辺は本人がどう感じているのだろうか。ただこれは特殊なことではなく、ジョロウグモがかなりの高所にある電線に巣を構えることは多い。

ジョロウグモは一度張った巣に固執して動かない。悪い稼ぎにあまんじるクモなのだ。しかしその習性にも例外はある。今年はいろいろな観察事例からジョロウグモ♀も放浪するらしいことがわかってきた。

たまたまであろうが、今日の2頭は脚欠けである。この夏には脚欠けをしばらく飼育して庭に放した。そいつがこの2頭のどちらかという可能性もある。ただし、成長のいい方は脚欠けを放した後に8本脚ということを確認している。その後の事故で脚を1本失った可能性が高い。しかしかすかな疑念がある。このメスはもともと成長が悪かったのだ。私の気づかないときに立派になった脚欠けと入れ替わっているのかもしれないのだ。

電線のほうが私の脚欠けだということは考えたくない。こんなことならもっと大きくして放つべきだったとかすかに胸が痛むから。


2016.11.23(水)くもり 楽に半原越

気張らずに楽な気持ちで半原越へ。自転車はウィリエール。やはり私の主戦場は半原越なのだが、しばらくやってなかったものだから調子がつかめなかった。気持ちをリセットするためにも軽く登ってみようと思った。

タイムは5・6・6・7分。月曜はこれでもしんどかったので、今日は一計を案じてギアを軽くして境川で散々やり込んだ向かい風練習ぐらいの強度で走ってみることにした。それなら1時間は続けられるはずである。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間15'16"5'16"+4313.7-78160
区間211'25"6'09"+6511.8-72166
区間317'23"5'58"+5312.2-71160
区間424'32"7'09"+5110.3-64172
全 体+21211.9-71165

月曜よりタイムが悪いけれど圧倒的に楽だ。やはり75rpmで回すのがよいだろう。踏み込みで体重をかけるとすぐに力尽きる。立ちこぎでも21Tを使ってひょいひょい走るほうが楽だ。今日は犬走りの初心にかえり、早めに上死点で力を入れて脚全体を前に蹴り出すやり方を練習した。この強度であれば犬走りは板に付いてきている。


2016.11.25(金)晴れ 積雪の爪あと

ジョロウグモ

この地方には珍しい晩秋の積雪があった。一夜明けて庭で写真の光景を見つけた。ジョロウグモが力なく巣にぶら下がっている。一見して死んでいるようである。しかしこういう状態からも暖かくなって活動を再開したものも見ている。

私のジョロウグモにとっては積雪の影響は小さくなかった。写真の巣の手前にあるクロナガアリの巣の上にある巣は完全に破壊されていた。すこしじゃまだなと疎んでいたが、いざ壊れると寂しくなる。糸と糸にかかった葉に積もる雪の重みで壊れたか、木の枝から落ちる雪の直撃を受けたかだろう。元気そうにしていた巣の主の姿も当然見えない。地面の雑草の陰で息を殺して暖かくなる日を待っているのか。もう一度巣を張ることはできるだろうか。

一方、代々木公園のジョロウグモたちは何事もなかったかのようである。渋谷はずっとみぞれ状態で雪が降り積もることがなかったのが幸いしたのだろう。ジョロウグモは雨風雪に対して特別な防御をとらないようである。風雨のひどいときには巣を離れて雨宿りすれば良さそうなんだが。


2016.11.26(土)晴れ 残雪の半原越

半原越

麓から半原越の山並みをみれば白く融け残った雪がある。もしかしたら路面に雪が残っているかもしれない。それでも凍っていることはないだろう。この2日ばかりはけっこう暖かかったのだから。今日もウィリエールで半原越だ。心拍の送信機をCATEYEのものにした。絶好調である。つけたそばから納得できる値を出している。これなら毎回使ってもいいかなと思う。

いつもの棚田には寄ってもいいことなさそうなのだが、自転車の記念撮影をしておこうと立ち寄った。すると草むらにマイマイカブリがいた。こそこそ生きる虫なもんだからひょんなことがないと見つからない。来てよかった。草むらのカラムシはまだ緑だ。荻野川べりではくしゃくしゃの灰色になったやつが多かった。意外にも清川村の冷え込みはさほどでもなかったようだ。

半原越の道路は予想通り。最も雪が多いところでも写真のような状況。走るのに支障はない。セバスちゃんのかき氷程度の腐れ雪だ。今日はフロントを28Tにした。最初からリアを19Tにして19と21Tを使い分ける作戦。インナーローの23Tも短い激坂区間では使える。しかもフロント28Tなら23Tで立ちこぎしてもペダルに体重がかかる。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間15'05"5'05"+3213.716076172
区間210'52"5'47"+4312.217570181
区間316'36"5'44"+3912.517570171
区間423'27"6'51"+3310.418162191
全 体+14711.917471179

人間はともかく自転車と心拍計は絶好調。最大心拍が184bpmと記録されている。感覚的にもそれが正しい。数年前に比べて10拍ほど低いのはどうしようもないので、体の動く範囲で楽しく走るのだ。

帰宅してクロナガアリの撮影。アリの巣の上のジョロウグモは行方不明だが、昨日は死んでいるのかな?ともみえたジョロウグモは生きていた。初氷を観測した田んぼ水槽を片付けた。氷が厚く張ると壊れるからだ。


2016.11.27(日)くもり 復活したオオカワヂシャ

オオカワヂシャ

ウィリエールで境川。30km/h巡航の練習だけでは衰える一方だと「回す」練習。特に押すのと引くのを意識した。上死点でペダルを蹴り出すように、下死点でペダルをこするように。

オオカワヂシャはどうだろうと念のために鷺舞橋の湧水を訪ねてみた。オオカワヂシャは見つからないが、鳥たちが集まっていた。コサギとオオバンとカルガモ。コサギとオオバンは1頭ずつで、カルガモは♂1に♀5の群れ。

カルガモはしきりに何かをついばんでいる。おそらくミゾソバの種だろう。オオバンも同じものを食べているようだった。コサギはいくぶん焦っている感じで何かをつついている。種ではあるまい。カルガモの稼ぎの良さにあわてている感じだ。カルガモが群れて小魚をつついてるんじゃないかと勘違いして、遅れを取らないようにしているみたいだった。

写真は宮久保橋の堰堤に生えているオオカワヂシャ。ヤナギゴケに根を下ろしているやつだ。ずいぶん成長している。2月で20センチほどになった。では、そろそろだろうかと上和田中学校前を探ってみれば、小さなオオカワヂシャの株が見つかった。本格的な復活だ。この秋に芽吹いたものだろう。もしくは小さな芽が上流から流れてきて定着したものだ。水底の石にはヤナギゴケらしい草がついている。やはり夏枯れするか流出するかで夏場になくなっても秋には復活するのだ。見つかったのは2株。


2016.11.28(月)くもりのち晴れ 珍しい雲

青空

午前中はけっこう厚い雲が全天を覆っていたが、午後からは晴れてきた。半原越の帰り道、空を見ればきれいな雲が流れていた。おそらく巻雲だろうが、低くて厚い。そして流れるスピードが半端ではない。すごく強い北西風が上空を流れているらしい。

神奈川県では北西の風は長野、山梨の山岳を越えてくる。その波打った風が雲を作っているのだろう。一部は葛飾北斎の海のように渦を巻いている。

地上の風はそれほどでもなかった。相模川にかかる橋でもせいぜい15mほどの風で、自転車で走っていて恐怖を感じるようなことはない。ただ、半原越の頂上は冬の名物になっている向かい風だ。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間15'36"5'36"+6312.515174154
区間211'30"5'54"+5012.016670177
区間317'33"6'03"+5811.916770161
区間424'46"7'13"+5510.017559181
全 体+22611.516571169

2016.11.30(水)くもり ハキダメギク

ハキダメギク

自転車で走っていると、路面、路肩、山、川、空のいろいろなものがきれいに見える。おそらく動かずに見るよりもきれいに見える。

道端のコケなんかは典型的だ。走っていたときいい感じだから写真にしようと、自転車を止めてよいアングルを探すとなると迷うことが多い。写真のハキダメギクはそんなときに撮ったものだ。

清川村の道路脇にコケが緑の餅を作っている。おそらくホソウリゴケが中心となってギンゴケなんかもまじっている。日当たりのよい東向きの急斜面で、付近に用水路があって湿り気の多い場所だ。ここのコケは幾度となく自転車を止めて撮影してきた。

コケを何カットか撮った。見た感じで緑の餅のように見えるコケ。コンクリートブロックにまだらに生えていると一見パラオの空撮のよう、などと余計なことも考えつつの撮影だったが、撮ったものをTG-1のモニターで確認すれば、イマイチ感が漂っていた。

ハキダメギクはコケ餅に根をおろしている。その高さとか花の白さとかがコケ餅自体を撮るにはちょっとじゃまっけと思われた。せっかくの花だからと1カットだけコケを背景にアップを撮っておいた。結局、広いモニターで見返してみれば、コケ餅よりもハキダメギクのほうがいい感じだったのだ。


2016.12.1(木)雨のち晴れ 復帰したジョロウグモ

ジョロウグモ

あいにく昨夜からの冷たい雨ですっかり濡れ鼠。寒そうである。写真のジョロウグモが復帰したのを確認したのは昨日の朝のことだ。珍しく11月に積雪があった日から、このクモは行方不明になっていた。丸5日を経ての復帰である。

巣を構えている場所はいなくなったときとほぼ同じだ。クロナガアリの巣の上。地面からの高さが膝ぐらいで、ジョロウグモの巣としてはかなり低いほう。もとの巣は足場も縦糸もほぼ完全に破壊されており、もどって補修したというレベルではない。特徴ある脚欠け個体であり、入れ替わった可能性はない。ジョロウグモはやはり場所に執着する習性がある。

こいつはしばらく何をしていたのだろう。腹の感じから巣が壊れたついでに産卵をしていたというわけではないような気がする。草葉の陰で気温が上がって動けるようになるタイミングをじっと待っていたのだろうか。この先産卵できるのだろうか。

ところで、ずっとジョロウグモの数が変動していることを感じている。大和市で少なければ、相模原でも清川でも少ない。多いときはどこに行っても多いような感じだ。あくまでそう感じるだけだ。このような復帰劇を目撃すると、初冬の天候がジョロウグモの数の変動の要因ではないかという気がしてくる。初冬に気温が高い日が続いてジョロウグモの活動期が延びれば、それだけ産卵数が増えるのではないだろうか。


2016.12.3(土)晴れ 快晴の半原越

ウィリエール

自転車の練習にはもったいないぐらいの陽気のなか、写真のウィリエールで半原越。いつも通る沿線で冬鳥を見かけることが多くなった。都市生活をしていると野鳥に接する機会が少ないものだ。渡り鳥は里にもよく来るようで見かけることが多い。今朝は庭にアオジが2頭来た。毎年庭でこの鳥を見ている。遠い国からのお客さんだと思うだけで、小さく地味な鳥がきらきらしてくる。

今日はホイールを換えてみた。といっても新しい物を買ったわけではなく20年使っている手組のものを使ってみただけだ。C24-TLが柔らかすぎる疑惑というのがあって、こっちの方がいいんじゃないかと妄想してみたのだ。

区間1に28×19Tから入る。軽く上まで登っていく作戦。最近はこればっかりだ。さいわい区間4に余裕があって、ようやくいっぱいいっぱいから抜け出せた。足繁く通えば慣れるもんだ。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間15'16"5'16"+4313.315273165
区間211'12"5'56"+5211.916867176
区間317'04"5'52"+4712.316969167
区間423'48"6'44"+2610.717864195
全 体+16812.016868176

ペダリングを確かめながらハーフを4回。区間4の斜度がきついところで28×19Tでひょいひょい立ちこぎするのがとてもいい感じだった。立ちこぎとはいえ前太ももが緊張するようじゃ長続きしない。また引き脚では下死点で脚全体に力を一瞬だけ入れて足の甲で蹴り上げる方法を試してみた。これが意外にいい感じだった。間違っているとは思うけれど。

南端コーナーの所でサワガニが歩いていた。半原越でサワガニは珍しいものではないが、この初冬に道路を出歩くものは少ない。記念撮影をしておいた。いくぶん黒い個体だった。


2016.12.4(日)晴れ 飛行機雲の高さ

飛行機雲

ウィリエールで境川。半原越で反省した引き足の練習。足の甲を使って蹴り上げるような引き足。そして上ハン犬走り。1年以上も下ハンの30km/h巡航に入れ込んでいたものだから、上ハンを忘れていた。

今日は飛行機雲がよく出る日だった。白く濃い筋を引いた飛行機雲が薄く広がって巻雲になっていく。写真の中央にある飛行機雲は巻雲に陰を落としている。影は飛行機雲の右上に見える。太陽は写真の位置では左上にあるから、飛行機雲は巻雲の上かまたは中にできているということがわかる。

巻層雲は一見薄い雲に見えるけれども1キロほどの厚みをもつことがある。幸いなことに飛行機で巻層雲の中を飛ぶチャンスがあった。地上からは薄いベールのように見える巻層雲がじっさいは縦長の雲の重なりだった。あのときは外面と中身のギャップに少々驚かされた。巻層雲が厚ければ飛行機雲が中にあっても影はできる。

ハラビロカマキリ

境川CRの路上にハラビロカマキリが落ちていた。いつもの轢死体だろうと拾い上げてみればまだ息があった。轢かれている様子もない。となるといろいろやりきって死に瀕しているのだ。腹がへこんでいるメスのような感じだ。ハリガネムシに寄生されることもなく無事産卵を終えたのか。複眼もぼろぼろだ。もう私の顔も見えていないだろう。


2016.12.10(土)晴れ 節穴でした

枝

ウィリエールで半原越。いろいろ思うところもあってミドルを34Tにしてみた。そうすると一番小さいギアが34×25Tになる。半原越ではこれ以上軽いギアは必要ない。フロントトリプルをやめてしまおうかというのが、思うところ。

今日の写真は半原越のゴール前80mの所で撮った。まあ、しんどいところだ。それでも尖った石ころがないか、何か虫がいないかと路面に注意をはらっている。そして目に飛び込んで来たのが写真のもの。とっさにトビナナフシだと思った。「一見、枝切れに見えるけれど、その程度じゃ私はだまされません。そこまで落ちぶれちゃいませんからね。ほらちゃんと車に轢かれて飛び出た内臓も見えてるじゃないですか。私の目は節穴じゃあございません。」と正体を見破って下りに撮影しようとゴールを急いだ。

首尾よく下ってきて、トビナナフシのいるあたりを探してみれば、そこにトビナナフシはいない。念のために100m以上下って登り返してもトビナナフシはいない。最も可能性の高い場所には似ても似つかぬ枝切れ(写真)が転がっているだけだ。

トビナナフシが白土三平ばりの変わり身の術を使ったのでないとすれば、見間違いだ。私の目はかなりの節穴らしい。

ラップタイム目標km/hbpmrpmW
区間15'16"5'16"+4313.315273165
区間211'12"5'56"+5211.916867176
区間317'04"5'52"+4712.316969167
区間423'48"6'44"+2610.717864195
全 体+16812.016868176

走ってみれば34×25Tはいい感じだ。やはりダブルでもいいのか。ただダブルにするのは9sに戻すことでもあり、戻さないなら戻さないなりに別の工夫も必要になる。いろいろ迷いは尽きないが、結局このままでいいんじゃないかという所に落ち着いた。


2016.12.11(日)晴れ 少し変な初冬

ハコベ

ナカガワで日曜午前の境川。北海道に大雪を降らせている低気圧のせいかやや強い北風が吹いている。向かい風練習のできる季節だ。3倍ぐらいのギアを使って主に上ハンで走ってみた。上ハン犬走りはしばらく留守にしていた技だ。こういうものでもやり続けていないと衰えるもんだ。自転車に乗っているときしかやらない運動だからなまるのが早いのだろう。

冬らしい快晴で視程もある。高鎌橋から富士山が見えることを始めて知った。境川の富士山ポイントが一つ増えて4つになった。天気も風も冬なんだが、モンシロチョウが飛んでいたり、ハコベが咲いたりしてちょっと変だ。ハコベだけでなくへんなことになっている植物はぽつぽつ目につく。雨が多く気温が高い11月だったせいだろうか。

鷺舞橋から湧水をのぞき込めば、ミゾソバが一気に枯れて茎だけになっていた。水のたまりに小魚が群れていた。おおきく黒いのがフナのようだ。さすがに亀は眠っているだろう。


2016.12.12(月)晴れ ひとまず9sに

このままでもいいかな、と思ったウィリエールのギアを9sにした。やはりいろいろ思うところの結果だ。

そのままの10sだとフロントのギアチェンジに支障がでている。ミドルを34Tにするとインナー28Tに落ちていかないのだ。ミドル38Tなら奇跡的にチェーンがインナーに落ちる。手持ちの廉価版チェーンリング38Tはリバーシブルタイプで8sと9sの兼用らしい。リバースすることでアウターとの間隔を調整が可能だ。ミドルの歯をアウター寄りにオフセットすれば、チェーンはインナー側に脱線しやすくなる。

しかし、普通仕様の34Tではオフセットがないぶんチェーンのかかりが悪く、インナーに落とすことができない。フロントディレーラーがシートチューブに当たってインナーへのシフトに限界がでるからだ。直付けフリクションのレバーを使っても無理。その差1mmほどのことだがけっこうシビアだ。対応として、インナーを使うときには自転車を降りて手動で切り替えることになる。

インナーは半原越の練習でしか必要ない。つど手で落としてもいいけれど、なんかしたくなるのが自転車乗りとしての矜持である。 思いついたのは9sのチェーンを使うことだ。9sチェーンは10sよりも幅が広い。その分、フロントディレーラーのプレートへの当たりも強くなる。たかだか0.36mmほどのことであるが試してみる価値はあると思った。

9sのチェーンはデュラエースが1本遊んでいる。ただこの試作のためにデュラエースを使うのはためらわれた。というのは、シマノのチェーンはコネクトピンでつなぐことになっており着脱が面倒だからだ。コネクトピンはけっこう高価でもある。そこでこの際だからとKMCから出ているチェーンリンクなるものを試してみることにした。

チェーンリンクは2セット1000円ぐらいで、Y's Road渋谷で購入した。着脱は簡単で、昨日ためしにナカガワで100kmほど走ってみた。問題なかったので、ウィリエールに組み込んだ。作業台では肝心のインナーにチェーンを落とすことはスムーズにいっている。チェーンの幅が大きくなったことに加えデュラエース自体が固いことがあるのかもしれない。

9s仕様のチェーン&チェーンホイールを10s仕様のシフターで動かすことには無理がある。実際に走行すればいろいろ問題が明るみになるだろう。なかでも、チェーンの幅が増えてフロントディレーラーのプレートをチェーンがこする可能性が大だ。トリム操作ができるとしても、回避はST-5703では、いささかシビアな調整が必要になるはずだ。実際に走ってみないとその辺の感じはつかめない。

「こする問題」への対応として、リアならば、ダブルレバー台座に小物を取り付ければワンタッチでできるのだが、それをフロントに応用することは不可だった。まあダメだとしてもチェーンの着脱は簡単だから元に戻すことに苦はない。


2016.12.17(土)晴れ 冬の矢川

矢川

ときどき見物に行っている写真の矢川。9sに直したウィリエールで水草を見に行った。境川→尾根緑道→大栗川→多摩川→府中といけば、それなりに快適なサイクリングだ。

矢川は年々寂しくなる一方だ。数年前はずいぶん賑やかなところだった。しかしヤクルトあたりの工事が始まってからは一気に貧相さを増した。いまは写真のところがいちばん華やかかもしれない。水草の濃い緑は主としてヤナギモだろう。ライトグリーンはオオカワヂシャである。

オオカワヂシャの花

左岸の岸部は少し厚く砂泥が溜まっているようで、オオカワヂシャやタネツケバナが花をつけていた。ふつう冬の間オオカワヂシャは水上で成長しない。矢川はやせても枯れても湧水河川である。水は冬でも温かい。水中撮影のために手を入れると生暖かく感じるほどだ。そのせいで水上のオオカワジシャが青々と生育しているのだろう。

ナヤス

矢川の側にある水たまり。おそらく地下水が緩やかに自噴しているのだろう。水中にマリモ?、ウィローモス?と見える緑の塊があった。これはナヤスである。ナヤスらしく浮いているものもあった。どういう加減で沈んだまま生育しているのかはイマイチ想像がつかない。水は澄んでおり流れはない。水底は泥の堆積と推定される。メダカと何かの幼魚も生息していた。

ヤナギゴケ

礫があり日当たりのよい所にはヤナギゴケが生育している。ヤナギゴケは境川の堰堤で発見してからより注意して探しているコケだ。矢川でもとっくの昔にその生息を見ているはずだが意識になかった。見れども見えずということだ。

ヤナギゴケ

その一つを取り上げて接写した。境川のものに比べると葉が丸くて短い。葉の周辺にあるノコギリ型のぎざぎざもよりはっきりしている感じだ。境川のものとはちがう種類かもしれない。

水中

とってもきれいで楽しい矢川なのに、地元ではそれほど愛されていないようだ。その極めて短い流域にはいくつも公園的なものがある。しかしながら湧水環境の美しさを活用する気はまったくないようだ。それは相当残念なことだけど、すくなくとも壊滅だけはまぬかれそうだ。


2016.12.18(日)晴れ 境川のオオカワヂシャ

境川

わが境川でもオオカワヂシャが緑を失わない所がある。鷺舞橋下の湧水もその一つだが、今年は日影になったかげんかオオカワヂシャは見つからない。

写真は、遊水地公園の少し下流。中央の緑がクレソンとオオカワヂシャの混生である。根を張っているのは護岸のコンクリートの割れ目。こうした場所は境川には少なくない。オオカワヂシャだけでなく、ガマや荻など背の高い抽水性植物の楽園でもある。

湧き水

コンクリートには割れ目から水が吹いている。私が立っている境川自転車道の下をしみてくる水だ。境川の両岸は水田等で利用されており、地中を伝わった水が噴き出して水たまりになり、砂泥が溜まって抽水植物が生育できるのだ。

この水は地下を通るときに温められている。境川本流は気温が低くなると冷たくなるが、地下水は年平均気温ぐらいのはずだ。しかも日当たりがよい場所であるので水はけっこう温かいはずだ。別の場所の水たまりを手で触った感じでは、境川本流よりは暖かく、矢川よりは冷たかった。

オオカワヂシャ

この場所のオオカワヂシャが花をつけていた。オオカワヂシャの花は通常初夏のものだが、暖かければ冬でも花をつけるようだ。寒すぎても暑すぎてもダメ、乾きすぎてもダメ、水深もありすぎてはダメ、という時と所を選ぶ植物みたいだ。そのかわり生育に適した場所であれば強健だ。


2016.12.25(日)晴れ 境川の日だまり

ナナホシテントウ

境川の脇にある畑の土手の斜面は南向きになっている。12月下旬の低い太陽をまともにうける日だまりだ。ゆるく吹いている今日の北風は土手の上を渡っていく。背の低い雑草を揺らすほどではない。

初冬は暖かい日が続いた。ホトケノザはまるで盛りのように咲き誇り、ハコベの中には種を飛ばし終えているものもあった。まるで2月のようだ。

草むらからナナホシテントウが這いだしてきた。けっこうなスピードで草を這って上へ上へと登っていく。てっぺんに来ると四半球状の前翅をぱっと開き、折りたたんだ後翅を伸ばして空に飛ぼうとする。

1回目はうまく行かなかった。はばたきも虚しくすぐ下の草むらに落ちてしまった。それでもひるむことなく再挑戦。2回目もうまくいかなかった。そして3回目。周囲から頭一つ出たホトケノザのてっぺんで翅を広げた。やはり飛べなかった。暖かい日だまりとはいえど体温はじゅうぶんに上がっていないのかもしれない。


2016.12.31(土)晴れ 境川のガマ

ガマ

いつもの白旗休憩所でコーラを飲んでいると白い穂がいっぱい飛んできた。捕まえようとすると手をふわりすり抜けた。運良く右腕の服にひっかかってその種を接写。

この種は旧知だ。境川本流の脇にあるコンクリートに根ざしているガマだ。いつもは忘れているけれど冬になってこうして種がとんでくると、あぁあいつだと思い出す。

境川はナカガワで上ハン犬走りの練習。クランクをデュラエースの48×38Tに変更した。クランクの硬さ精度なんて走行感に影響するはずもないと思うんだけど、なぜかデュラエースは進むような気がする。BBがいいのかクランクがいいのか。単なる気のせいか。

ギアは48×16Tのちょうど3倍。風はゆるく南よりで80rpmで30km/h走。私はすでに30km/h巡航は極めている自覚がある。初心者はもう卒業。やっぱりしばらくは半原越でもがんばりたい。半原越で最速なのは75rpm上ハン犬走りだと信じてその習熟に努める。

目の前を白っぽいチョウが横切って土手に降りた。見えたのは1秒程度。モンシロチョウかモンキチョウか、どちらかわからない。自転車を止めてフェンスを乗り越えチョウが降り立ったはずの所に行ってみたものの、チョウは見つからなかった。

今年解いたフリーセルの数は5217個。こうして数えてみれば思いのほか少ないもんだ。


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