たまたま見聞録
見聞日記 天地無朋


2019.12.8(日)晴れ 乏しい季節

クロナガアリ

今朝の冷え込みはそれほどでもなく、庭のクロナガアリは巣外で活動していた。しばらく見ていても種を運んでくるものがいない。庭のササガヤはすっかり種を落として細い茎と枯葉ばかりになっている。落下している種は少なくないとおもえるけれどアリの収穫物ではなくなっているようだ。

私は境川のセイバンモロコシを運んできて、観察のついでに少しずつ補充している。その種はまだけっこう残っているようで、不評なのかな?と思っていた。いくなんでもササガヤがなくなって手をつけないのはおかしいと確かめてみれば、黒く熟した種と見えているのはしいなだった。指にとって力を加えれば容易につぶせる。固い種の感触はなく殻だけだ。働きアリはちゃんと実のつまった種を選別して運んだのだ。そして殻だけがのこっていたというわけだ。

それならと、確保している種を一握りまいておくと、すぐに運びはじめた。私が見ただけではまったく見分けがつかないのだが、さすがにプロの感覚は確かだとあらためて感心した。そしてしいながかなり混じっていることにショックを受けた。境川で収穫適期にうまく集めたと思い込んでいた私は愚かだったのだ。


2019.12.10(火)くもり一時雨のち晴れ アリとミミズ

クロナガアリ

今朝、クロナガアリを見に行くとミミズにたかっていた。ちょうど巣口のすぐ近くにミミズの新鮮死体があって、その回りに働きアリたちが取り巻くように集まっている。たぶん餌だと思っているのだろう。ミミズの体に噛み付いているやつもいる。

クロナガアリは種を主食としているけれど動物も食べる。ダンゴムシの死体を運ぶ様子はよく見ている。極小のミミズを運んでいるのも目撃した。うまい具合に巣の近くにミミズが落ちていたからこれ幸いとありついたのだろう。

こちらもこれ幸いな事件だからと撮影することにした。2、3カット撮って様子が違うことに気づいた。アリが逃げるのだ。普段のクロナガアリはこちらのディスターブを気にしない。違和感は感じているのだろうが、いくら近づいても、頭上5cmでストロボが発光しても、逃げも隠れもしない。それなのにミミズにたかるアリは速やかに撤収していなくなってしまった。なにやら尋常ではない心持ちにいるみたいだ。

そもそもなんでミミズがアリの巣の近くで息絶えたかというのも謎だ。そのミミズに気づいたのは昨日の朝のことである。地面から頭だけ出してうごめいていた。土に挟まってにっちもさっちもいかないという体たらくだ。どうしたら庭の土でそんなことになるのか見当がつかなかった。

今朝には土に埋まっている胴体の脇がアリの通路になっている。もしかしたらミミズのやつはクロナガアリの巣に入り込んでしまって、アリにつつかれるのが嫌で地上に逃れようとして力尽きたのか? さすがに温和なクロナガアリも巣内への闖入者は勘弁ならず攻撃を仕掛け殺してしまったのか? いろいろ謎は多い。

しばらく観察していても、アリはちらほら出歩くだけでミミズを食べたり運んだりする気配がない。ひとまず出勤支度をしてNikonD700をもって出直してくれば、最初に見たときのようにミミズを囲んでアリたちがわさわさしていたのである。今日の写真はその1枚。さまざまな謎はさておき、クロナガアリというやつは等倍マクロで撮るとぜんぜん面白くないな、と再確認。


2019.12.22(日)くもりのち雨 雨とアリ

クロナガアリ

朝から降り出しそうな天気で女房と境川。昼頃にはぽつぽつ雨粒が落ちてきて濡れ鼠はかなわんからと早めに練習を切り上げた。

雨はしばらくぐずぐすしていて雨滴が大きくなったのは3時頃。雨の中でもアリが活動しているというカットを物にするチャンスの到来だ。いそいそと庭に出てクロナガアリの撮影。この冬は暖かくクロナガアリは巣外活動を続けている。今朝も巣口の周囲で数匹が種を運んだりゴミを捨てたりしていた。

雨はそれなりに降って雨合羽にはぽつぽつと雨滴の音がする。カメラは水滴まみれ。雨粒が地面に落ちるとゴミが動く。アリが捨てた種の殻と巣作り残土がうずたかく積もっているのだ。

狙いはアリの体についている雨滴だが、肉眼ではそれが見えない。ファインダーでもかろうじて認知できる程度だ。旧式カメラのNikonD100はファインダーがよくないのだ。とにかくアリがいれば数打つしかない。フィルム時代と違っていくらシャッターを押しても経済的損失がないのはデジタル最大の革新といえよう。とにかく数打つことだ。ワンカット撮っても1秒後には雨滴がアリを打って体に雨粒がついているかもしれない。

なんだかんだと400カットばかり撮って、これだ!というのはなかった。2019年は雨の冬至にササガヤを運んだという記録にはなった。


2019.12.30(月) やっぱり雨とアリ

クロナガアリ

しつこくクロナガアリを撮っている。とりわけ今日のような小雨の日にはいつもより多めに撮ってしまう。写真は雨に打たれ手ぶらで帰還した働きアリ。

この冬はとにかく暖かい。冬というより秋のようだ。先日やっと冬の雲を見たほかは冬らしいものに出会っていない。クロナガアリも毎日その姿を見ることができる。巣からは草の種の殻や土くれを運び出す。ときおりササガヤなどの種を取ってくるところを見れば、まだ食べるに足る落ち穂があるようだ。

多いのは所在なくうろつく働きアリだ。巣から顔を出しただけで引っ込んだり、出てきても半径20cmほどの円を描いて帰宅したり。

彼らに雨粒の爆撃はこたるようだ。今朝のように雨の降り始めには巣口から離れたところにいる働きアリが見つかる。落ち葉の陰に隠れて雨をやり過ごしているのか。種を探しているうちに雨に打たれて帰ることもできず途方にくれているのだろうか。そんな姿にぐっとくる。


2019.12.31(火)晴れ 落ち穂拾い

クロナガアリ

ものすごく穏やかな大晦日になった。午後からは風が少しでてきたものの、日差しが強く暖かい。こんな冬でいいものかと少し心配になる。

クロナガアリの活動は盛んだ。まるで10月のような賑わいがある。しばらくはササガヤを運ぶことはまれだったもので、もう落ち穂は少ないのだろうと思っていた。どうもそうではないようで、今日は次々にササガヤを巣に運び入れていた。働きアリの巣外活動は気温次第のようだ。

大晦日らしいこともしようと伸び放題になっているモッコウバラの枝を切った。ぜんぜん掃除もしてやれない24インチと黒パナを洗って油をさしておいた。ほかのロードはスルー。定期的に洗っているからまあいいかということで。


2020.1.1(水)晴れ ギフチョウと蛍

クロナガアリ

目が覚めたのが5時ぐらいだった。よい毛布を手に入れてから未明に目を覚ますことがなくなっていたが、早く寝入るとやっぱりダメらしい。昨夜はいつもより少し早めの0時頃に眠っている。

目覚めの前にちょっと愉快な夢を見ていた。外国人の昆虫愛好家がチョウを捕まえて騒いでいる。なにやらものすごく珍しいものらしいのだ。私にも鑑定してくれと差し出すが、ギフチョウらしいことしかわからない。前翅の縁が青く輝いているから、もしや○○○ではないかというのだ。確かによく見れば、ギフチョウなのにカラスアゲハのようなきらめきに翅の縁が彩られている。素人の私はそんなギフチョウがいることすら知らない。外国人の愛好家もプロではないらしく、私を見込んでいろいろ尋ねてくるが、どうにも返答のしようがない。

そこにがやがやと数人のプロがやってきた。リーダーを伊藤君とする日本を代表する昆虫マニア連中だ。伊藤君たちはすぐさまそのギフチョウを囲んで大騒ぎをはじめた。やはりそれは○○○のようで、半世紀ぶりの発見だそうだ。まだ絶滅してなかったんだとかこの辺にいるんだとか、話は尽きそうもない。

まあそれはよかったと私は連れといっしょにその場を離れた。手つかずの大自然というのがふれこみのそのあたりは田んぼがあったりササの小道があったりする普通の田舎だった。この辺もしばらく前は原生林だったんだろうねと、林を見上げた。冬枯れらしく葉がなくて細い枝が天をさして絡み合っていた。空は薄明るい。未明で靄がかかっているのだろう。そのきなりの空気の中にぼんやりと小さな明かりがあった。その明かりは一回だけまたたいて枝の重なりに消えた。蛍の飛び方だった。私は連れに「ほら、あそこに蛍がいるよ」と指さし、もう一度明かりがともるのを期待したけれど、もう光ることはなかった。

少し遅めに目を覚ました女房によく眠れたかと聞かれた。あいにく夜明け前に目をさましてしまった、最近好調だったのに残念だとこたえると、「でもいい夢見たんでしょう?」と彼女は言う。それで「ギフチョウと蛍が出てきたよ」とこたえた。女房は「ほらやっぱりいい夢だ。ちゃんとわかるんだから」と笑っている。なんでわかったのかは聞かなかった。

元旦も良い天気で風も冷え込みもそれほどではない。庭にでればササガヤを運ぶクロナガアリもいた。


2020.1.4(土)晴れのちくもり オオカワヂシャの復活

オオカワヂシャ

今日も女房とサイクリング。ウィリエールで境川に向かう。

ほとんど習慣と化している宮久保橋の堰堤をチェック。写真のようにオオカワヂシャが復活している。遠目にも目立つもので3つばかり。小さいものもたくさんある。先の台風で根こそぎやられたオオカワヂシャの復活だ。台風の増水ではヤナギゴケも流されてコンクリートがむき出しになっていた。ヤナギゴケが復活しなければオオカワヂシャもない。

オオカワヂシャのほかに、私が稲だと思っている草も復活していた。大きくなったらちゃんと調べないといけない。といっても専門的な同定は難しいだろう。暖かくなっても育っているようなら移植して経過観察だ。ちなみにわが家の稲はまだ生きている。そこそこ寒くても水があれば枯れないこともある。

女房はめきめきと自転車の腕を上げている。あれよという間にいっちょまえの走りになった。女房でなければ、誰に指導を受けてる娘さんかと気になってしょうがないだろう。あれだけきれいに走れる人は境川では滅多に出会えない。


2020.1.11(土)くもりのち晴れ一時雨 謎の白い粒

クロナガアリ

女房との境川サイクリングを終えてクロナガアリの様子を見に行くと、数頭の働きアリが外に出ていた。さっそくスーパーマクロで撮影。

ササガヤの落ち穂を運ぶものもいる。ユキノシタの茂みを横断するルートなもんで、けっこうな骨折りになる。ユキノシタの葉は地面近くに広がっており葉には細長い毛が密生しているのだ。働きアリにとってはちょっとしたブッシュになるだろう。

巣の中からゴミを運び出すアリもいた。ゴミはファインダーで覗けばミズヒキの種のようだった。白い毛がついており、カビが生えて食料にはならなくなったものと思われる。

そのカットをパソコンで見直してみるとなにやら白い球体が写っている。アリの目玉ほどの玉がミズヒキの種についているのだ。これはなんだろう。かねてから似たようなものがアリの体についていることが気になっていた。ただそれとはちょっと違う感じだ。

こちらの玉は完全な球体に見える。アリの巣の中から運び出されたものなんで、アリの卵というのはありそうな線だ。もしかしたら、以前からみているいびつで若干黄色みを帯びている球も卵なんだろうか。卵なら発達の具合によって色や形が変わる可能性もある。孵化殻かもしれない。それにしてもクロナガアリの巣内では卵置き場と食料置き場は離れているはずなんだが。卵でなければなんだろう? カビだろうか。


2020.2.1(土)晴れ 迷う働きアリ

クロナガアリ

この冬はどれだけ暖かいのかと心配になってしまう。2月になった今日もクロナガアリは地上で活動している。ゴミを捨てたり種を運んだり。もうそろそろ巣口を閉ざすはずだがと、観察を続けている。自ら巣口を閉ざすのか、出入りをしなくなれば自然に泥が溜まるのか。これまではその双方の状態を確認している。今年はどうなるか確かめておきたい。

今日の写真はセイバンモロコシの種を運んできたクロナガアリ。この不自然な構図は巣口との関係を示すためだ。写真右の暗がりが巣口。あと1センチで巣に入れるところだ。当然のことながら、このまま速やかに種を運び込むのだろうと踏んでいる。巣とアリのシャッターチャンスを狙って撮影しているのだ。

ところが、このアリは転回してしまった。ストロボで驚かしたわけでもない。ごくごく普通に進路を変えたのだ。その後10分ばかり観察を続けたが、何度も巣の近くまできて方向転換をしている。

実は冬になってからそのように巣口を見失う働きアリが目立っているような気がしている。働きアリの数が少ないからそう見えるのか、経験不足のアリが増えて実際に迷っているのか、その原因はよくわからない。人である私はそういう行動にやきもきする。ちょっと誘導してやろうかという偽物の親切心を起こしたりして、自分にいらだってしまう。


2020.3.7(土)くもり ツーリング仕様

ナカガワ

写真にあるようにナカガワをツーリング仕様にした。タイヤも太めの25c。ペダルはSPD。クランク長は165mm。ギアは46-32×14-30という極めて軽いもの。ステムは短く高くSTIも使っている。シマノの中では一番好きなSORAというモデルだ。

この4週間ばかり、全く自転車に乗れなかった。風邪をひいて、熱などの症状は軽微だったものの、ものすごく腰が痛くなった。いわゆる体幹の筋肉が全部張って筋肉痛だ。ひどいときは寝返りもできなかった。靴下の脱ぎ履きも手伝ってもらうという体たらくで2日ばかり寝込んでしまい、通勤する以外は家から出なかった。

少しぐらいは体も動かした方がいいだろうと、自転車をいじりはじめ、やろうとしてのびのびだったナカガワの仕様変更に着手したのだ。そもそも30年ほど前にこのフレームをオーダーしたときは、ツーリング仕様の予定だった。体が弱くなって、もはや力いっぱい走れまいという弱気が引き起こした原点回帰である。

腰の具合を気にしておそるおそる走る境川。ひと月ばかり留守にすれば、境川はもう春の装いだ。湧水ではオオカワヂシャやヤナギが芽吹き、セブンイレブン裏のギシギシには春のハムシがたかっている。普段の60%の力で60%の距離を走ってきた。庭のクロナガアリは巣口を閉ざしている。


2020.3.20(金)晴れ 寂しい春

ツーリング仕様にしたナカガワで境川。天気が良くて暖かく風が強い。まったり春を楽しむにはよい日和だ。ヒバリやウグイスが鳴いて、路傍には春の花が咲き誇っている。ホトケノザは冬にも花をつけるけれど、はやり春の花がきれいだ。風に吹き飛ばされるようにチョウも舞う。一番多いのがモンキチョウで、モンシロチョウもちらほら見つかる。まさかモンシロチョウの初見が春分になろうとは。ずいぶんひきこもったものだ。

菜の花畑や籠抜けしたブロッコリーの黄色い花をみてちょっとした違和感を感じた。花に虫がいないのだ。いまニホンミツバチが壊滅的になっているらしい。その原因が新手のダニということだ。ニホンミツバチがそのダニに対抗する手だてを持っていないらしい。そういう害虫ならハチの家族社会に一気に蔓延するだろう。社会というシステムは強力だが弱点もある。人間もハチも同じだ。ダニがニホンミツバチのスペシャリストなら早晩落ち着きを取り戻すはずだが、他のハチ、アブに寄生するようなら危ない。ニホンミツバチがまじに壊滅するかもしれない。

思い起こせばこの冬はビワにも梅にもニホンミツバチがいなかった。私の怠慢で見落としていたのなら良いのだけど、今日は菜の花にもオオイヌノフグリにもハチがいなかった。


2020.3.21(土)晴れ ニホンミツバチ

菜の花畑

ニホンミツバチの趨勢はかなり気になる。境川を走るついでに写真の菜の花畑を見てきた。畑と林のわきにセイヨウカラシナがよく育っている。人が植えているものか勝手にはびこっているものか、知るよしもないけれど、これだけの群落ならハチアブチョウがぶんぶん飛んでいるはずだ。春分なんだから。

菜の花の中に入ってみても虫が少ない。アブとモンシロチョウがちらほら。ニホンミツバチはしばらく探してやっと見つかった。この群落に10匹というところだろうか。異常に静かだ。臨死体験じゃあるまいし。

ニホンミツバチは元気に菜の花の蜜を求めている。撮影を試みるもののなかなか落ち着かない。加えて強風だ。オートフォーカスは間に合わずハチはすぐにフレーム外だ。しょうがなく連写モードで僥倖狙いにした。そんなやりかたでもなんとかなるのがTG-5のすごいところだ。

境川には方々にオオカワヂシャが育っている。農業用の水路にはもうひと抱えほどにまで大きくなった水上個体があった。そのそばにはケキツネノボタンのような黄色い花が咲いている。ちょっと葉の形が違うんだけど何だろう?

クビキリギスが鳴けばいよいよ春本番の境川だけど虫はやっぱり少ない。記録的な暖冬のせいなんだろうか。


2020.3.28(土)くもり 150mmのクランク

ナカガワ

ナカガワのクランクを150mmに変更してみた。これまで、おおむね165〜170mmのクランクを使ってきたから、10%以上短いクランクということになる。クランクは長い方がテコの原理で軽く走れる。しかし上手に快適に走るには短いクランクでもいいではないかという発想から思い切って短くしてみたのだ。

乗ってみればそれほどの違和感がないことに驚いた。サドルもそれほど上げなくてよいようだ。20mm短くなったからといってサドルを20mm上げるというわけではなく、 半分の10mmぐらいでちょうどよいようである。


2020.4.4(土)晴れ 昔のもの

ナカガワ

ナカガワを少しずつ仕様変更して境川。リアのギアを13-27にしてみた。これなら普通のロードのディレーラで動く。ただ、STIをしばらく使ってみようとXTRのままにしている。そのうちWレバーにするときに換える予定だ。

今回の目玉はサドル。サンマルコロールスというかつての名品だ。30年ほど使ってボロボロだが使用感はたいへんよい。ナカガワには厚ぼったいサドルがでんとあるのが似合うと思う。このオールドスタイルで春爛漫の境川をゆっくり走る。

今日は強い南風が入ったためか虫の活動は鈍い。サイクリングロードに出てくる虫がいない。モンキチョウ、モンシロチョウ、アゲハが数頭見つかる程度だ。暖冬のせいかソメイヨシノの開花はばらばらだった。晩春の葉桜が好き。川の本流でナマズが見つかる。毎年春にはナマズを見ている。どうやら春に浅瀬に出てくるのは彼らの習性みたいだ。

雑草だらけの庭はつかの間の花盛りだ。クサイチゴと名も知らぬ園芸品種が白い花を一面に咲かせている。アブやハチもやってくるけれどすこし寂しい春だ。この辺に残っていた平地林は次第に宅地に変わっていった。それに合わせて庭に来る虫が減っていった。20年前の賑わいが戻ることはもうないだろう。


2020.4.5(土)晴れ一時くもり クサイチゴの蜜線

午前中、庭に日が射して虫の様子を見ていた。この季節に頼りになるのはクサイチゴの花だ。ただ今朝は気温が低く北風がややあって昨日撮影できたハチ、アブは来ていなかった。


クサイチゴ

クサイチゴは花盛りをやや過ぎて花びらが落ち青い実をふくらませはじめている。その中に雄しべの付け根が太陽光を反射して光っているものがあった。どうやら蜜が浸みだしているようだ。花が終わっても蜜はでるものと見える。ただ数は多くない。今朝の観察では50のうち一つといったところか。


トビイロケアリ

クサイチゴの蜜を見るのは初めてなもので、あわててスーパーマクロを取り出して撮影にかかった。うまい具合にアリが来ている花が見つかった。トビイロケアリらしい。こいつはドクダミやハルジオンにたかるアブラムシによく集まる。蜜の好きなアリらしい。こういうシーンもSBー29をつけたスーパーマクロなら楽にスナップできる。


キスイモドキ

クサイチゴの花には茶色の甲虫も目立つ。キスイモドキらしい。花にもぐっているため撮影は簡単ではないけれど、こういうのもSBー29をつけたスーパーマクロなら地面に寝転がってスナップできる。子どもの頃、クサイチゴを競って食べていたものだが、小さなウジ虫をいっしょに食べてしまうことがあった。どうやらこのキスイモドキの幼虫だったようだ。


2020.4.9(木)晴れ ムラサキカタバミの日周運動

クサイチゴ

庭にはちょっとだけムラサキカタバミが育っている。写真の株は南向きのゴミ箱の脇に生えているものだ。生育環境としてはよくないかもしれないが、観察には都合がよい。

こいつのおかげで、ムラサキカタバミは夜に閉じて朝に開くことがわかっている。雨の日なんかは開かないこともある。花は1つのものが複数回開く。そして今日、ムラサキカタバミは太陽に向かって回ることが判明した。写真のように花が左、すなわち西の方を向いている。こいつの生えている場所の状況から、朝には東にむかっているのが、陽を追って西に回ったのだ。

ムラサキカタバミは地面にへばりついているような背が低い花だ。普通に見ていると日周運動をしていることに気づきにくい。こうやってたまに庭でいい思いができる。


2020.4.11(土)晴れ 引地川

引地川

今日のような日に境川に行くのは自殺行為だと思い、引地川、目久尻川、相模川を回ってきた。漫然ゆったりと群青で走るだけ。うまくすれば草や虫を見ることもできる。

写真は引地川。いまやたいへん残念でもったいない川に成り下がっているけれど、もとはたいへん美しい流れだったはずだ。泉の森の泉を水源とする湧水河川でいまなお水は澄んでいる。水流に揺れているのはオオカワヂシャだ。岸にある空中オオカワヂシャは薄紫の花をたくさんつけている。わが世の春だ。場所は米軍の飛行場のちょうど脇に当たるところ。

目久尻川の水は黒く泡立っている。引地川に比べて水源から遠いだけかもしれないが、見所は少ない。浅瀬にうごめく黒い塊を見つけ何事かと自転車を止めた。どうやら魚の幼魚の群れである。1万匹はいるだろうか、一畳程度に群れてときおり水面を泡立たせている。えさでも食べた個体の動きへの反射行動なのだろうか。自転車を止めたところにあったフジの花を撮った。

相模川には大きな遊歩道が建造中だ。高速道路をつくったついでらしい。広いところでは幅が20mほどもありそうだ。自転車も通行可だ。住宅地からは少し離れているから利用者は少ないだろうけど恐くて近づきたくない感じだ。海老名の鳩川ぞいにある狭い凸凹舗装の自転車道のわきにオドリコソウのしっかりした群落があった。50年ぶりの出会いだ。ただし、TG-5はGPSモードがONのままで痛恨の電池切れ。

引地川も、目久尻川も、相模川も、自転車で楽しく走れるところではない。川岸の道は断続的で半分ぐらいは未舗装だ。むろん砂利も草道も苦手ではないのだけど自転車が土埃をかぶってしまう。なんでわざわざこんな所を・・・という反省は否めない。走っているときは快適なんだが。


2020.4.19(土)晴れ TG-5復活か?

オドリコソウ

先週、相模川を回ってオドリコソウの群落を見つけた。よしきた!とTG-5を取り出すとバッテリー切れだった。GPSのLOG機能ボタンをオンにしていたため電池が消耗してしまったのだ。今日は再挑戦の相模川。

天気が良くて暖かく北寄りの風がすずしい。すばらしい自転車日和だ。サイクリング仕様にしたナカガワでいつものコースを相模川へ。チョウはモンシロチョウとモンキチョウ、ベニシジミが多いがアオスジアゲハも見かけた。特に早いというわけでもないだろう。アゲハはとっくの昔に飛び回っている。

相模川のオドリコソウ群落は満開だ。大きなクマバチが来ている。オドリコソウはよい蜜がたっぷりでるからハチとしても頼りになるだろう。クマバチの吸蜜を遠目でみた限りではまじめに花に顔を突っ込んでなめているようだ。頭についている黄色いものは体色なのか花粉なのか。得意の盗蜜もやっているのかもしれない。この場所はクマバチまでは近づけないのがちょっと残念。

オドリコソウの花は魚露目で撮った。今日はTG-5が正気に戻ったように思う。ここしばらくたいへん調子が悪かった。電源ボタンを押しても電源が入らないのだ。まずは修理に出そうと思った。ただし、この手の故障でも2万円ぐらいかかる。いろいろ工夫してなんとならないかとだましだまし使ってきた。だましだましというのは電源長押し1分ほどで起動することがあるからだった。そして、電源を入れる前にGPSのLOGスイッチを入れると電源が入りやすいことに気づいた。さらに電源を落とさずにスリープで放置すれば問題ないことにも気づいた。スリープ機能では電池が消耗せず1週間ぐらい放って置いても良かった。撮影後電源ボタンさえ押さなければ問題ないのだ。

というようにだましだましの使用だったのだけど、先週は誤って電源を落としてしまった。それで得意のGPSのLOGをONにしてから電源を入れて事なきを得たのだが、LOGをOFFにすることを忘れ、いざオドリコソウを撮る段になって電池は消耗仕切っていた。

たいへん残念だけど、良いこともあった。帰宅してバッテリーを充電済みのものに換えて電源を入れてみれば、問題なく、何事もなかったかのように電源が入る。試しに電源を落として、再度電源スイッチを押しても電源が入る。

おもうに電源がおかしくなったのはGPSのLOGボタンを押したままにしてバッテリーを完全に使い切ってからのことだった。LOGなんて使う気もなく、ボタンがいつの間にかONになっていたのだ。バッテリーは充電したものの設定がおかしなことになっていることで異常に気づいた、そして電源が入らなくなったのだ。

かくて先週、GPSのLOGをオンのままにしてバッテリーが消耗した。そして電源が入るようになった。もしかして自力復活、カメラにも自浄能力があるのだろうか。パソコンだと不調のときに「干す」ことがある。しばらく放電させる非常手段だ。図らずもそれと同じことをやったのかもしれない。

首尾良くオドリコソウも撮って、おみやげのホトケノザも採取して、庭を見ればヒメジョオンらしい花が咲き誇っている。いまの季節にヒメジョオンは変だけど、こいつは先の2月にも咲いた変わり者だ。


2020.4.26(日)晴れ 白いカタバミ

群青に乗って相模川へ。昼飯はなんとなく番神水でとることにした。番神水は偶然見つけた湧水だった。リシアが群生してかなり素敵な水だと思った。クレソンを在来の希少水草と勘違いしたほど目がくらんだ湧水だ。その数年後、ゲンジボタルを見ようということで家族総出で番神水とは知らずにでかけたこともあった。

番神水は寂しい扱いを受けている普通の水路に過ぎない。溝の造りから推測するにかつては生活用水にも用いられていたようだ。貴重な湧水だったらしく小さい社も設けられている。

エゾタチカタバミ

流れの脇で昼飯を食おうと座り込むと、白い花が目に入ってきた。その花の名はすぐ分かる。エゾタチカタバミである。しばらく前に、変なカタバミだと思って名を調べた。その白いタイプを見るのは初めてだ。

ムラサキカタバミ

珍しかったのはこれだけではなかった。その3mほど離れたところにもう一株白いカタバミがあった。どうもそれはエゾタチカタバミではなくムラサキカタバミである。白いムラサキカタバミもこれまた初めてだ。


ムラサキカタバミ

花が白いこと以外はムラサキカタバミである。葉の感じも花にラインが入るところも普通のムラサキカタバミと違いはない。かじればたぶん酸っぱいだろう。

ムラサキカタバミ

どういうわけで番神水の脇に白いカタバミが2種もあるのだろう。周辺の感じから品種改良をされたものを植えているということは考えにくい。この事件解決の手がかりを探っていると、さらに3m離れたところにムラサキカタバミがあった。病気で具合悪そうだが、これまで見てきたムラサキカタバミに相違ない。その近所には黄色いカタバミもあった。


2020.4.28(火)くもりときどき晴れ アブラムシのスナップ

アブラムシ

今朝、カラスノエンドウにアブラムシの有翅虫をみとめた。いま、庭にはアブラムシが極めて少ない。とりわけカラスノエンドウでは群れを見てなかった。これから爆発的に増えていくことだろう。アブラムシすらいないようでは庭が寂しくて張り合いがない。

さて、この写真は等倍マクロで撮ったトリミングなしの写真である。手持ちのフルサイズ一眼レフでスナップした。午前中の薄曇りで光の条件はとてもよい。f32で1/125秒、isoはなんと2200である。写真機はニコンのD700 。発売当時、安価なFXフルサイズで暗いところでもよく写るのがウリだった。これは欲しいと、満を持して半値になったときに中古を買った。

いまはカメラの世界はものすごいことになっているらしい。もっと暗いところが撮れ、手ぶれ補正が効き、マクロでもオートフォーカスが使え、過去も連写で記録され、深度合成で気の遠くなるほどピントが来るという噂だ。等倍マクロは頻繁に使うレンズであり、そういうのも欲しい。

レンズは90mm等倍マクロだ。最短まで寄って最大の倍率で撮った。だからf32まで絞る必要がある。製品は通称タムキューというタムロンの名品の一つで入手はもう30年ほど前になる。フィルム時代のしろものでちょっとカビも生えている。当然、新型のマクロレンズを欲しいと何度も思った。それは撮影に失敗したときである。人為的ミスが毎度の原因であることはいうまでもない。

今日のような写真が撮れれば、これで十分じゃないかと思えてくる。プロではないので写真に結果は求められない。記録用にスナップして、対象が写っておればよい。名のある被写体であれば写真から同定できれば大満足だ。それでも、結果は捨てがたい。運良くきれいに写っておれば「まだまだオレもいけるじゃないか」という自負心につながる。私の機材はその程度の道具だと反省すれば、現状ですらオーバースペックだとわかる。


2020.5.2(土)晴れ 不吉な白粒

アブラムシ

カラスのエンドウに遅れてハルジオンにもアブラムシがつき始めた。自然度としてまったく貧相な庭で、アブラムシぐらいはたんといて欲しい。私には吉兆である。このハルジオンのアブラムシはきっと母子だ。有翅虫が母でまわりにいる10匹ほどが子どもだろう。小さい子ほど母の近くにいて甘えているように見えるのがなんとも微笑ましい。

しかし、この母子の運命は明るいものではない。茎に細長く白い粒が二つみとめられるのだ。これはアブラムシにとって凶兆。きっとアブの卵だ。もう数日もすれば孵化してアブラムシを食い始めるはずだ。こうなるとこの母の子孫はどれだけ生き残れるのか、はたまた全滅するのか。目が離せない…というのは嘘だ。目を放している私のそばで毎年起きる虫たちのささやかな営みだ。


2020.5.3(日)晴れのちくもり 夏の訪れ

ナカガワ

先日までストーブを使っていたのに、もう昨日からは汗ばむ陽気だ。写真のツーリング仕様ナカガワで境川。ただし何かと鬱陶しい自転車道は一切通らず河川近くの一般道を利用した。

境川の周辺は例年通り初夏の花が盛りだ。木の花には白く清楚なのが多い。ノバラ、クマノミズキ、タニウツギ、ミズキ。246号線脇にある下水処理場裏のミズキは毎年観察している。この数年、キアシドクガの乱舞が見られる木だ。枝葉にはキアシドクガの幼虫が多数いる。今年も期待できる。

背伸びして枝を引き寄せキアシドクガを撮影して足元をみればそこにホタルブクロがあった。思い起こせば例年この場所でホタルブクロを見ている。まず意識にのぼらないホタルブクロだけど、見ればああそうだと思う。いつものことだ。こうしてまた変哲もない夏が訪れた。


2020.5.5(火)晴れのちくもり 葉巻のキアシドクガ

キアシドクガ

いまはミズキの花盛りだ。花は蜜が多いらしくいろいろな虫を集めている。そして葉にはキアシドクガがいる。境川の下水処理場近くの歩道にはみ出しているミズキにもキアシドクガがたくさんいる。3日に撮影した木は撮影条件が悪かったもので撮りなおそうと手頃な毛虫を探した。

すると巻かれた葉がいくつも見つかった。一見して虫の仕業なのは確実だが、正体に心当たりはない。そこで写真のように一枚をたぐり寄せて中を覗いてみた。すると見つかったのは紛れもなくキアシドクガである。葉は3分の1ぐらいかじられ、糸を使って巻き合わされ筒状になっている。キアシドクガが巣のようなことをしているとは思わなかった。普通に葉を食いあさるだけの毛虫のはずだった。この写真で見る限りでは葉を巻いてからかじったようである。

もしかしたら他の虫が巻いた葉に入り込んだだけかもしれないと5枚ばかり調べてみた。その結果、すべての葉に大小のキアシドクガがいた。そのうちの1枚は脱皮殻と幼虫が同居していた。まだ小さく写真のものの半分ぐらいのサイズだ。キアシドクガは葉に隠れて脱皮する習性があるのかと思える。


2020.5.6(水)くもりときどき雨 ナガミヒナゲシ

ナカガワ

写真の空き地は境川のサイクリング道路から50メートルばかり離れた所にある。青草がはびこるこの季節に枯れ野原ってのも奇妙であるけれど、見所はオレンジの花だ。私はここでナガミヒナゲシの去就を傍観している。

そもそもナガミヒナゲシのことを意識したのは10年ほど前だ。東京の世田谷の道路脇ではじめて見た。そのオレンジの花はよく目立つ。遠目にはけっこうきれいな花だが、寄ればお世辞にも美しいとはいえない。ナガミヒナゲシは年を追うごとに私の生活圏にはびこって、一時ほどの勢いはないものの春のアスファルト道路を彩る花として定着した。

2015年5月、この空き地は一面ナガミヒナゲシで覆い尽くされていた。私が目撃した最大群落だ。サイクリング道路からでもそれとわかるぐらいの繁茂だった。その光景はまるで人が植えたようであり、よく臨死体験でみるヒナゲシ畑みたいだった。おそらくやつらの好む環境は日当たりの良い乾燥した痩せ地だ。境川のこの場所は、休耕地ではなく資材置き場か駐車場として利用されていた土地が放置されているのだろう。

ナガミヒナゲシの天下は長くはないだろうと思われた。土地利用が変われば環境が変わり、ナガミヒナゲシのような隙間植物がいつまでもはびこることはないはずだ。

あれから5年、ナガミヒナゲシは年々減っていった。今年はもうなくなってるんじゃないかと思っていた。まだたくさんあることにちょっと驚いて昨日撮影した。土地は相変わらず放置されているようだ。地面を見る感じでは乾燥が進んでいるようである。ナガミヒナゲシはもっと乾燥に強い草に追われているのだろうか。イネ科と見える草に覆われて発芽できなくなっているのだろうか。それとも除草剤がまかれたのだろうか。

今朝、玄関を出るとナガミヒナゲシが咲いていた。アスファルトの隙間にうまく根付いている。花が咲くまでそこにあることに気づかなかった。わが家での初確認だ。わが家の庭は日当たりが悪く湿っぽいのでナガミヒナゲシには向かない。


2020.5.9(土)くもり カラスノエンドウの巻きひげ天地無朋

カラスノエンドウ

昨日のこと、カラスノエンドウの花がすっかりなくなっていて驚いた。すでに花の季節は盛りを過ぎ豆はふくらんできている。それでもいっぺんに花が見られなくなるとは思っていなかった。一夜にして消滅・・・?と、あっけにとられたのだ。そして写真の状態を見つけた。5本の巻きひげが絡み合っている。定型句らしく、頻繁に耳にするものの見たことのない「緊密に連携を取り合って」という状況が厳然と足元にあった。

カラスノエンドウは巻きひげで他の何かに掴まりつつ成長する草なんだから、お互いに支え合うという状況は普通かもしれない。でも、私には異常に見えた。というのはこれまでアレチウリなんかで見てきた印象で、同種は絡み合ってなかったようだからだ。

葛藤というのは葛と藤がからみあう状態で、それは腑に落ちる。植物にとって巻き付かれ足場されるのは迷惑千万だろう。日当たりが悪くなるからだ。異種間であれば情け無用の生存競争を繰り広げるべきだ。同種では相打ちを避けるために巻き付きは遠慮しあうほうが理にかなっている。そんな先入観から巻きひげを見誤ったのか。

今年は庭のカラスノエンドウが豊作だ。観察の時間もとれた。私が見る限り、カラスノエンドウの巻きひげに遠慮はないようである。同種であれなんであれ巻き付けるものは巻いてしまう。アレチウリなんかでも同様なのか、カラスノエンドウは例外なのか、他の巻きひげ植物を観察しなければなるまい。


2020.5.18(月)雨 害虫

キバラモクメキリガ

わが家にも少なからず害虫がいる。サンショウにつくアゲハは害虫で駆除の対象だ。かつて、アゲハを好き放題にしておいて、サンショウが全滅した苦い経験があった。アゲハはサンショウと同時にミカンにもついていたが、サンショウもミカンも幼株だったものでアゲハを養い切れなかった。木は枯れ、虫は餓死して共倒れだ。

こうして、人命か経済ということに類似の二者択一を迫られることもある。甘い考えでぐずぐずしていると取り返しがつかない事態になるのだ。

写真のキバラモクメキリガの幼虫が食っているのはヤマノイモである。ヤマノイモもわが家では雑草である。ムカゴは少しばかり食べているけれど、イモを栽培しているわけではない。雑草なら建前として食ってもらってかまわない。しかし、このヤマノイモに限ってはワンランク上のプレミアム雑草だ。というのは成長を毎年楽しみに見ているからだ。去年は雨樋とエアコンの排水パイプをつたってベランダに到達した。今年はどこまで行くのか、はたして何年生きるのか。玄関のタイルの隙間から伸びてきたヤマノイモの成長はちょっとした楽しみなのだ。

キバラモクメキリガはわが家でもけっこう多いイモムシだ。ヨトウガの仲間で草むしりをしていると丸まって転がっていたりする。こいつは6日にカラスノエンドウの茂みにいた個体だろう。ずいぶん成長したもんだ。抜け目なくヤマノイモを見つけ一晩で葉を4枚ばかり食った。この調子で食われると、ヤマノイモに致命的な害を及ぼすかもしれない。かといって殺すのはかわいそうだ。多食草のイモムシなんで、場所を移ってもらうことにした。


2020.5.23(土)くもりのち晴れ キアシドクガ天地無朋

キアシドクガ

今日は午前中雨の予報だった。いさんで境川。群青ででかける。雨の予報さえあれば境川は空く。雨は降る必要はない。ひさびさに気分良く走れる。

境川ではキアシドクガが目立つ。写真のようにミズキを乱舞するのはなじみの光景だが、モンシロチョウと見まがうようなところにもいる。飛び方が蛾なんですぐに区別はできるけど、数年前にはキアシドクガがサイクリングロードわきのキャベツ畑を飛びことはなかった。

キアシドクガを知ったのは50年前だ。実物ではなく小説で読んだ。そして実際に群れ飛ぶ姿を見たのは35年ほど前のことになる。石川県の尾口村に発生木があり見事な乱舞を目にすることができた。白山自然保護センターのプロに教えてもらったのだ。当時でもキアシドクガが乱舞する木は多くはなかった。自然豊かな場所では大発生はないかもしれないという見解を聞いた。

神奈川県ではしばらく前はそれほど多い蛾ではなかった。この10年ぐらい徐々に数を増やしているように思う。継続的に観察している下水処理場裏でも2年前よりも去年の方が多く、去年よりも今年の方が多い。境川、相模川、小鮎川一帯では群れ飛ぶ様子が見られる木の数が増えている。今年ぐらいの数だと「きれいだ」という印象だ。この調子で増えてもらって、壮観を越え不気味なぐらいの乱舞を目にしたい。食べ物がその辺にいくらでもある雑木のミズキであるし、毒のある蛾でもないから駆除の対象にもなるまいから。


カタバミ  テトラ  ナゾノクサ
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