たまたま見聞録
見聞日記 天地無朋


2019.10.5(土)晴れ GarminVIRBedit

GOPRO

GoProHIRO7というカメラをゲットした。これが思った以上に写るので結構嬉しい。ブレをおさえることができワイドな画角があって自転車に取り付けると猛スピードで疾走しているかのようなビデオになる。そうやってサイクリング風景をとるだけでなく、写真のように走行データをオーバーレイさせると練習に役立つ。

写真は新弟子と半原越を走ったときのビデオからキャプチャーしたもの。GarminEDGE500で取得できるデータはすべてオーバーレイさせることができる。パワー(W)も表示可能だが、ここには入れていない。というようにデータの選択ができデータの配置やデザインの変更が可能だ。その操作はGarminVIRBeditというソフトで行える。

多機能で使い勝手のよいGarminVIRBeditであるが、デフォルトでは使い勝手の悪い部分もある。耐えがたかったのは距離の最小単位が0.1kmだったこと、ラップタイムの1000分の1秒が余計だったこと、速度の少数点以下がなかったこと。

いといろ探って、これらはなんとか解消することができた。小数点以下を何桁にするかはJSONにある値を変更すれば設定できる。ラップの"1000分の1秒"、経過時間"の時間"はデザイン的に表示の外に追い出すことで見えなくできた。余計なマットやテキストは編集ソフトβ版で簡単に消せた。こうしてようやくOKといえる状態になったのが今日の写真だ。

自分流にアレンジした表示はテンプレートで保存できるので手探りの試行錯誤版とはいえ作ってしまえばこちらのもんだ。GarminVIRBeditはたいへんすぐれたソフトでこの先どんどん広まっていくだろう。それに合わせて使い勝手の向上が期待できる。


2019.10.14(月) 台風あとの半原越

ジョロウグモ

台風19号の影響を見る必要もあって半原越へ。朝から小雨、午後からは本格的に降るという予報。気温は15℃ほどで合羽を持っていくことにした。この気温と小雨だと濡れるか蒸れるかの選択にせまられることになる。

荻野川に出るとエビガラズズメの大きな終齢幼虫が道路を横切っていた。今年もエビガラズズメがもぐる季節になったのだ。半原越までは特段変わった様子はない。荻野川の水はよく澄んで底が見える。砂泥が新しくなって堰堤の苔がとれ白いコンクリートが丸見えだ。

半原越は通行止めになっているという情報があった。どれほどの被害なのか確認しておきたい。橋1の手前で小さな崖崩れがあった。道路に泥が溜まってよく滑る。木々の様子は普通。折れた枝葉が多いという感じでもない。リッチランドを過ぎたところでも土砂崩れ。ゲートには通行禁止の立て札があるけれど先をチェックするためスルー。

ハーフから200m程行ったところで土砂と倒木が道路を覆いガードレールが破壊されている。これでは自転車で走ることはできない。たまたま神奈川県の関係者らしい人物がいたので状況を尋ねてみた。土砂崩れは複数あって、愛川側のほうがひどいらしい。歩いて様子を見に行くのは面倒だ。法論堂川は濁流になってはいないから壊滅的というわけでもないだろう。先の台風では1年以上通行止になったこともある。それよりは軽いと期待しよう。

写真はジョロウグモ。今年はどこに行ってもジョロウグモが多い。清里にも多かった。清川村の電線にはおびただしい数の巣がかけられている。半原越では風よりも雨だったようだけど全く無傷、台風などどこ吹く風という風情だ。ジョロウグモの巣のしなやかさと堅牢さは感心するばかり。


2019.10.19(土)くもり 事件性

オオクチバス

群青で境川へ。いつもの湧水を覗くと3つの大きな魚影があった。すぐにオオクチバスだとわかった。湧水を覗いてオオクチバスが見つかるのはまれだ。バスのほかにも大きな黄色い亀がいた。亀の正体を探りたかったがすぐに草むらに姿を消して見えなくなった。アカミミガメにしては色が薄い。捨てられた珍種の予感がする。

鷺舞橋のちかくの草むらにずいぶん白いチョウが飛んでいる。30匹ほど数えられた。モンシロチョウが大半のようだがモンキチョウもいる。翅が黄色いのでそれとわかる。いずれも新鮮な個体で、交尾をせまり、花の蜜を求めて低く飛び交っている。

今の季節にモンシロチョウは少なくないとしてもこの一角だけに群れているのは奇妙だと思った。鷺舞橋のモンシロチョウだけが一斉に羽化してきたのだろうか。事件に立ち会った感がある。

帰宅すると玄関に黒い毛虫。白い毛がまじってきれいだ。ナシケンモンっぽいが種名はわからない。しばらく庭の観察をしていない。いまいるジョロウグモ♀は3頭。風雨に負けずがんばっている。そのうち産卵にこぎつけそうなのは1頭だけだけど。いつのまにかアカマンマが咲いている。そろそろクロナガアリが巣から出てくる頃だが、今年も健在だろうか。10年以上観察を続けている巣だ。


2019.10.22(火) 雨の境川

クビキリギス

雨は昨夜から降り続いている。南海上にある台風からの雨だろう。半原越は通行止め。この雨の中を半分しか走れない半原越でもあるまいと群青で境川へ。先週はアブラゼミが聞かれたが、この雨ではダメだ。今年はもう聞くこともないかもしれない。生き残っているやつはけっこういるんだろうが。エンマコオロギもまばらになった。

雨のときは雨らしい生き物がアスファルトで見つかる。けっして多くはないのものの、カタツムリ、コウラナメクジ、アマガエルなんかが定番だろう。ちょっとかわったやつでは写真のクビキリギス。見つけてすぐになんで?と思った。見渡せば土手に草刈りが入っている。草刈り機に追い出された模様だ。不機嫌そうに腹を持ち上げている。寒いは追われるはで気が滅入って動けないのか。ちょうど自動車が通るところなので避難させることにした。あっさり手で掴めた。やはり寒さに動けないのか。こいつは成虫越冬組だと思われる個体だ。寒いときは動かないという技で冬期を堪え忍ぶのだろうか。

降っても晴れても相変わらず多いのがエビガラスズメのイモムシ。幸い人通りが少なく轢死体は見あたらない。何かに駆られて道路を横切るのだろうが、冒険の先に新天地はないことを私は知っている。

これもイミフに出歩くのがトタテグモ。一年に一度ぐらい見かけることを思えば、かなり頻繁に道路を歩いているはずだ。その意図が判然としない。地面に巣を作るクモなので、場所探し、あるいは異性探しなんだろうか。

北風とともに落ちてくる雨はおもいのほか暖かかった。自転車も歩行者も少なく快適に向かい風練習ができる。セブンイレブン裏で雨に打たれつつコーヒーを飲んで、毎回こんなだと境川も天国なんだが…と思った。


2019.10.26(土)晴れ クロナガアリが健在

クロナガアリ

朝、雑草を除いてクロナガアリの巣口を見れば、たくさんの働きアリがササガヤの種を運んできた。今年も庭のクロナガアリは健勝のご様子でたいへん喜ばしい。

アリを見てからは女房と自転車。半原越がいまいち通れないからと鳶尾山に行くことにした。鳶尾山は中津川からゆっくり走っても15分程度で越えられる小さな峠だ。ただその植生がすばらしく、大きな桜やシイもある。この辺では走ってみたくなる数少ない道だ。

鳶尾山にはおびただしい数のジョロウグモがいる。今年はどこに行ってもジョロウグモは多い。その巣がどうも新しい物ばかりだ。台風の影響は道にも森にも見あたらないけれど、ジョロウグモは巣を張り替えているようだ。


2019.10.27(日)晴れ 種を集めてくる

アカマンマ

午前中は庭の観察。クロナガアリがササガヤを集めるのを撮影。やっぱりアカマンマの花を撮る。両者ともしだいにマンネリ感が漂う撮影になってきた。もうちょっと光の具合を考えれば新境地が開拓できそうだ。

アカマンマを撮影してから女房と境川で自転車の練習。境川の水はすでに澄みとうとうと流れている。普段は遠慮がちな境川の水が自信にあふれているようだ。路面をあるくイモムシは全部セスジスズメだった。エビガラスズメしかいなかったりセスジスズメばっかりだったり面白いものだ。

いつものセブンイレブン裏で休憩。あいかわらずナガコガネグモは水路に多い。カマキリが水路のコンクリを歩き、ナナホシテントウがジュズダマの葉に止まっている。ヒメアカタテハがタンポポに執着している。太陽光線の元でとても秋らしく見える素敵な蝶だ。例年ここでヒメアカタテハを狙ってみる。

女房も自転車に乗れるようになってきた。今日はついに30km/h巡航の方法を教えた。ホンモノのテクを練習しても良い頃合いだ。

境川沿線のセイバンモロコシはクロナガアリの餌として毎年採取している。みのりがいいものはすでに大半の種を落としている。群落によってまだみのっていない株もあり、円熟しているものとの差が大きい。夏の草刈りの影響があったりするのだろう。ざっと一握りの種を集めた。女房のアイデアでネコジャラシも3穂ばかり採取。さてクロナガアリはネコジャラシを食べるだろうか。帰り道、246号線に登る道でツクツクボウシを聞いた。アブラゼミは期待しているけど、ツクツクボウシは驚きだ。はっきり聞こえたものの林からではなく工場の物置場なので幻聴かと思った。おそらく最遅の記録のはずだ。


2019.11.2(土)晴れ ササガヤとの格闘

クロナガアリ

わが家ではクロナガアリの主食はササガヤである。庭の一角はびっしりササガヤに覆われ他のイネ科は少ない。チヂミザサがほんの少しばかりある程度だ。そういう次第でイネ科の種を集めて食料にする習性のわが家のクロナガアリはもっぱらササガヤを運んでくることになる。

ササガヤは意外とくせ者で長いヒゲがよく引っかかる。写真のアリも巣まであと数センチというところで罠にかかってしまった。それはよく見る光景で、すぐに掛かりがとれることもあれば格闘しても外れずあきらめることもある。がんばるのはおおむね3分程度であろうか。


クロナガアリ

さてこいつはどうするのかと見ていると、引っ張るのをやめてヒゲの切断にかかっているようだ。種に近いところのヒゲをがしがしやっている。クロナガアリは草に登って種を採ってくることもある。ササガヤのヒゲぐらいは簡単に切れそうに見えた。しかし切れなかった。切れないとあきらめたアリは再び引っ張ることにした。しかし状況の改善はなく、再び切断にかかった。それでも切れず三度引っ張ることになった。

こりゃあきらめるかな?と邪推しながらファインダーを覗いていれば、種を押すような行動に出た。「引いてもダメなら押してみな」というのはクロナガアリには知られた格言のようである。ときおり目にする光景だ。そうやってしばしの格闘を経てこのアリは首尾良く種を運び入れることができたのである。


クロナガアリ

ところでどうして切断ができなかったのかとクロナガアリの大あごをみればニッパーのような形状になっている。がっしり掴むのには適しているが交差させてちょきんと切ることはできないみたいだ。切断の名手ハキリアリは一噛みで厚い葉を切ってしまう。仕事の邪魔をすると怒って私の指をちょきんと切った。幸い相手は小さいので指は落ちることなく、ちょいとした流血ぐらいで済んだものの、群れてかかられると我慢できないぐらいは痛かった。


2019.11.3(日)くもり ダンゴムシを運ぶ

クロナガアリ

そういえばクロナガアリに水稲の穂をやったとき、大あごを使って脱穀して運んでいった。それに運び込んだ種は大あごを使って皮をはがすはずだ。ちゃんと考えてみればクロナガアリの大あごはニッパーというだけでなく切断に使える鋭さがあるはずだ。では水稲に比べ10分の1ぐらいは切りやすいはずのササガヤのヒゲがどうして切れないのだろう? 採取時と運搬時の心構えの違いで大あごを使いこなせないのか? なかなか難しい問題を抱え込んでしまったようだ。

ひとまず「切れる」ことを確かめるために、穂のままのセイバンモロコシを転がしてみた。クロナガアリはセイバンモロコシはわりと速やかに見つける。置いて10分もしないうちに興味をもった働きアリが種に噛みつきはじめた。その様子をしばらく見ていたけれど切断するところは見られなかった。それよりも今日午前は境川で自転車の練習をしたかった。

妙にチョウが多い境川から帰って、クロナガアリを見ると、セイバンモロコシの種はけっこうな個数がはがされていた。やはり切断して脱穀することができるみたいだ。

それはともかく写真のようによってたかって何かを運んでいた。肉眼でも興奮気味な彼らの気分が認められる。クロナガアリが共同で獲物を運ぶのは私の記憶にない。これはたいへんとNikonを持ち出して記録した。写真をみれば、獲物はダンゴムシのようだ。どうやら体の一部が切断されているダンゴムシだ。ダンゴムシはクロナガアリがときおり運んでいるのを見ている。巣から搬出されたゴミの中にもダンゴムシの殻が目につく。わりと好きな食べ物なんだろう。


2019.11.4(日)晴れ ガガンボ

ガガンボ

いつも休むセブンイレブン裏の水路のコンクリ壁にガガンボがいた。正式な種名はわからない。ガガンボとしてはやや大きめといったところだろう。このガガンボというやつは存在感こそ薄いものの私には親しい虫だ。

子どもの頃、ちゃんと虫の勉強をしようと思い立ったことがある。まず町の本屋にいって本格的な図鑑を入手することにした。学研のポケット図鑑ではいくぶん心もとないことは既知であり、保育社の標準原色図鑑全集昆虫というハードカバーの立派な図鑑を取り寄せてもらったのだ。誕生日か何かの記念だったと思う。本屋からは「保育社のは詳しすぎてかえって君には使いにくいかもしれない」という意味のことを愛媛県八幡浜市の方言で言われた。

その図鑑を最初から最後まで何度か通読したのはいうまでもない。めくるめくきらびやかな虫が並んでいる。これを全部見つけることができるだろうか、全部覚えることができるだろうか、と胸が高鳴った。そして実地に虫を見つけ、標本も作って名前を調べようと思った。裏の川のほとりのみかん畑と空き地が昆虫採集地だった。そこで初日に捕まえた最大の昆虫がガガンボだった。

同定は最初から困難を極めた。初心者が立ち向かうにはガガンボ、アブ、ハエは難易度が高すぎる。それでも昆虫図鑑のおかげで私がゲットしたのはベッコウガガンボあたりかとの見当はついた。同時に分厚い本にも出ていない虫がいっぱいいることがうれしかった。

ガガンボは別方向からも親しい虫だ。物心ついたころから水棲生物が好きで、昆虫や魚を手当たり次第水槽で飼っていた。あるとき千丈川の砂を底砂にして、アシカキあたりを植えておいたところ、貝類やプラナリアなどいろいろなやつが勝手に湧いた。その中にウジ虫を巨大にしたような虫がいた。黒っぽい色をしておりヒルほどシャープではなかった。砂の中にうごめく蛾のイモムシという感じだ。

そいつは一度顔を見せただけで。なぜか砂の中を探っても二度と見つからなかった。昆虫なのか、ヒルの親戚なのか、ミミズみたいなものなのか、そいつが何者なのかの見当すらつかなかった。回りにも知っている者はいない。それがガガンボの幼虫らしいことを知ったのは30年ほどもたってからである。

私の庭にはスイレン鉢があり泥を入れ水をはってある。そこにもガガンボは住み着いている。おかげであのとき見た水中イモムシにも再会している。地味だけど親しい虫だ。大きなガガンボを見つけると少し胸が高まって写真を撮ったりする。ただしかつて夢見た昆虫博士の道からは大きく外れ同定力は上がっていない。写真のものはキリウジガガンボかな?まいいか、という体たらくだ。そして保育社の図鑑は半世紀たった今なお現役で活躍中だ。


2019.11.7(木)晴れ キチョウの擬態

ゴミ

この秋は境川に蝶が多い。モンシロチョウ、モンキチョウ、キチョウがよく目立つ。日曜に自転車で走っていて路面に転がっているキチョウを見つけた。死んだ蝶を拾っても仕方がないからとスルーして…すぐに考え直した。

キチョウはアスファルトではほとんど死体を見ていない。かなり敏捷に飛ぶ蝶なので自転車に轢かれたり歩行者に踏まれたりすることが少ないのだろう。

10mほど行って引き返し、キチョウを調べると、あら不思議人工物だった。どうもマスキングテープあたりの切れ端らしい。黒っぽい部分が裏から透かして見たときのキチョウの黒斑を見事に表現している。こういう見間違いはそう珍しいものではない。


落ち葉

それから10分ほど走って、今度は本物のキチョウを見つけた…と思った。ついでだから本物を撮っておこうと自転車を降りカメラを持って近づくと、これがまた偽物だった。何かの枯葉である。枯れて色あせた茶色い部分がうまいこと裏から透かして見たときのキチョウの黒斑を表現している。

立て続けに騙されるとこちらも意地だ。落ち葉がキチョウに見える距離角度で的確な擬態写真を撮りたくなる。

ところで昆虫の擬態というのは現状の環境を反映するものではないと思う。すさまじく上手な蛾などの擬態は、周囲の捕食者である昆虫、蜘蛛、恐竜、トカゲ、鳥などの捕食圧が今とは比べものにならないくらい高かったときに発達したものだと思う。

どれほど生命力があっても、視覚的な捕食者の目を逃れなければ滅んでしまうくらいの圧力があったのではなかろうか。ひとたび発達したデザインは変更する必要も圧力もなく今に引き継がれる。

騙されて言うのもあれだが、キチョウの擬態は私の目で見る限り低レベルだ。視覚的な捕食者の脅威が比較的小さい時小さい所に生まれた種なのかもしれないと思った。


2019.11.10(日)晴れ スーパーマクロの工夫

クロナガアリ

境川で自転車デートしたついでに拾ってきたセイバンモロコシは好評である。写真のようにせっせと種を運んでいる。セイバンモロコシの種は稲の半分もないくらいでヒトから見れば小さい。それでもササガヤよりはずっと大きい。クロナガアリはセイバンモロコシ運びにけっこう苦労する。アリなのにしばしばつまずいて転ぶのだ。むろんそんなことを気にするそぶりは一切見せない働きアリ。

今日のカットは照明をいろいろ工夫した成果の一つ。セットはNikonのD100に最廉価版プラスチックズームレンズを改造したもの。ストロボは一世代前の接写専用のSB-29だ。軽量で取り回しが良いのが利点。

この組み合わせはD300sという高級カメラをゲットしてからあまり使っていなかった。D100はファインダーがちょっとしょぼくてNGカットが増えるのが難点だ。画質はうんざりするほど悪くはない。色合いとホワイトバランスを調整して露出を間違えなければそれなりの写真は上がってくる。これはWB晴天+3、色合いー3の肌色赤寄りにしている。最終的にフォトショップでレベル補正のスライダーを動かしてはいるけど、ほぼ撮って出しのJPEGでも十分になる。

しかし、最廉価版のレンズだと解像感がイマイチのような気がする。ズーム最大ではフレアもひどい。そこでAF-N 28-85/3.5-4.5を1本ゲットするつもりだ。30年以上前に発売されていたフィルム時代のちょっといいズームレンズで、スーパーマクロに改造するのに最適なのだ。

じつは1本を職場のお嬢さんにあげた。彼女はNikonのフルサイズミラーレスなんていう超高級品を持っているカメラ好きだ。どういうわけかマクロもやってみたいというので気前よく差し上げたのだ。最新型のニコンZ6でどう写るのか試して欲しいという下心もあった。結果、モニターで見る限りD300sが赤面して逃げ出すほどの画質ではなかったから十分元は取った。新型カメラは必要ないことがわかっで大儲けだ。AF-N 28-85/3.5-4.5はヤクオフなんかだと1000円で手に入る。


2019.11.11(日)晴れときどき雨 Greg lemond's complete book of bicycling

発売が1990年1月というからもう30年ほども昔のことになる。「Greg lemond's complete book of bicycling」は私が最も精読した自転車関連の書物である。

グレッグ・レモンは数年にわたってツールドフランスと世界選手権を彼中心に回したスーパースターだ。猟銃事故からの復活劇もすばらしかった。そのレモンが本を出したという情報をゲットしていて、アメリカに行ったときに本屋に寄って買ってきた。まだロードレースがマイナーだった日本では売っていないペーパーバックだった。

内容は、グレッグ・レモンが才能ある若者が競技選手として活躍するための秘伝を明かすというものだ。テレビ、雑誌からのレース情報ではわからない裏話がとても面白く幾度も読んだ。前評判ではレモンとイノーの確執の真相も暴かれる…ということだったが、その点は事実のみが淡々と語られているという印象を受けた。

サイクリングのテクニックに関しては残念ながら、本当に残念なことだけど自転車の才能を欠いて生まれて来た私には無縁のものばかりだった。たとえば、とにかく重いギアをぐいぐい回すのが秘訣だ…などというのはできない相談である。無理を承知で何度かトライして、そのつど身の程を知るというのはいい経験であったが。

それ以外にも「夜は乗るな」「ヘルメットなんてダンプカーには無力」なんてのは今でも神の教えのごとく守っていたりする。ブルベは夜になるからやらず、日々なるべく車の走らないところで練習している。

今日、Amazonでペーパーブック特集なるものを見つけ、もしやと探してみればすぐに見つかった。それも割と安価にハードカバーの新品まで入手できるようで、たいへんすばらしい。今更ながらインターネット商業部門の勢いにはたまげる。


2019.11.13(水)晴れ 刺さった茎

クロナガアリの素

毎朝恒例のクロナガアリ観察におもむけば、写真のような光景が目に入ってきた。おやっと思ったもののすぐに経緯は了解できた。クロナガアリがセイバンモロコシの花穂を巣に引きずり込もうとして失敗したのだ。

採取してきたセイバンモロコシの種は一部茎をつけたまま庭にまいている。クロナガアリは脱穀してから運ぶのが普通だけど、たまたま力持ちだったのか軽かったのか、茎ごと運んでいったらしい。首尾よく巣穴まで運んで引き込もうとしたものの、壁につかえてにっちもさっちも行かなかったものと見える。

入り口にこんな物があると邪魔だろう。撮影のために遠目で観察していても茎が左右前後に揺れているのがわかる。働きアリが押したり引いたりしてなんとかしようとしている。巣の中に運び込もうとちょっと頑張って諦めるといった体だ。

目を上に向ければ一番成長の良かったジョロウグモ1が姿を消している。事故の痕跡はなく産卵だろうと思う。もう1頭、脚がもげてしまっている成長の悪いメスは巣にいる。こちらも小さいながら腹はぱんぱんになっている。産卵できる可能性もあるだろう。

1000円で買ったAF-N 28-85/3.5-4.5が届いた。さて画質の向上はあるだろうかと、ちょっと多めに廉価版レンズで比較用写真を撮っておいた。


2019.11.16(土)晴れ 雪迎え天地無朋

谷

女房と二人してサイクルイベントに参加するため、金曜の夜は南アルプス山麓の民宿に泊まった。土曜の朝は写真にあるように見事な快晴、しかも無風だった。宿の窓は南東の方角に向いており、午前7時頃には朝日が山稜から差し込んできた。こいつはすばらしいサイクリング日和になるだろう。そう言い合って宿の窓からなにげなく谷を見ていると、黒々とした杉の林を背になにやら光るものが飛んでいる。それは点であり線であった。逆光を受けそれらははっきり見えた。

光る点のその動きはなじみのものだ。ワタアブラムシである。アブラムシが越冬のために新しい住処に向かっているのだ。解せなかったのは線のほうだ。それは極めて細く軽くしなやかだった。1つや2つではない。次から次へと谷の中空を漂い西の方に向かっている。朝日に照らされて起きた谷風がゆるやかに山頂の方に流れているのだ。谷の底からは300mもあろうか。数百メートル離れていても糸はよく見える。長いものでは10mほどもある。

糸は緩やかに波打っているらしく、光る部分と光らない部分がある。光の線は曲がって揺れながら命あるもののように空中を漂っている。まるで蟲師のワンシーンのようだ。

そんな芸当ができる糸はクモにしか作れない。記憶をたどれば「雪迎え」という現象が山形にあるとNHKでやっていた。晩秋に子グモたちが一斉に新天地へ旅立っていく日がある。それを地元の人たちはよく知っていて雪迎えとよぶのだそうだ。放送は30年以上前になるだろうか。それを思い出しながら近くのヌルデをみれば、黄葉した枝から糸が放たれている。どうやら谷全体のクモが絶好の気流を得て次々にに旅立っているようだ。女房と2人してしばらくその光景に見とれていた。


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