クレソン(山形県月光川にて)
クレソン
その7 クレソンにちがいない

もちろん既に、草の種類には当たりをつけていた。水をかぶった環境で生きられる草で、多摩川の上流から供給されるものはそう多くないはずだ。多摩川の本流支流は水草が非常に乏しい。沈水植物、抽水(ちゅうすい)植物共に貧弱だ。そうしたなかでもずいぶん目に付くのはクレソン、別名オランダガラシだ。クレソンは非常に繁殖力旺盛で、多摩川でもちょっとした支流に入るとかなり目にする。多摩川に限らず日本全国の河川にあっというまに広がった帰化植物だ。最近では写真のような新タイプも見かけるようになった。こちらはヨーロッパではなく北アメリカが原産らしい(そういえば、バコパやルドゥジアに少し似てる。)クレソンならこっぱからでもどんどん成長する。水の中でも水の外でも生きられるし、土がなくても水栽培で簡単に増える。しかも冬でも枯れない多年草だ。

こうした条件を加味するならば私の謎の草はまずクレソンとみて間違いなかった。ねんのため暖かくなったら機会を設けて実際に採取してみるつもりで、余裕しゃくしゃく、毎朝東横線からその成長具合を見物していた。

98.3.4

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