モンクロシャチホコ顛末


モンクロシャチホコ

9月のはじめには庭のジューンベリーに毛虫の群れがついていることに気づいていた。それをはっきりモンクロシャチホコだと確認したのは9月7日である。

写真のように一枝にびっしりと黒い毛虫がたかっている。こうした群れは大きいものが2つあった。全体では200匹といったところか。毛虫たちは塊のまま葉を食い尽くし移動していた。写真にある毛虫の塊はこの枝で一斉に脱皮した。

モンクロシャチホコ

脱皮し終えた毛虫は群れにこだわらなくなった。めいめいで枝に散って、いっそう盛んな食欲で葉を暴食し始めた。

葉を食われるのは痛手ではないが、糞を落とされるのが困った。田んぼ水槽がちょうど枝の下にあって水槽に糞を落とされると水が腐敗してしまうからだ。しかたなく水槽を1mばかり移動させなければならなかった。

モンクロシャチホコ

数日すると幹を降りてくる幼虫が目立つようになった。葉を食い尽くし食物に窮して新天地を求めるのか、もしくは蛹化の場所を探しているようだ。モンクロシャチホコは去年の観察から枝に繭をかけるタイプではないことがわかっている。

そしてふと違和感を感じたのが写真の光景だ。ハエが毛虫のそばに止まっている。こいつはただ止まっているだけでなく、明らかに毛虫を注視し後を追っている。幼虫に卵を産み付けるタイプの寄生虫だろう。

モンクロシャチホコは人間の口にも合うらしいが、そこはスペシャリストの虫にまかせておきたい。

ジューンベリー

今年はジューンベリーの葉は見事に食い尽くされてしまった。まだまだ周辺の樹木は夏のような姿をしているのに私のジューンベリーだけが冬枯れの様相だ。

田んぼ水槽

田んぼ水槽は糞爆撃をさけるために移動させたのだが、それで日当たりが変わってしまった。より長く西日が当たるようになったのだ。

9月17日は台風が関東の近くを通過し、翌日は晴れてものすごく暑くなった。その夕方、田んぼ水槽に落ちたゴミを取ろうと水に手を入れて驚いた。風呂のように熱かったのだ。水温は40℃以上になったろう。水面だけでなく水全体がお湯だった。これでもう草も藻も菌もだめになるだろうとあきらめた。

ところがその後、田んぼ水槽は何事もなかったかのようにコナギは何度も花をつけ、ヘヤーグラスは芽吹き、ミドロ系の藻は繁茂を続けていた。さすが田んぼで生きるやつらは高水温にめっぽう強いらしい。写真は9月29日のもの。

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