3月5日 早春のオオカワヂシャ

もうすっかり謎の草として不動の地位を築いている境川のオオカワヂシャ。上和田中学校前から新道大橋にかけて真冬にも芽吹きと成長を確認している。早春を迎えた今日には様々な新発見と新謎があった。

水草?

秋から冬にかけて境川のオオカワヂシャは少なかった。マークし続けていたのは上和田中学校前の個体。そのオオカワヂシャはよくわからない草(左の写真)といっしょに生えていた。ところが今日になって当のオオカワヂシャのほうが消失していた。残ったのが水草らしくないほうのやつだった。これは予想外の事態だった。

水草?

それにくわえて、どうやら上の写真と同種と思われる草が近くで見つかった。こいつはこの数週間で定着したものだ。サイズからして実生ではないと思われる。上のと同種とすれば2つそろったことになる。ということはそれなりの原因がありそうだ。いったいこいつらは何者で、どういうことからここに生えているのだろう。

水草?

もう一種、これもよくわからない草が近くで見つかった。葉の感じはオオカワヂシャじゃない。そもそも水中で芽吹いているものかどうかもわからない。いったいこいつは何者で、どういうことでここにいるのだろう?

クレソン?

もう一つ、よくわからない草が1か月ほど前に見つかっている。水中に強いようでけっこう順調な成長を見せている。葉の様子はクレソンらしいがはっきりはしない。クレソンにしてはやけに川の深いところに根を下ろしているので、違和感をもっているのだ。

ギシギシ

オオカワヂシャといっしょに観察を続けているギシギシ。上和田中学校前の護岸鉄板についているやつだ。今日の発見は、水中から芽吹いたらしい幼体。水中で芽吹くという初の証拠になる。こぼれた種から芽吹いた子どもなんだろうか。

堰堤のオオカワヂシャ

消失したオオカワヂシャと同時期に発見し、観察を続けている宮久保橋堰堤のオオカワヂシャ。春を迎えて著しい成長をとげ、すでに水上葉を広げている。さて、こいつはいつまでここにいることができのだろうか。しばらく境川は増水を免れている。

湧水のオオカワヂシャ

境川遊水地公園の湧水にもオオカワヂシャは生えている。今日は湧水の近くの茂みでオオカワヂシャらしい幼体が見つかった。橋の上から遠目に見る限りでは浮き草として育っているようである。この場所の右手にはコンクリートの浅い河床があり、そこで無数のオオカワヂシャと見られる芽吹きがある。そいつらが流されてひっかかっているのだろうか?

流れるオオカワヂシャ

しばらく観察と撮影を続けていると今日も流れていくオオカワヂシャがあった。境川ではオオカワヂシャの生育状況は「流れる」ということに大きく関わっていると思う。さてこいつはどこまで流れていくのか。第二の生育場所に落ち着くことができるのだろうか。



さて、私の疑問は「どうして水中オオカワヂシャは上和田中学校前から新道大橋にかけてにしかいないのか?」ということだ。しかも新道大橋のほうはこの2月の新発見だ。この生育地を見る限り、境川ではどこでも水中オオカワヂシャがいてよさそうなものである。それなのに生育地が限定されているのはなぜだろう。仮説としていま一番有力なのが「鯉」だ。私は水中オオカワヂシャの生育場所で境川全域にいる放流鯉を見たことがない。

戻る