最近は苦悩の日々が続く。ずっと謎の草はカヤツリグサ科の植物だと思っていたのだが、もしかしたらイネ科かもしれないのだ。多摩川の土手はまだ5月だというのにイネ科の草がみのりの季節をむかえている。イネ科というだけあって、草の花も実も水稲に似ている。きゃつらが水稲に似ているのはいいが、カヤツリグサにも似ているのだ。素人の私になんか草体を見ただけでは同定なんてできっこない。あのときに採集さえしておけばと後悔しきりだ。
唯一の救いは、1998年の6月現在、どうやら滝の裏には謎の草が大きく育ちつつあることだ。相手さえいればいつかはその正体を明らかにできる。毎朝、東横線の車窓から堰堤を注視する日々は続くのだ。
98.6.6