7月1日 スズバチの巣作り

スズバチ 6月16日 土曜日(巣作りはじまる)
よく陽のあたる南向きの壁にトックリバチの一種が巣を作っている。発見は土曜日の午後。戸袋の下のすこし日影になる所だ。下地の土台にあたる部分を作っていた。蜂はスズバチで非常に大型で美しい。黒い体にオレンジのライン、羽は透明なあめ色だ。数時間に一度、泥だんごをくわえてもってくる。雨上がりで、未舗装の道は水たまりができている。そういう所から泥を持ってくるようだ。泥の中にはじゃっかん砂も混じっている。
泥の巣を作っているときには、手が届くほど近づいても人間を無視している。巣から飛んで行くときや泥を集めている所では近づくと、しばらくまとわりつく。体が大きいだけに威嚇しているようにも見えるが、ポイントになる場所の地形を覚えるための飛翔と思われる。巣作りは土台の一部ができただけで、日没によって終わる。
土台
スズバチの巣作り 6月17日 日曜日(イモムシ運び入れ)
2日目の日曜日、早朝からスズバチは忙しく働いている。昨日土台を作ったところに泥を運んでくる。土台は下のほうに作り、そこから上へ円を描くように泥を塗っていく。陶芸だと「ひもねり」という方法に近いかもしれない。
午前中に壺の形は完成した。トックリバチの名に恥じぬよう、ちゃんと徳利のような入り口に整形する。
夕方、壺を覗くとすでにイモムシが入っていた。日没して、ハチは帰ってこない。作業はこのまま中断、フタも閉じず。ということは、また明日続きの獲物を運んでくるのだろう。
イモムシ
2つめ 6月19日 火曜日(2番目の壺を作る)
月曜日には天気が良くて作業もはかどったようだ。朝の5時ぐらいにはもう、シャクトリムシを運んできていた。子どもが大きな幼虫を苦労して運び入れているところを目撃している。昼前には無事産卵も終わったらしく穴を閉ざしてしまった。せっかくきれいに作った徳利の口は壊している。これで一件落着かと思っていたら、4日目の火曜日、一つ目の壺を半分覆うように、もう一つの壺を作りはじめていた。昨日には、2つめの壺はその痕跡も無かった。かなり早朝から作りはじめたようだ。

写真は午前8時ごろの撮影。一個目の壺を2日かけて作ったことを思うと、なかなか急ピッチで作業が進んでいる。右の写真は徳利のふちを入念に作っているところ。仕上げの段階だ。触角を穴に差し入れているところがユーモラスだ。穴のサイズを計っているのだろうか。

スズバチ触角
3つめの入口 6月20日 水曜日
一日中雨がひどくほとんど作業にならなかった。
6月21日 木曜日
朝早くから作業をやっていたらしく、午前9時には2番目の壺は完成し、数匹の青虫が入っていた。夜、同じ状態。
6月22日 金曜日
昨日と同じ。夜にも閉じていない。
6月23日 土曜日
朝は昨日と同じ状態。数匹の青虫が入ったまま、フタは閉じらていない。夜も同様。このところ毎日小雨の降る日が続いているので、スズバチは活動できないのだろう。
6月24日 日曜日(3つ目の壺完成)
9日目の朝、久しぶりに曇り。天気は回復模様。朝7時半には2つめのフタが閉じられ、3つめの壺の土台が半月状にできていた。午後には壺は完成し、なかに青虫が運び込まれているのが見える。観察すると青虫は動いている。完全に麻酔されて動けないわけではないようだ。
犬と巣
4つめ 6月25日 月曜日(4個目完成)
10日目の今日、月曜日の朝9時ごろには3つ目の壺に青虫が追加されていた。夜には3つ目の壺はすでに閉じられ、4つ目の壺が完成していた。今日は曇りで、午後からは晴れ間ものぞく天気だったので作業がはかどったのだろう。いったい何個の壺を作るつもりだろう。
6月26日 火曜日
4つめの巣に芋虫が運び込まれている。夜にはまだ閉じていない。
6月27日 水曜日
4つめの巣はまだ閉ざされず
6月28日 木曜日
午前9時、4つめの巣が閉ざされた。夜には変化なし
4つめ完成
完成 6月29日 金曜日(仕上げ)
壺の数は全部で4つのようだ。2週間目の今日、スズバチは作った壺を4つまとめて砂混じりの泥で覆い隠した。