西洋
●セイヨウタンポポ●
1月9日 1月のタンポポ

 多摩川では一年中タンポポが咲いている。1月でも数は少ないながら花は見つかる(上の写真)。葉はロゼットとよばれる地面にぴたっとはいつくばる形状。花も小さくいびつでイソギンチャクみたいに地面にはいつくばっている。この季節に見つかるタンポポは全部がセイヨウタンポポとよばれる外来種。在来のものは今はみつからない。
 下の写真は多摩川のカントウタンポポ。総苞が反り返らないので容易にセイヨウタンポポと区別できる。このタンポポは桜の花が咲くころにしか見られない。
 一時期、東京近郊ではセイヨウタンポポばかりが目に付くので「セイヨウタンポポが在来種を駆逐しているのではないか」という誤解がひろまったことがある。私自身が見ているかぎりでは、二つのタンポポの間に競合関係はいっさいないようだ。似たよそ者が来たので追い払われるというのは人文的な誤解だ。
もしかしたら、日本在来のタンポポはヘラオオバコなどの外来種とは競合しているかもしれない。秋から春に新しい葉っぱを出して成長するときに日陰になるようだと、在来タンポポは生きていけない。秋から春の期間に背の高い草に覆われると負ける。

●カントウタンポポ●
関東